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玉響の箱

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玉響の箱(たまゆらのはこ) 玉は宝石や美しい石のこと。 そんな宝石が揺れる一瞬を、 「玉響」と申します。 一瞬のキラメキを閉じ込めた箱には、 noteで出会った素敵な記事を、 …
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2024年12月の記事一覧

似顔絵を貰ふ仕事よ小春風

似顔絵を貰ふ仕事よ小春風

現在の共同ホームで支援の仕事を初めてから、もうすぐ四年になる。
Nさんからは、仕事に行くたびに似顔絵を貰っていた。朝、昼、晩と、一日三枚もらう日もあったりして、あっという間に膨れてゆく似顔絵の束。写真は今年の分だけ。これがあと三倍くらいある。

裏には日付と名前と時々メッセージも。
その日の服とエプロンを見て、色をつけてくれている。私の髪の毛に白髪を見つけたりすると、前髪が銀色になったりする。

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【2025年上半期】記事のテーマ探しや、公開タイミングの参考に!クリエイターのための創作カレンダーを公開

【2025年上半期】記事のテーマ探しや、公開タイミングの参考に!クリエイターのための創作カレンダーを公開

「来年はもっとたくさんnoteを投稿したい」「書きたいテーマは思い浮かんでいるけれど、なかなか書き上げられない」というクリエイターのために、2025年上半期の創作カレンダーをつくりました!

どんなテーマがいつ読まれやすいのかが分かり、記事の公開タイミングに迷ったときや記事の内容を決めるときに参考になるカレンダーです。みなさんの来年の創作活動に役立ててもらえるとうれしいです。

創作カレンダーとは

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ルパンと紅葉の季節

ルパンと紅葉の季節

11月29日。ららぽーと磐田で『ルパン三世 カリオストロの城』のリバイバル上映を見てきた。何度も見ている作品、そのたびに完成度の高さと面白さに感服する。

本作には無駄な部分がない。かといって肩ひじ張るような堅苦しさがあるわけでもない。飄々としたルパンの行き当たりばったりが、したたかに計算された勝利への行動になっている。コミカルと緊張のバランスで綱渡りする物語が、まっすぐフィナーレへと向かっていく

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今日は、クリスマスイヴ!
プレゼント、届くかな?
届くといいな、、、

冬木道を歩きながら

冬木道を歩きながら

師走も残り10日と、指折り数える頃は
この一年を振り返ろうという気持ちになってくる。
風や気の質感、雑踏の中の音、人の流れ。
いつもと変わらない日常なのに
ここに至ると細やかな節目がリズムを打つように
わたしの中で反応している。
日差しは緩く透明色の光を放ち
木霊のように呼応してゆくさまを写真に収める。
自然が発するこれが正しいこたえなのだろうと
冬野に沿う道を歩きながら
こゝろが洗われたようにこ

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寂しさとは (習作 金子光晴「寂しさの歌」から)

寂しさとは (習作 金子光晴「寂しさの歌」から)

飯を食って
水に手をひたし
皿を洗う

沈黙のなかで
飯を終わらせた
現在地
どこにもない番地
誰もそれを気にかけない

それが寂しさか

寂しさとは
沢山の笑みのなかにあって
ひとつも本当に笑っている奴がいない
偉い 偉いといいあって
誰もそれを信じていないことだ

自分だって
人殺しなんだと
いちばん悪いやつと
おんなじなんだと

善ければ 善いほどに
深い嘘つきなんだと
言えずに
くうをさま

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『ギューしてね頑張れるからクリスマス🎄』幼稚園祝会で大役を務める年長さん✨️練習前にハグのオファーをしてくれました残念ながら手が離せず出来ませんでしたが担任の先生に聴いたらしっかり頑張っているらしい🔔次回はちゃんとハグしたいな🥰写真は年少さんが見つけてくれた落ち葉です即席で栞に変身

【詩】北のまちの理髪店

【詩】北のまちの理髪店

(はじめに)

 今回は、私を少し掘り下げた形で書こうと
思います。実家は理髪店を営んでいました。
夫婦ふたりだけで切り盛りする小さな小さな
理髪店でした。むかし、理髪店の定休日は火
曜日だけと決まっており、小学校が休みの日
曜日は理髪店にとっては忙しく、家族で泊ま
りがけの旅行にいくなどないに等しい子供時
代を過ごしました。休み明けに学校へいくと、
友達が旅行でどこどこへいった、と自慢げに
話す

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トム ④水仙の家   ー再び冬そして春 (最終話)

トム ④水仙の家   ー再び冬そして春 (最終話)

 例年より長く続いた夏がやっと過ぎた。
 猫の視線だけはひんやりー。
 
 SNSに着信があったとき、私は膝で喉を鳴らしている猫を撫でて冬の訪れを満喫していた。
 友人が送って来たのは、痩せて表情を失くした柴犬の写真だった。
 新しい飼い主を探しているのだという、つまり今現在のその犬の様子なのだった。
 息を詰めた。膝の上の猫に拠り所を求めると猫は手を舐める。
 電話をした。
 友人は、この犬の名

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折り紙サンタさん

折り紙サンタさん

今日、明日と休みで気持ちに余裕がある。午前中は保育園のお遊戯会。その後ラーメン食べに行って帰った。

もうすぐクリスマス。
娘が、サンタさんを折っていた。たくさん作ろうか?
うん!

狂気のサンタ折り祭りは静かに始まった。

長男、次男にも声を掛け、折っては壁に貼りを繰り返す。
子供達が久しぶりのゾーンに入って行った。
母さんは仕事。もうすぐ帰る。びっくりさせよう。

母さんは、見事にビックリした

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この年のこの月のこの月と

この年のこの月のこの月と

冬の陽が沈みます
冬の月が昇ります
冬の陰が生まれるところと
冬の陽を放つところ
地平線のかなたで
満面の笑顔の目配せが
なされています

満ちみちた
白光に浴して
肌とこゝろが
きりり引き締まります
まるい月のすがたに
赤い実南天を見ました
この空のこの夜のこの月に

◯◯◯◯◯

明日は今年最後の満月。
満月を前にお月さまはすでに
満ちたように美しく。

円から縁へと・・・
今年の縁を眺めてみ

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疾る北風

疾る北風

小学生の時、習字を習わせられた。
字さえ上手ければ、バカでもある程度頭が良く見える。
などという親のわけのわからない言い分により、無理矢理やらせられた。
しかし、習う一時間が苦痛で仕方がない。
正座をして、使い慣れない筆で文字を書き、書いては直され、また書いて、この単調な繰り返しが嫌だった。
なぜ、こんな事をやらなければならないのか、小学生の自分にはまったく理解できなかった。

理解できたのは、社

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【詩】 アルケミスト

【詩】 アルケミスト

昔はもっと手ごたえのある文字を書いていただろ

ごまかしの無い 少なくとも自分の心には

それが いつからか変な風になっちゃった

あなたは あなたでない人になりたがり

書く言葉や文字-―そう、文字までも!――は変わった

あなたは別の人のように外の世界を見、

誰か知らない人のように話し、振る舞った

誰かのような言葉を使い、借りものの思考法で 全ての人とつきあった

そして今 この通りだ

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