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"こころは うごいておれよ" ある短い詩について。

"こころは うごいておれよ" ある短い詩について。

2019年の1月、ノルウェーから届いた
友人からのはがきのすみに書いてあった短い詩。
題名すらついていない、短い詩。

当時友人はヨーロッパを放浪していた。
ときどき日本へ帰ってきて、
帰ってくるたびに必ず会っていたけれど
またすぐふらっと外国へ行く。
そんな生活を5年ほどだっただろうか
繰り返していて、まるでスナフキンのようだった。

彼女が長い長い放浪生活で
1番長くいたのは(住んだのは)ドイ

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教養としての夫婦学🤝|夫がみるみる進化していく話。

教養としての夫婦学🤝|夫がみるみる進化していく話。

「あれ、体調悪いの?」

ある日、夫が妻にそう声をかけた。

思わず目を見開く。
だって、私は体調が悪い。言葉にも表情にも出していないつもりだったが、夫がみずから勘付く。

よく気が付く旦那さん。
実際、夫は妻に関心があるし、よく気にかけてくれる。

だが、こちらが言葉にしてはじめて、というのが今までの”常識”だった。

「もうすぐ生理だから狂気じみた動きするかも」
「下半身お化けに取り憑かれてて

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狙撃者再び

狙撃者再び

四十肩だか五十肩だか、もう還暦を過ぎているのだから本当は六十肩なのだが、とにかく2年ぶりに肩痛が再発した。

経験した諸氏にはご存知のことと思うが、これはとにかく痛い。

例えば友人の夫君は、ある日、駅のホームで荷物を持とうとしたはずみに発症したらしく、あまりの痛みにその場にうずくまってしまったという。

友人は、肩を押さえたままピクリとも動かない夫の、あまりに尋常でない様子に動揺し、「これは何者

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5行思考文(338) - 内緒の目線 -

5行思考文(338) - 内緒の目線 -

「綺麗になったね」美容室から帰ってきた妻に声を掛けた。妻は照れくさそうに手で顔を扇ぐ、妻の癖だ。僕はコレを見たくて時々妻に照れてもらう。

「はい、ビール」夕飯の食卓についた夫に缶ビールを渡す。夫はプルタブに指を掛け、上手に片手で缶を開ける。私はコレを見たくて開けずに渡す。

相手に言ったら意識しちゃうだろうから。密かな楽しみ、内緒のキュン。

旦那さん向きなわたしの彼

旦那さん向きなわたしの彼

もうすぐ彼と同棲して1年が経つ

周りの同棲している子たちに
絶対同棲すると喧嘩するよと
言われていたけれど
1回も喧嘩をしたことがない

でもそんな彼と1度だけ
学生時代に喧嘩をしたことがある

それはわたしの
21の誕生日のときのこと

夜ご飯にかなりおしゃれな
お店に連れていってもらった

彼はいつも家計簿をつけていて、
なにか支払ったあとに
アプリにすぐ記入をする習慣がある

夜ご飯前にプ

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表彰式でチューニングをした話

表彰式でチューニングをした話

3月4日。
「第39回 日産 童話と絵本のグランプリ」の表彰式に出席してまいりました。

会場は大阪府立中央図書館。
最寄りの荒本駅は初めて降り立つ駅でした。

方向音痴なので心配でしたが、矢印の通りにしばらく歩くと、
ありましたありました!
中央図書館、立派な建物です。

おどおどしながら受付を済ますと、
「受賞おめでとうございます」の言葉とともに、名前入りのコサージュと入選作品集をいただきまし

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今年はスイカを沢山食べようね

某月某日

部屋を掃除するため、息子(4歳)が散らかした秘密基地用の段ボールを高く積みあげて場所をあける。そのてっぺんに息子が作った折り紙のお弁当を乗せて置いたら、夫が、「おお!おべん塔だ!」と言っていた。

某月某日

なんとなくアレクサに、「アレクサばんざーい」と話しかけたら、アレクサが「イエーイ!」と返してくれた。自分と同じノリのひとが近くにいると嬉しいことをアレクサが教えてくれた。

某月

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謝らないことしかできない。

謝らないことしかできない。

私の両親は、六十代で地方移住し、いまは夫婦二人で暮らしている。
田舎暮らしも八年目を迎え、もうすっかり、その町の人になった。ふだんは遠く離れて暮らし、年に何回か、顔を見せに会いに行っている。

五月の連休にも、父と母に会いに行った。静かで小さな町には海があり、山があり、広い空がある。滞在中は、いろんな路地を散歩したり、庭でビールを飲んだり、小さな畑でつくっている野菜の様子をみたり、両親にスマホを教

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キミはボクのすべて

キミはボクのすべて

夜、晩ご飯を済ました後、息子と二人でノートパソコンを見ながら彼の誕生日プレゼントを探す。

今回、息子が欲しいプレゼントは、

デジカメ

だった。

というのも最近、鳥の写真を撮って観るのが密かな趣味らしく、でもスマホだとズームにすると画像が荒くなるのが残念だと思っていたそうだからだ。

しかし、鳥を撮るのにふさわしいズーム倍率のデジカメはどれも高価なものばかりで、横から妻が

「こんな高いの贅

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平成の空気

平成の空気

 先日、ホームセンターでバランスボールのカバーを買った。
 これまではパソコンで作業のときは、椅子に腰かけていたのだが、バランスボールを椅子代わりにしてみたら、これが案外よかったのだ。
 よかったとなると継続して使いたい。継続して使うとなると、見た目も、肌触りもいいほうがいい。

 と、いうわけで、早速買ってきたカバーを被せてみることにした。

 私はてっきり、膨らんだバランスボールにこのまま、カ

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