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#恋愛小説が好き

恋愛小説への愛や、好きな作品・作家を語ってください!

急上昇の記事一覧

アメジスト色の彼女|掌編小説 色見本帖

1111字 「もっと自信満々のテイでいったほうがいいと思うな」 数年ぶりに立ち寄ったラーメン屋の片隅。オレは今夜はじめて会ったその女に、説教を垂れる。 「テイですか??」 「そう。フリでもなんでもいい。鎌をかけるってやつ」 カマ?と顔にはてなを浮かべ、ぽやっとしている彼女。 ここのオヤジさんの娘だが、ニンニクくさくもなければチャイナドレスを着ているわけでもない。なんというか、森の妖精みたいなはかなさがある。 テーブルに並んでいるのは、鉱物25種類。石ころにしかみえない物体

小説 『異国情緒も宵のうち』 ① 失恋と空港

「河北君、カナダの短期留学は絶対行きなよ?」  そうオレに言って来たのは、大学図書館内にある語学センターで働く田宮さんだ。彼女とは、TOEICテストの相談に乗ってもらうためによく会うので仲良くなっている。彼女は元々この大学の英語科の生徒で、要はオレの先輩だ。大学が提携を結んでいるカナダ・バンクーバーの大学に夏休みの間3週間参加出来る留学に、在学中2回も行ったのだそうだ。その後も、アメリカやヨーロッパを一人で旅したり、そのころからハマったというスカイダイビングをしに今でもハワ

【企画参加】 むねこがし色 〜 色見本帖つくります 

 徳さんを待つ時はいつもこの新橋の駅に近い古びた待合いの窓際に腰を下ろす。奉公している小さな料理屋のお客達がはけた頃。狭い路地で小さな子供達が石蹴りをしながら遊んでいる。短く刈り揃えた襟足が寒そうでそれを目にした文香も反射的に白い首を縮めた。    思い返せば初めて徳次が店へやって来たのもそんな頃だった。そろそろ暖簾をしまおうか、という陽の薄い晩秋昼下りの矢先。 「邪魔するでぃ。」 と着物の裾をつまみ上げながらひょいと敷居を跨いできた。奥で女将さんが 「あら、旦那。今日も

【連載小説】平々凡々な会社員が女子高生に!? vol.41 「体重計と乙女の心」

 春休みに入って、ミキちゃんと会うことが激減した。  ミユキちゃんとは塾で会う。当然、坂井とも。  来年の受験目指してバリバリに勉強する……こともなく、毎日ただただだらだらと過ごしていた。  ユキノが体重計に乗ってうんうん唸っているので何事かと思うと、体重が一キロ増えたと言って悩んでいた。一キロくらい誤差だろ、と言いつつ俺も体重計に乗る。  ん……?  54キロ……?  去年の夏の身体測定より五キロも増えている。  それをユキノに言ったら、 「お姉ちゃん、ダイ

【連載小説】平々凡々な会社員が女子高生に!? vol.40 「ダブルデート」

 ダブルデートの場所は2つ隣の市にある遊園地。  俺たちはフリーパス券を購入する。 「全乗り物制覇するぜ!」  という松永の声に 「おーっ!!」  と賛同した。  まずはやっぱり絶叫系だよね!いそいそと乗り込む俺。横には当然のごとく坂井が座る。 「ドキドキするね!」  と声をかけると、 「そう?」  と微妙な返事。  いざ、スタート!  ガタン、という音がしてコースターは動き出した。  最初はゆるいカーブをゆっくり登っていく。  ミキちゃんと松永は

とうげ道の青

毎月第一火曜日は、仕事を休んで海を見に行く。 去年の五月は、違った。 仕事で知り合った彼女に、デートに誘われたから。 彼女との話のついでに、仕事からも人間関係からも離れて、その場所に行くと話したことを、彼女は覚えていた。 迷ったけれど、彼女を迎えに行った。 助手席に乗せた彼女に言った。 「いつも見に行く海に行くよ」 「お昼には戻らないといけない」 「じゃあ、ドライブしよう。行きたいところがありますか?」 「あなたが決めて下さい」 「海に行く日の予定だったから、反対に山に行

