「蜘蛛巣城」(1957)は、魔女の甘言に乗せられて人生を狂わされる戦国武将の人間模様を描くサスペンスミステリ映画である。人智の及ばぬ現象はあるものの、基本は疑心暗鬼に囚われる人間の本性を描く映画であると再認識した。数千本の矢を射掛けられる三船敏郎の鬼気迫る演技は大画面で見てこそ。