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なぜ疲労が溜まるのか? (野生動物に学ぶホーム&アウェーの感覚とは)

「なるほど、野生の動物に学べばアウェー<ホームで疲労が軽減できるってことか!」

今年はコロナウィルスの影響で心身ともに疲労が溜まっている人が多いと思います。私も昨年に比べて身体的な疲労、精神的な疲労、これら両方のケア意識は高まっていると思います。

日々の疲労はなるべく毎日の習慣でケアしたいものです。そんな中で、疲労軽減のヒントとして面白い気づきを得ました。

キーワードは「ホーム&アウェーの感覚」。疲労を残さない工夫について考えます。

疲労と自律神経

先日、サウナの魅力についてご紹介しました。ありがたいことにnote編集部のおススメ記事にもなりたくさんの方に読んでいただくことができました。

この記事の中で「温冷交代浴は自律神経を整える事につながる」と説明しました。サウナの入り方として、サウナの約100℃の温度から20℃以下の冷水に入るのが一般的です。このプロセスは交感神経が優位となりアドレナリンが出ます。そのあと休憩イスでリラックスするのですが、ここでは副交感神経が優位になります。この一連のセットを複数回繰り返すことで交感神経と副交感神経が行ったり来たりし、そのプロセスで自律神経が整っていきます。

疲労と自律神経は関係しています。自律神経系は活動時に活発になる交感神経と、リラックス時に活発になる副交感神経がセットになっています。ストレス環境下では体温や心拍の調整をするため交感神経が活発に働き、神経細胞内に活性酸素が大量に発生し細胞にダメージを与えます。これが疲労の原因と言われています。つまり、交感神経優位の時間が長すぎるのは疲労蓄積につながるということです。

野生動物に学ぶホーム&アウェーの感覚

この「交感神経優位の時間」のバランスをとるヒントが記載されているのが疲労回復専門医の梶本修身氏の著書「誰でも簡単に疲れをスッキリとる方法」。この本は疲れの正体や、生産性を維持するための工夫、1分でスッキリ疲労軽減できるストレッチ、疲労回復のためのレシピに至るまで、疲れを落とすための具体的な手法がたくさん紹介されているので、とても参考になります。疲れが取れなくて困っている人は一見の価値ありです。おススメです。

この本の中で、「疲れない習慣は野生動物に学ぶ」という一節があります。野生動物はホームとアウェーの感覚を意識して行動しているとのこと。ホームとは「縄張りの内側」、アウェーは「縄張りの外側」のことです。

人間を含む動物はホームでは安心できる環境下でリラックスし、副交感神経が優位となります。一方アウェーでは緊張で交感神経が優位になります。先に記載した通り、自律神経はこのアウェーで疲労します。

例えば百獣の王ライオンは1日の内アウェーで過ごすのは2時間程度。それ以上いると、自律神経が疲労し、集中力や緊張感を失い他の動物に襲われる危険が高まることを知っています。

人間もつい100年ほど前までは生まれた村で育ち、身内やご近所の方など気心が知れた環境で1日を過ごしていました。私達の先祖は「ホームに居続ける生活」をしていたのです。しかし、時代は変わり、文明化するにしたがってアウェーで過ごす時間が増えました。日中は仕事で出ずっぱりで「家は寝に帰るだけ」という人も中にはいるかと思います。こうした生活ではそのほとんどがアウェーの環境と言えます。つまり、交感神経優位の時間が長く、疲労は蓄積する一方ということです。

現在の私達の生活はこれが当たり前と思っていますが、遺伝子的には「想定外のあり得ないことをさせられている」とも言えるのです。アウェーな環境ではなく意識的にホームに帰る工夫が必要ということです。

ホームに帰る工夫

仕事や学校などで自宅から出て活動しなければならない時間帯はあります。しかしそんなアウェーの環境下でも、ホームに帰る、つまりリラックスできる工夫はあります。

①こまめに休む(長時間頑張り過ぎない)
②一人になる(時には孤独なランチもアリ)
③目を閉じる(視覚的な情報をシャットアウトする)

要するにアウェーの過酷な環境に身を置きすぎないことが大切です。たとえアウェーであったとしてもあたかもホームかのように過ごせるような工夫はできます。電車で移動している間も、自分がリラックスできる音楽を聞きながら目を閉じれば、ホームにいるような空間に変わります。

家の中は安全地帯ですので、ホームかアウェーかを意識する必要はありません。ポイントは家から一歩出たアウェーの環境でなるべくホームかのように過ごすということです。

お気に入りの音楽や好みのアロマの香り、コーヒーを飲むなど、「自分なりのホームに戻れるスイッチ」をたくさん持っておくことで、ホームのシェアを高めることができます。そして、「今この瞬間私はホームにいる」と自覚することも有効です。円グラフをイメージしホームとアウェーのシェアをぐっとホーム比率を上げるイメージを持つこと。そうすることで、副交感神経が優位になるのを助けることができます。

まとめ

疲労と疲労感は必ずしも一致しません。なるべく「疲労感」を感じないような工夫をすることが大切です。ともすると、我々の生活はアウェー比率の高い、交感神経優位の生活になりがちです。こうした生活は疲労を貯めやすく、疲労を感じやすい生活です。

たとえアウェーな環境でもなるべくホームにいるような感覚を持つことで、副交感神経優位な時間を増やすことはできます。

野生動物のホーム&アウェーの感覚に学び、自分のリラックスできる「縄張り」を持つこと。自宅でなくても、その縄張りを瞬時に創り出せる自分だけのスイッチを複数持っておくことが大切です。

コロナの不安は以前消えず、やや拡大している傾向にあります。このストレスフルな環境でも、「なるべく疲労を貯めない生活」をセルフケアし、健康的な毎日を過ごせたらいいですね。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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やわらかメガネりょう
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