★新企画★アマチュア作家の公開小説作り2  ネタ選定&プロット作成

新企画のアマチュア作家「柿崎まつる」の執筆大公開企画ですが、 今回はネタ選定とプロット作成について。 第一回目の記事をご覧になってから見てくださいね。 さて「ネタは王道外しでいきます」と申し上げましたが、 ティーンズラブ小説ではやや冒険的なこのネタでいきたいと思います。 TL小説×オメガバース オメガバースってなに? という方もいると思いますので、説明をリンクしておきますね。 https://ja.wikipedia.org/wiki/オメガバース 簡単に説明しますと

動け得ぬ者たち【八〇〇文字の短編小説 #47】

ロンドンに初雪が降った秋の終わり、夕暮れどきに暖炉の前で女と男が向かい合っている。二人とも古びた椅子に座り、背中を丸め、ずっと何も話さずにいる。ずいぶん前から目を合わせられずにいる。 女は半年ほど前に七歳になったばかりの娘を失った。友だちと遊んでいるあいだに道路に飛び出し車に轢かれてしまった。そのとき、女は幼なじみの男と情事に耽っていた。夫と使っているベッドの上で、娘の交通事故を知らせるはずの電話を何度も無視するほど我を忘れていた。娘は即死ではなかったけれど、女は死に目に会

【連載小説】平々凡々な会社員が女子高生に!? vol.37 「日常」

 俺はファーストキスを坂井に捧げた。  男同士気持ち悪い、と思っていたのだが、シてみると、案外いいものである。気持ちいいし、なんだか胸がきゅん……となって、不思議な気分になる。  何秒くらいそうしていたかわからないが、ハッと気がついて坂井から離れる。 「ごめん、つい……」  坂井は頭を掻きながら言う。 「つい、じゃない!気持ちの準備とか、あるだろ!!」  ずいぶん女言葉には慣れてきていたが、こういうときはやっぱり乱雑な言葉が出やすい。  坂井はシュンとして大人し

【連載小説】平々凡々な会社員が女子高生に!? vol.39 「距離」

 https://note.com/tibihime/n/n1a95ef40daca バレンタインを目前に、女子は色めき立っていた。  俺もミキちゃんも渡す相手が決まっているので、そんな彼女たちを見守る感じでいた。  でも、やっぱりどこのチョコがうまいとか、そういう話になる。 「こないだ行ったお店のチョコは甘すぎた」  だの、 「モモゾフのチョコは苦めで大人味」  だのと、よくもまあ、そんなに食べ歩いたもんだと思うほどだ。  俺には夏より前の記憶がない。な

初めての校正作業のお話&書籍化&コミカライズしましたやったぜ!!の話

いきなりですが自作が11月末に本屋に並びま~~~す!!🦄🦄 たくさんの方にご指導ご鞭撻を受けながらヘロヘロになって書き上げたウェブ小説が、ご縁がありましてKADOKAWA eロマンスロイヤル様より本にして出してもらえることになりました!  また、連載した作品はもともと短編をベースに書いたものなのですが、短編版はコミカライズしていただくことになりまして…! 嬉しいことに津々見はと先生に、とっても素敵かつキラキラにコミカライズしていただきました✨ *どちらもTLジャンルです

漢字書けないあいつは天才で

国語は嫌いだ、って言った、あいつが、好き。 喫煙者をきつえんしゃって丸っこい字で書いて、洞窟を洞屈って書いちゃう君が好き。 あいつはそして、やる気のない顔をしていた。 いつも眠そうで、電車で寝る姿ばかり見てた。きっと気づかなかったんだろうけど、私、電車が揺れる度に見てた。君が起きるかなーと思って見ていた。ケータイをあんまり触らない君が好きで、ぼーっとどこを見るわけでもない。 彼は数学が好きで、私がどうして?と聞くと、その時は特に嬉しそうな顔をしてくれた。女である私のことはあん

ショートショート 『もすきーと』

「ルルちゃんは?好きな俳優さんとかいる?」 「私わぁ」、目を右に向けるルル。 で、バーカウンターを挟んで彼女の左前方にいる俺の方を向き、照れ笑いを見せつけてくる。 「あいみんちゃんは?」 え、私に質問してくれるの?待ってましたとばかりにあいみんが視線をよこす。 俺が、グラスを右手で持つと二人が即座に俺の手先をみたが、おそらくそれは、右手の親指以外の指4本に太めのシルバーリングをつけていたからだが、 これを二人はどう捉えているのだろうか、攻めすぎて怖い?キモい? セクシー? ま

