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長く生きていることのメリット

歳をとると、日ごとに若さは失われ、肉体や見た目が老化していくのですが、「代わりに」と言っちゃなんですが、良いことも結構あります。

と言うか、良いこともないと、人間は生きておれんだろう(笑)

その「良いこと」とはなんだろうか?
もちろん人によって異なるだろうから、それらに正解はない。

大人になったばかりのころは、親元から離れて、「自由」を知ったことが「とても良いこと」であったし、歳を経るにつれ、若さゆえの「過剰な自意識」が薄らいでゆくことも、「良いこと」であった。

友人などは「よかったこと」を、「やっぱり子供かな」と言う。
若い頃には想像もしなかった「自分の子供」が、この世に姿あるカタチとして実在するという不思議と奇跡。
唯一無二の宝物がそこに存在し、子育てをしながら世界の見え方がさらに豊かになったり、気づきや学びも山ほどあるのだと想像します。

人は生きている限り、途上であるので、私も「長く生きた」とは言っても、高齢者から見れば「まだまだ若い」部類に分類されるのでしょうが、現時点の私が思うことをひとつピックアップしてみたいと思います。

「長く生きてきてよかった」と思うこと。

それは「物事を抽象化できるようになり、自分と仲良くできるようになった」というものです。


……と、抽象的な言い方になってしまったので具体で説明します。


例えば、恋愛ひとつとっても、「学生時代の一つや二つの恋愛」は、それ単体の事実として記憶に刻まれます。

しかし、恋愛経験を踏み、別れをいくつか経験した後に、ふと思います。

「私の恋愛って、こういう道筋を描いて、こうなるパターンが多いな。こういう言動で、こういう問題が起きがちで、ああいう部分はうまくいく。こういう人が好き・嫌いで、こういうつきあいが、自分にとってベターであるな」


ベタに恋愛を例に挙げましたが、人生のあらゆる体験を、このようにしてパターン化して把握できるようになります。すると派生して、人生全体を見る「見方」も養われてゆきます。

個別具体的でバラバラだった事象が、まとまって抽象化され、その傾向を知ることができるようになる。そして、それが人生全般に派生してゆく。


これが私のまさしく「歳をとったから得られた」と思うことのひとつなのです。

この事実を、「もっと若いうちに知りたかった!」と心底思うのですが、それには味わった経験の数が足りない=それが「若さ」なんですよね。
だからこそ今、若い人に向けて、こんなブログを書くのです。

しかしまた一方で、経験は、多けりゃいいというものでもありません。

例えば、恋愛を10も20も経験しながら、それらを個別のエピソードとして認識している限りにおいて、経験からの学びは少ないと思われます。
それよりも限られた経験の中から、その失敗の理由も含めてよく眺め、その共通項を探る意識を持つようにする。
すると薄ぼんやりしていた自分自身のことが、少しずつクリアに見えてきます。

若いうちは、イヤ、若くなくても、人は自分のことを、なかなか把握できません。この自分が、自分のことを考えようとすると、自分の脳みそで考えることになりますので、どうしても見えにくく、盲点になってしまうのですよね。


逆に、「他人のこと」は、外側から見るわけですから、よく見えたりしますよね。

例えば、つきあっている友人の、恋愛も、家族との関係性も、仕事へのスタンスも、子育ての考え方も、友人Aと友人Bとではまったく違いますが、いつもその人には「その人ならではのパターン」があります。

人間関係のみならず、お金に対するスタンス、愛に対するスタンス、倫理に対するスタンス、命に対するスタンスなど、人によって傾向とパターンがあり、そのスタンスの集積によって、その人に幸福や不幸が訪れたりしています。

選んだ言葉や行動のパターンによって、「うまくいったり」「うまくいかなかったり」しているのが、他人からは一目瞭然だったりします。


このような、他者を冷静に眺める客観性を、自分にも適用できるようになると、自然と「傾向と対策」が生まれます⤵

◆うまくいっていることは、うまいやり方ができているということ。
◆うまくいっていないことは、やり方を変えてみるべきだというサイン。

うまくいかないやり方で、100回も200回も同じことを繰り返すよりは、10回目で気づいて、別のやり方に軌道修正してみる。

「自分にはこういう傾向があり、結果このような事態を招いている」と冷徹に受け止めることは、良いことならともかく、悪いことの場合は、非常に耳が痛いし、目を逸らしたくなります。

しかし自分のクセやとらわれ・こだわりを、外側から把握することは、より自分自身と「なかよし」になるための近道になる。

外側から、自分を客観的に見る能力は、意識さえしていれば、どんどん上手になっていきますから、若い人は、気づいたその日から、メタを意識して生きることを断然おススメします。


以上、私にとっての「良いこと」のひとつを挙げてみました。
長く生きるほどに、「良いこと」を増やしていきたいですよね。
あなたの「良いこと」があったら、ぜひ教えてください。


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