二十代、私は木に輪廻転生している聖者が多く居るだろうと信じてきたので、たしかな木に触れては上空の枝を見あげてきた。三十代、足裏を耳にして、根から情報を得るようになった。つまりは下を向くようになった。四十代、私は木の内側から木を觀るようになり、ついに私が木であったことに氣がついた。