【#毎週ショートショートnote】缶蹴り恋愛逃走中

とある公園で近所の小学生5人が集まって缶蹴りを始めた。 男の子3人に女の子2人。皆、同じクラス仲間だ。 「じゃんけんぽん!」 男の子1人だけがパーで、他の4人は全員チョキだった。 4人のうちの一人が空き缶を思い切り蹴飛ばし一斉に隠れた。 「やっと二人きりになれたね!」 一緒に隠れた子の手を握り、 「今のうちに二人で別の場所へ逃げちゃおうよ!」 と言ってこっそり公園から抜け出そうとしたまさにその時、 「どこへ行くの!ダイチくんは渡さないから!」 大声で走ってき

【朝刊】習慣中毒🖋️(午前ふり返りnote)

読者の皆様、おはようございます👋 午前も「習慣」ゲシュタルト崩壊へようこそ。 【朝刊】習慣中毒🖋️(午前の部) 𝐷𝑒𝑎𝑟 𝑛𝑜𝑡𝑒𝑟𝑠, 今日も一緒に頑張りましょう!(疲労気味) スキをよろしくお願いします🥰 フォローと通知オンで明日も読んでね📖´- 𝐷𝑒𝑙𝑖𝑣𝑒𝑟𝑖𝑛𝑔 “𝐿𝑂𝑉𝐸 & 𝑃𝐸𝐴𝐶𝐸” 𝑡𝑜 𝑡ℎ𝑒 𝑤𝑜𝑟𝑙𝑑 𝑡𝑜𝑑𝑎𝑦, 𝑡𝑜𝑜. 𝐼 𝑟𝑒𝑠𝑝𝑒𝑐𝑡 𝐾𝑎𝑡𝑠𝑢𝑦𝑢𝑘𝑖𝑆𝑒𝑡𝑜 (1975-) 𝑆𝑖𝑛𝑐𝑒𝑟𝑒𝑙𝑦, 元ダメ男 ーーー🌀気分モニ

【連載小説】平々凡々な会社員が女子高生に!? vol.38 「佐藤」

 それからというもの、俺は何度も坂井とキスを交わした。まるで、なにかを覚えたてのサルのように。  学校でみんなが見ていない隙に。帰りの駅で。帰りの道の途中で。  ホントにサルみたいだった。  回数をこなせばこなすほど、シたくなる。  学校では普通に接していたけど、考えてることは多分、同じだろう。  シたい。シてみたい。  それはほんの小さな出来心のような、でも大きく心の場所を占めた。  坂井には言えない。多分同じことを考えているだろう、だからこそ言えないのだ。

【朝刊】習慣中毒🖋️(午前ふり返りnote)

読者の皆様、おはようございます👋 午前も「習慣」ゲシュタルト崩壊へようこそ。 【朝刊】習慣中毒🖋️(午前の部) 𝐷𝑒𝑎𝑟 𝑛𝑜𝑡𝑒𝑟𝑠, はい、「直感」が1番正しいドスね。 スキをよろしくお願いします🥰 フォローと通知オンで明日も読んでね📖´- 𝐷𝑒𝑙𝑖𝑣𝑒𝑟𝑖𝑛𝑔 “𝐿𝑂𝑉𝐸 & 𝑃𝐸𝐴𝐶𝐸” 𝑡𝑜 𝑡ℎ𝑒 𝑤𝑜𝑟𝑙𝑑 𝑡𝑜𝑑𝑎𝑦, 𝑡𝑜𝑜. 𝐼 𝑟𝑒𝑠𝑝𝑒𝑐𝑡 𝐾𝑎𝑡𝑠𝑢𝑦𝑢𝑘𝑖𝑆𝑒𝑡𝑜 (1975-) 𝑆𝑖𝑛𝑐𝑒𝑟𝑒𝑙𝑦, 元ダメ男 ーーー🌀気分モニタリン

