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学校と経験と

学ぶと言うことと、経験と言う事は別ではなくて、経験のエッセンスが学べるっていうのが、学校や大学の本質だと思います。

 なんか、思いがけずに、昨日ライブを聞きに行ってた場でそんな話を考える気分になりました。演奏をしているミュージシャンの人たちが、たまたま若くて現役の学生さんで、学校に行く暇がないほど全国や海外に出張して活躍している。外で活躍していると学校に行く時間がなかなか取れなくて、学食くらいで、大変なんですけど、なんとかやってます、って言う話から、です。休憩時間にかな、開演前にすこし世間話した隣の席のかたが、たまたま「ま、経験のほうを取るのかしらね」ってひとことをきっかけに、軽いおしゃべりをしました。

 それを聞いて、私は、何か別のでも、学校職員タイプの人間ではあるけれど、それだけに、「外で活躍できる人は外で活躍して、学校の事は何とか繋いでおいてくれればそれでいいから、とにかく頑張り過ぎて体を壊したりはしないでほしいですよね」って、そのミュージシャンの方々とは親御さんくらいの年齢差なこともあって、思うことを雑談しました。

 甘いかもしれないですけど、まあ、学校の仕事をするんじゃなければ、そのくらいでもね。学校で働く側のひとの場合は、すこし事情が違うけど、外がフィールドなら低空飛行でもよさそうな。
「学校」っていうのは、いつ帰ってきてもいいし、いつ勉強し始めてもいいっていう、社会に対しての、広い受け皿であって欲しいとは、私は思うので、なんかそんな感じのゆるい考えです。足りなかったら、追加注文していい場所と機会。

 でも、手をつけはじめたら、なるべく卒業はしておいたほうがいいです。評価がはかりにくい芸術分野は例外かもしれないけど、他の分野のほとんどについては、たぶん、卒業しておかないといろいろ社会的にめんどくさいです。私は合格はしたんだとか、ここまでやったのに、とか言っても、やっぱりそこまで。ちゃんと卒業してないと認めてくれない人は、学校の外側こそに、多いです。似たような人がいたら、比べられちゃうかもしれないし。

 実際、私は大学院を中退したので、、、「大学院まで行ってたら、もう、いい大学出てるんだから、過剰な学歴みたいで、どうでもいい」って言われたレベルではあるんですけれども、それだって、いろいろめんどくさいです。
「なんで修了じゃないの?」って、そういうのが気になるひとには、言われます。まぁ、相応のそのときの苦しい心身のコンディションの事情はあったし、自分の意外と見てもらえていた実績のことを知る皮肉な出来事も、その十年後、あって、「ああ、早まったなぁ、、、」という無念さも感じたのが、私個人のエピソードとしてあります。が、またこんど、それは分けて話します。(別に私は、見切り発車でいいとも思ってないんですよ。ずっとそのときの苦しい気持ちも覚えたまま、大学環境で働くのを抱え続けた本人なんですから。外から辻褄をあわせて見られても、実は、人生が葛藤そのものです。私は寝食を忘れるような悩みをきっかけに身体を壊していますが、それとは別に、この悩みも同時にかかえていたことは負担だったと思っています)。

 で。だから、あと実力が大事とは言っても、やっぱり実力の形をわかりやすく表示しておかないと、やっぱりそうでない人よりは不利です。なかなか社会に信用してもらえる形を整えておく、っていうのは結構大事なことかもしれません。あんまり言わないけどね。当然すぎるからなのか、あるいは、、、なんだろう、「形じゃない」って言ったほうかっこよさげだからなのか、わかんないですけどね。
 けっこう、形も、このさい、いっぺんにセットでないとダメです。やっぱり社会に信用してもらうためには、形がある程度大事な節目っていうのは、あると思います。

 あとタイミングです。タイミングは一度逃してしまうと、なかなか自分ではどうしようもない外側の環境の話なので、若いときの、向こうから募集した、興味をもってくれたタイミングとかっていうのは、うまくキャッチしておいたほうがいいと思います。ずれたタイミングで、こっちから無理やり門戸をたたいて売り込んでも、結構先方の都合というのはあるので、冷めると大変なだけで可能性がありません。

(だいたい日本のことだけど、)世の中のそういうしくみがあるんだって言うことを、ちょっと頭の隅でいいから、気をつけておいたほうがいいかな、と人生経験から思います。

 勉強して得られるものは、かさ張らなくて長持ちする「知識の武器」だし、ある程度ちゃんとした学校というのは社会に通用する「教養の武器屋さん」です。
 みんな「勉強」のツマラナイところで、競争しすぎて変に敵視したりする人もいるけど、やっぱり行けるうちに、ちょっとぐらい長くかかってもいいから、教育はもらいに行っておきましょう(誘いかけ)。
 教育を受けることは最大のライフハックのひとつだし、後から生まれた者ほど洗練されたものを受けられるというのは、得をする特権じゃないかな。

 私は直接かかわる「先生」役じゃないけど、先生だってね、たいていの場合は、いろいろあっても基本、与えて、送り出したいと思ってるものですし。


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