【連載小説】平々凡々な会社員が女子高生に!? vol.35 「なれそめ」

  パソコンが立ち上がると、俺は坂井に 「中身見せてよね!」 と強引に迫った。  坂井はさすがに抵抗した。デスクトップにはいくつかのフォルダが存在していた。 そして見つけた、 『賢者の石』 というフォルダ。 「それは絶対だめ!」 と抵抗する坂井から強引にマウスを奪い取り、クリックする。 すると……  俺の写真がめちゃくちゃいっぱい入っていた。こんなのいつ撮ったの?という写真から、クラスでの写真まで、実に様々だった。 「…………」 俺は黙ってフォルダを閉

【毎週ショートショートnote】恋のカンフル剤

 美菜と瑛士は付き合い始めて5年になる。美菜は年齢的な事もあり多少焦りがあるが、瑛士はのんびりとしており、2人の仲はマンネリ化している。  土曜日に2人で街を歩いていると不思議な店があり、変なモノがあれこれ売られていた。店の壁に“長距離恋愛販売中”の張り紙があるのを見つけた。  店主に聞いてみると、マンネリ化したカップルのカンフル剤なのだそうだ。  2人は長距離恋愛なるモノを買ってみる事にした。  美菜が週明け会社に行くと急に転勤を言い渡された。しかも来週の頭には赴任

短編 | 星の数と同じ涙

 長い間付き合った彼と別れた。よくよく考えたら、彼と付き合うのがただの習慣になっていることに気がついたのだ。いつ切り出そうと思っていたら、彼のほうから別れを告げられた。  あぁ、やっぱりあなたも私と別れたかったのね、と思ったから安堵した。こちらから別れを告げるよりも、相手から告げられるほうが諦めもつきやすしね。

¥300

【プチ小説】小説家の恋愛事情

カフェで出会うオレは26歳の営業マン。皆、オレのことを「カワヲロ」と呼ぶ。 市内のオフィス街で働いており、オフィスビル5階建ての3階に入居している会社だ。社員は50名。オレは、営業課長をしている。 部下は10名。その中でモヒャシと仲が良い。 オレとモヒャシは同い年で同期。仕事中でも敬語を使わない。 モヒャシは社長の息子。長身で細身のイケメン。髪型はツーブロック。ブランド物のスーツを着ている。 ある日、オレはカフェにいた。午前8時の頃だ。会社から徒歩10分。大通りか

本に本を読まされている感覚

面白い本に出会った時、 嬉しさと同時に、不安の気持ちにもなります。 「こんなに面白すぎたら眠れないじゃないの!」 私は面白いものを見つけたら、歯止めが効かなくなる性格です。 ドラマやアニメもイッキ見してしまいます。 本も同じです。 本に出会うと、眠気が吹っ飛んでしまいます。 良くないと思いつつ、止められません。 夜ふかししてしまった翌日は、後悔の念しかありません。 そして、その後1週間ぐらい、体調が悪い… 負のループです。 でも、人生は、本を読まなければ、楽

飛行機のなかで読むのにおすすめの本を紹介

 空の旅のお供に、どんな本を選んでいますか?  機内での読書は、日常の喧騒を離れ、自分だけの世界に浸ることができる至福の時間ですよね。  窓の外に広がる雲海を眺めながら、あるいは静かな機内でゆったりとくつろぎながら、読書に没頭する……  そんな贅沢な時間を満喫するために、今回はフライト中におすすめの本をジャンル別に紹介していきます。  これから紹介する本は、空港の書店でも必ず売っている有名なものばかりですが、出張にしろ旅行にしろ、ターミナルは忙しく、本を選ぶ時間などあ

長距離恋愛販売中【毎週ショートショートnote】

「未来を視る?」 年明けに大学受験を控えた秋、近くの大学の学園祭で見かけた文字が気になった。 占いや診断が好きだからその類いなのかなと思ったのだ。 夏休み明けにつき合い始めた亮は他の大学に行っていて、今日は一人で自由に回れる。 「よかったら、いかがですか?」 声をかけてきた神秘的な人の説明では、ここの人たちは「視える人」で視えた未来を教えてくれるとのことだった。 胡散臭いと思ったけど、占いのようなものだと思って試してみることにした。 「あなたと彼氏は別の大学……彼はかな

【朝刊】習慣中毒🖋️(午前ふり返りnote)

読者の皆様、おはようございます👋 午前も「習慣」ゲシュタルト崩壊へようこそ。 【朝刊】習慣中毒🖋️(午前の部) 𝐷𝑒𝑎𝑟 𝑛𝑜𝑡𝑒𝑟𝑠, 意識はエネルギー化してる。 意識は物質化している。 絶対に間違いない。 難しいのは、上辺の考え(顕在意識)では意味がない。言い換えれば、浅はかな考えは、潜在意識の神様みたいな存在に見破られてるみたい。 潜在意識に対して、誠実になること。 誠実になれば、意識が君だけの世界をプレゼントしてくれる。なんというか、意識は俺を見ている

COLD BREW そろそろ開店か⁉️

 さて送付した履歴書の結果がそろそろ出ます。  一次選考結果が今週からぽつぽつ郵送される予定です。  さて、どうなるのかな。  現在の所、2か所の地域おこし協力隊にアプローチしています。そのいずれも関係しているのは、Café関連です。  この離島で身に着けたのは、Café飯の腕でございます。  私のnoteをよく読んで頂ける方はご理解できるでしょうが。やたらとケーキを焼く話題が出てきます。  そう離島にはケーキ屋さんが1軒しかないので、そこにないケーキは焼くしかないのです。私

【#毎週ショートショートnote】長距離恋愛販売中

俺は長距離恋愛については未経験だ。 正直、数えるほどしか会えない状況ってどうなんだろう。それを継続する自身は俺にはない。 そんなある日、いつも通り暇つぶしにSNSを眺めていると、あるユーザーからフォローがあった。 その際にコメントが付いており、 「長距離恋愛、買いませんか?」 どういう意味? 新手の詐欺だと思い無視しようとしたが、今は独り身だし冗談半分で買ってみようかという好奇心から、 「いくらかかりますか?」 と返したところ、 「1万円でいかがでしょうか」

現役書店員による今年読んでよかった小説ランキング

こんにちは。のちに最強になる作家、新代ゆうです。 今回は今年読んでよかった小説のランキングを紹介していこうと思います。 YouTubeのほうでは「今年発売の小説」に絞り、おすすめの小説を紹介する予定なので、noteのほうではジャンル関係なく、完全に私の好みでピックアップしていきます。 重要なネタバレはしないので気になった作品はぜひお手に取ってみてください。 それでは早速。 YouTubeでは今年発売の小説に絞って23冊紹介しています。よければご覧ください。 第5位『

COLD BREW 35

 おはよう、の声を耳元で聴いた。  枕の上にその顔が微笑んでいた。  羽毛布団の中からずるずると毛布が抜かれて、それを身体に巻きつけて、史華がベッドから降りた。その背中に、ようやくおはよう、と返せた。度胸を座えた女がそうするのは、羞恥ではなく単に朝冷えのためだ。  まだ身体が自分のものではない。  頼りなく震える足に叱咤しながら、寝床から背を引き剝がした。下着をつけてトレーニングウェアを着た。  リビングに出ると史華がハンドドリップに挑んでいた。  エアコンがまだ効いておらず

【短編小説】夢見

やってしまった。 しくじった。 私は今日、失恋した。 付き合って一年目の彼と、愛もない喧嘩だったのだが、つい捨て台詞で 「もう知らないっ!別れよう!」 と言ったところ、 「おう、俺もそろそろ別れたいと思っていたんだ!ちょうどいい、もう別れよう」 という顛末である。

¥100

暖かいお茶を飲んで読書を⭐️

こんばんは。 もしくは初めまして。 なにがしです😄👌 冬場は不思議とわくわくします。 なんだか言葉に表せない 幸せな気持ちになります。。 理由はよくわかりません。 暑さがとにかく苦手で、 ひんやりした季節が心地よいからなのか 子どもの頃のクリスマスの印象が (クリスマス映画っていいよね🎄✨) 脳内でわくわくした気持ちを 思い起こさせるのか そこまで楽しいことはないのですが(笑) 気持ちだけは毎日前向きです🐰 (逆よりはいいよね) そんな午後のひ

【男性向け】30歳からの女性の発情メカニズム後編

後編を読んでくれてありがとうございます。 どの女性をも夢中にさせてる、あなたという存在が相手の女性の脳内に入り込んでしまう方法、それは、 相手の目を見る、  そして 「変な間」を作り出すこと とお伝えしました。 たとえば、変な間の前に、 あのさぁー、→2秒止まる いやなんでもない と相手の女性に話したらどうなると思いますか? 当然仲が良い関係なら 「なになに?気になるじゃん」と聞いてくるでしょう ですが、それははっきりと相手を注目させ過ぎてしまっているこ

地元の秋祭りで元カノに会った

地元の商店街で秋祭りがあった。1000円あれば余裕で楽しめる小さなお祭り。たこせん、あてもん、グリーンティーはここで覚えた。 家族と行った記憶は、ほとんどない。小学校高学年になってから、友達と行って楽しんだ。お祭りの日が近くなると、誰と行こうかソワソワしていた。ただ、自分から誘うと相手に断られたときに泣きそうになるから、誘われるのを待ってるタイプだった。当日になっても誘われる兆しがないときは、表には出さないが半泣きになってた。 そんな地元オブ地元のお祭りに長女と次女を引き

春風に舞う想い

穏やかな春の日曜日、桜の花が満開を迎えた公園では、さまざまな人々が行き交い、幸せな笑い声が広がっていた。陽射しは柔らかく、穏やかな風が吹く中で、心を癒やされるようなひとときがそこにはあった。 その公園に、彼女の名は由紀(ゆき)。28歳の彼女は、職場のストレスから逃れるために最近は週末によく訪れていた。公園の中央には大きな桜の木があり、その美しさに見とれながら、彼女はベンチに腰掛け、ノートを広げた。花びらが舞い散る様子を目にしながら、彼女はここで執筆することで心の平穏を得てい

【朝刊】習慣中毒🖋️(午前ふり返りnote)

読者の皆様、おはようございます👋 午前も「習慣」ゲシュタルト崩壊へようこそ。 【朝刊】習慣中毒🖋️(午前の部) 𝐷𝑒𝑎𝑟 𝑛𝑜𝑡𝑒𝑟𝑠, 脳は必要な情報だけがインポートされる。 前澤社長が面白そうなことをしている。 近日の前澤社長の動向はチェックが必要かもな。 スキをよろしくお願いします🥰 フォローと通知オンで明日も読んでね📖´- 𝐷𝑒𝑙𝑖𝑣𝑒𝑟𝑖𝑛𝑔 “𝐿𝑂𝑉𝐸 & 𝑃𝐸𝐴𝐶𝐸” 𝑡𝑜 𝑡ℎ𝑒 𝑤𝑜𝑟𝑙𝑑 𝑡𝑜𝑑𝑎𝑦, 𝑡𝑜𝑜. 𝐼 𝑟𝑒𝑠𝑝𝑒𝑐𝑡 𝐾𝑎𝑡𝑠𝑢

御相伴衆~Escorts 第一章 第114話番外編④「個人レクチャー」柚葉編「初恋」より

 それからの一年間、俺は、学校から宮殿に戻ると、相変わらず、所作のレクチャーを受けながら、紫統様から、素国の国内外の状況、そして、政治や軍事のことなどを教わった。教わるというのか、結果的には、彼の考え方を伝授される形となったのだが。  素国は周囲の小国を吸収し、大きくなってきた国だ。その方針は、未だ、変わってはいない。先の大戦で、多くの小国を従え、大国が成立した。未だに従わない、西南臨海部の小国が、次のターゲットだという。 「スメラギ皇国という、小国をご存知ですか?」 「

【連載小説】平々凡々な会社員が女子高生に!? vol.33 「登下校」

 帰宅。  まだ誰も帰ってない。  俺はローファーを脱ぎ捨てると、二階の自分の部屋まで小走りで行った。  いろんなことがありすぎた、疲れた…… そのままポフンとベッドにうつ伏せになり、ボーッとしばらく過ごした。  そのうちにユキノが帰って来る音が聞こえ、俺はゆっくり起き上がった。  ユキノにお土産の絵はがきを渡すと、 「ださっ。今時こんなお土産買う人がいたんだ」 と、大絶賛された。 「だって他になかったんだよ」 と言うと、 「ご当地キディちゃんとかあった

【連載小説】平々凡々な会社員が女子高生に!? vol.36 「ファースト」

 期末テスト。  それはどの学生にも平等に降りかかる呪いの時間。  俺も例外なく期末テストなう、だ。 俺は元々は成績はまあまあだったらしい。ところが、ある朝目覚めて俺になったとたんに成績は下がり始め、今やじり貧だ。  どこでどう間違えたんだ、俺は。仮にも三流だが大学入試も済ませたはずの俺。習っていることは昔と変わらないはずなのに、頭に入ってこない。 全然、わからない。  入試からもう二十年近く経っているからかな?逆に昔より頭が固くなってる気がする。  理解しよう

蛍と川と夜と。出会う世界線と、出会わない世界線の間に揺れて。

この世界は全てが紙一重だなと思う。 1つの出来事が連鎖的にその先の出来事を動かして、 湖の波が波及するように、微小で、僅かながら、 でも確実に未来を変えていってしまう。 あのとき、ぎゅっと抱きしめていたら、 まだ一緒にいたのかな。と思う恋人とか、 自らこの世を去った大学の先輩も、 一緒にご飯食べに誘って、馬鹿みたいにはしゃいでいたら、 もう少し頑張ってみようと思えてくれたのかな。 とか、そんな紙一重の世界線について、ふと考える時がある。 彼女の地元へ行って、 無数に

第3話 音楽鑑賞 -回る音に心を重ねて-

「理子さん、今週末、お時間ありますか?」 リハビリ室で作本がいつものように声をかけてきた。彼が新しい提案をしてくるのはすでに予想していたが、何を持ち出してくるのか、理子は少し興味を抱きつつ問い返した。 「また何か新しいことを考えてるの?今度は何をするつもり?」 理子は机の上にある資料から顔を上げ、作本の明るい表情を見た。 「実は、音楽を一緒に聴きたいんです。しかも、レコードで聴く音楽です。」 作本は楽しそうに話すが、理子はその言葉に驚いたように目を丸くした。 「レコ

二気筒と眠る 16

 喉を鳴らせて呑んでいる。  まだ一昨日に産まれたばかりで、足元も頼りない。  ばかりか哺乳瓶の乳首もちゃんと咥えてはいない。  顎を支えて口に含ませる手業を女将から教わった。  ミルクを欲しがる悲鳴のような声に、生への渇望を感じる。  一昨日の朝にこの仔は産れたばかりで、まだ呑むことに慣れていない。ミルクが喉に通らないのを地団太踏んで、むずがっている。  その民宿には桐乃婆の紹介で滞在していた。  女将と娘さんで営んでいる民宿だが、娘さんが臨月で大変なんだという。それも晩

黄金の女神|掌編小説 シロクマ文芸部

                               777字 紅葉から声がすると言ったら、彼は笑った。 「ほう。なんて?」 「やっと色づいたのに、もうお別れだなあ」 言ってから、私はパッと口に手をあてる。 「ん?どした」 「言霊的にはよくなかったかも…」 そう、まさに今の私たちのよう。長い間、友人だったのが、しだいに色を変えていった。今日はちょっと遠出して、紅葉狩り。まぎれもなくラブラブデート。いや、ラブ要素は主観です。 「ああ。よくないねえ」 後ろで手を組み、並

授業中の回想。春の中、風が運ぶ五感。

もう20代前半も終わろうとしているというのに、 あの時の風の温度と感触を今だに覚えている。 中学の頃、英語の授業を受けていた。 窓際の席だったが何列目だったかは覚えていない。 外にグラウンドが見える。 時間なんて存在していなかったように思う。 ゆっくりと、ただ授業が進行している。 ここわかる人いますかー? 先生が教壇に立ち、教科書を読み上げている。 窓際で、窓を開けて穏やかな大気を飲む。 暖かく、涼しく、柔らかい風だった。 何にも形容詞しがたい、優しい香りがした。

群集心理と「独立性のあるチーム」と「依存的なチーム」で起きることの違い。

過去記事でーす! こんばんはっ(     ᷇ᵕ   ᷆  )🌙*゚ お望み通り、阿部channelへ最後の名指し! かまちょ過ぎて困ります。 今日思ったことがあって💡 いつもと違う界隈に行くと、親しむ界隈🎧の「良さ」が分かったり「特徴」に気づいたりする ↑と思ってましたが親しんでいた業界の隅っこのほんの1部だけが██でした。訂正します🫡 ━━━━━━━━━━━━━━━ 結論:変われない人は他人ではなく「自分自身」に騙され続け他・外を生き、依存し合う。 (今日は違う

【夕刊】習慣中毒🖋️(午後ふり返りnote)

読者の皆様、おはようございます👋 午前も「習慣」ゲシュタルト崩壊へようこそ。 【朝刊】習慣中毒🖋️(午後の部) 𝐷𝑒𝑎𝑟 𝑛𝑜𝑡𝑒𝑟𝑠, 新しい環境は疲れるね。 明日も頑張りましょう。 スキをよろしくお願いします🥰 フォローと通知オンで明日も読んでね📖´- 𝐷𝑒𝑙𝑖𝑣𝑒𝑟𝑖𝑛𝑔 “𝐿𝑂𝑉𝐸 & 𝑃𝐸𝐴𝐶𝐸” 𝑡𝑜 𝑡ℎ𝑒 𝑤𝑜𝑟𝑙𝑑 𝑡𝑜𝑑𝑎𝑦, 𝑡𝑜𝑜. 𝐼 𝑟𝑒𝑠𝑝𝑒𝑐𝑡 𝐾𝑎𝑡𝑠𝑢𝑦𝑢𝑘𝑖𝑆𝑒𝑡𝑜 (1975-) 𝑆𝑖𝑛𝑐𝑒𝑟𝑒𝑙𝑦, 元ダメ男 ーーー🌀気

バレンタインデーキス

「よう!元気か?」 窓を開けた瞬間、隣の家のベランダから聞き慣れた声が飛んできた。 侑真だ。隣に住む幼なじみで、昔からずっと一緒にいる。

¥100

ロゼットに落ちる春[短編小説]

 こっくりと赤いルージュを塗って家を出た。たった一つのいつもと違う行動が、私の運命を変えたのだと思う。  まるで浅瀬に漂っていた硝子の欠片が、強い波に攫われて沖へと押し出されるような、――そういう抗えない力が働いていたようにしか思えない。  あの頃の私は、胸の奥がしんと冷えるような寒さをいつも感じていた。  ふだんなら絶対に選ばない、こっくりとした深い赤色のルージュ。その口紅を手に取ったのは、ほんの気まぐれだった。このご時世だ。誰かに口元を見られるわけでもないのに。

「10代の恋愛の悩みをランキング」10位の”恋愛と勉強・部活との両立が難しい”を恋愛小説にしてみました。

LINEにお友達登録をすると愛子に無料で恋愛相談が出来ます。 「夕焼けに染まる、揺れる心の行方」 放課後の教室は静まりかえっていた。窓際の席に座ったまま、陽菜(ひな)は数学の教科書を開いていたが、ページをめくる手は中断たままだった。窓越しに見える薄紅色の夕焼けが、彼女の気持ちをじわりと包み込んでいました。 「勉強しなきゃいけないのに…」 彼女は小さな声でつぶやく。そのつぶやきには、かすかな苛立ちとためらいがあった。いた彼からのメッセージは見えない。机の上のスマホをちらりと

【プチ小説】小説家の野望。

場違いオレは26歳のフリーランスの小説家。皆、オレのことを皆、「カワヲロ」と呼ぶ。 都市部の賃貸マンションに1人で住んでいて、休みしで小説の執筆をしている。18時から6時まで小説の執筆をしていて、完全な夜型である。 ある日、友達のモヒャシが「飲みに行こう」と言った。オレは「奢りなら行くけど」と言った。 モヒャシは「もちろん、奢る。会社の女の子を2人連れて行く」と言った。オレは「なら、やめておこうかな」と言った。 オレは人見知りである。 モヒャシは「いや、来い。たま

[短編小説]また、デートの世界で生き抜かなきゃいけないの?-1-

 夫が死んだ。  夫とは大学時代に知り合い、卒業と同時に結婚した。結婚生活は3年半、ささやかでとっても幸せだった。夫は約1年前のある日、会社へ行ったきり戻ってこなかった。交通事故だった。私は26歳で、未亡人になってしまった。  未亡人になって約一年、涙はもう出ない。多分、私の一生分の涙は、もう枯れてしまったんだと思う。そんなことを考えていると、大学時代の親友から久しぶりに電話がかかってきた。 「かずこ、元気にしてた?って、大変なことがあったアンタに言ってもしょうがないか