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エッセイ

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つらつらと思ったことをエッセイのように書いてあります。 私と、私以外の、立ち止まるきっかけ。
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記事一覧

狭い世界が集まった広い世界

狭い世界が集まった広い世界

まちなかをフラフラと歩きまわる(徘徊ではない)のが好きだ。

特に好きなのは黄昏時。
昼と夜の境目の時間帯。
私が住むところは昼間人口が極端に少ない。みんな外へと働きに、学びに行ってしまう。だから昼間は大抵静かで、ときおり手押し車の老人とすれ違ったり、職業不定のお喋りが聞こえたりする程度だ。

黄昏時になると町が動き始めるのがわかる。
踏切の遮断機が下がる音がしてから20分、町に灯りがともる。車や

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8月の振り返り

8月の振り返り

8月に24歳になりました。干支3週目に突入です。
7月は読書をすることでインプットしていた印象ですが、8月はnoteやそれ以外の場所で文章を書くことで、アウトプットに力を入れていたような気がします。

体調面ではこれまでで一番しんどい1ヶ月でした。
自殺未遂をきっかけに自傷行為が始まり、心療内科から精神科へと転院し、新しい薬の副作用で今は1日の大半を寝て過ごしています。
台風のおかげで低血圧もひど

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毎日コツコツから見える尊敬

毎日コツコツから見える尊敬

筋トレを始めた。
きっかけは低血圧に悩まされていることと、家で何もせずにダラダラしていたら太るだろうなと思ったことである。
文化部出身の私に筋トレの知識はなく、とりあえずYラジオ体操をするところからはじめてみた。高校生のときに体育の授業で合格するまでラジオ体操をやらされた苦い記憶が蘇ってきたが、そのおかげなのか音楽を聴くだけで勝手に体が動く。とはいえやはり、日頃の不健康は如実に現れラジオ体操第一だ

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「信じる」を否定しないこと

「信じる」を否定しないこと

まず、前提として、私は特定の宗教を信仰していません。そして宗教や神様を信じる人を批判するつもりも否定するつもりもありません。さらに言えば、神様や仏様について宗教についてどのくらいの知識があるのかと言えば、ほとんどありません。だから、もし自分に確固たる信仰がある人がこの文章を読んで不快に思ったり傷ついたりしてしまったらごめんなさい。

私のおじいちゃんは浄土真宗を信仰しています。どのくらい敬虔なのか

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地元を離れて気づいたこと

地元を離れて気づいたこと

大学進学を機に上京したのはもう6年前になる。
都内の大学に合格し生まれ育った地元を離れることに、特別な感情はなかった。2つ上の姉も東京の大学に通っていたこと、数年前に他界した曾祖母の家が大学から通える場所にあること、曾祖母の家はファミリー向けの団地であることなどの理由から、上京すると言っても姉の住んでいる家に引っ越すだけで、不動産巡りや家具の新調などは一切なかった。これまで母と弟と暮らしていたのが

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本屋さんよ永遠に

本屋さんよ永遠に

7.8月は本を大量に買った。
新書・小説合わせて30冊弱ほど。
書店で購入したものもあれば、ブックオフやAmazonで中古品を買ったものもある。

基本的に本は書店で購入したい。もちろんブックオフでもいいのだが、とにかく手にとって軽くパラパラとめくってみたり、同じ作者の別の本と比べてみたりして至高の一冊を買ったり、あるいは店員さんの愛の溢れた手書きポップに一目惚れしたり、新書ではタイトルだけで購入

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私が先生でいたい理由

私が先生でいたい理由

うつ病を患ってから、多くの人に先生をやめる選択肢を提案される。でも、私の中には先生をやめるという選択肢は存在しない。

私が先生になりたいと思ったのは高校の時の恩師に憧れたからである。
それでも、文学部から教職課程をとって教員採用試験を受けるに至るまでのモチベーションは他のところにあり、それがまさしく、私が先生でいたい理由である。

大学生の時にとある選挙事務所でバイトをした。結果的に議員になるそ

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助けてもらう勇気

助けてもらう勇気

私は割となんでもソツなくこなせるタイプであると思う。
新しいアイディアを実現可能性が高いものから低いものまで思いつくままに提案してみたり、提案された実現可能性が高いアイディアの枠組みを明確にするための手立てを考えて実行に移してみたり、あるいは事務的な作業も一度説明を受ければ大体のことは合格点をもらえるペースで完了できる。

アイディアを思いつくことが得意なのは、日ごろからたくさんの情報を吸収するよ

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忘れたくない言葉

忘れたくない言葉

数日前に自殺未遂をしました。
突発的で、自分でもなんであんなことをしたのかよくわかりません。
ドアノブに紐を括って全体重を首にかけてみました。
走馬灯なんか見えなくて、息はできるのに音が徐々に消えていって、視界がだんだん暗くなっていって、末端から感覚が無くなっていって、血流が止まっていることを感じました。
でも、息は普通にできるなんて不思議だなと思っている間に、ドアノブから紐が外れて血流は元に戻り

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知ることができることの幸せ

知ることができることの幸せ

学校現場でも積極的にICTの活用が進んでいる。
勤務校ではGoogleを活用して授業や行事に挑んでいる。

休職していても生徒の様子が気になる。
本当は仕事から離れて、仕事のことを忘れてゆっくり休むべきなのかもしれない(医者にもそういわれている)が、私は自分よりも生徒が好きで学校が好きだから、仕事から完全に離れることは心がどこか遠くへフワフワと消えていってしまう気がしてそれができない。
しかし、同

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父と私のスパイスカレー(2022年執筆)

キャラウェイは太古の時代から、人と人、人とモノを結びつけるおまじないに使われていたという。
父とは長らく会えなかった。さかのぼること22年前、生まれた時から離れ離れの生活は始まっていた。仕事の都合で長期出張が多く、また普段の仕事でも朝早くに家を出て夜遅くまで帰ってこなかった。中学校に上がるころには、一年の大半を台湾と中国で過ごすようになっていた。大学受験の時には、家族LINEに送られた入学式の時の

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男女について考えること。しんどいこと。

7連勤をした。バカだと思う。ただ、それなりに得たものもあった。

まず、先に言っておきたいのは、これは私の一考えであって誰かを批判したり、否定したりしたいわけではない。

例えば30代くらいの男女2人で来店するお客さんがいて、多分夫婦で、女性の方がメニュー開いてあれがいい?これがいい?と尋ねているのに、男性の方はスマホ見ながら適当に返事をして、いざ注文を取る段階になってから、ああでもないこうでもな

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夢を叶える。

夢が叶った。
そんな経験は誰もができる体験ではないと思う。
幼い頃に描いた夢を実現できる人はほんの一握りだと思う。だからこそ、オリンピックの時期になると多くのアスリートの人生を特集して、多くの人が涙を流すのではないだろうか。

幼稚園の時の夢はケーキ屋さんだったと思う。教育番組の影響だったのだと思う。ティラミスを作りたいからケーキ屋さんになりたいと言っていた。

小学校の時の夢は特別支援学校の先生

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学びを止めないということ

学びを止めないということ

2回目の“今までと違う夏”が終わった。

大学は8割くらいオンライン授業で、夏休みの思い出話に花がさかない新学期だ。

4分の3が過ぎようとしている。
4分の2を“当たり前じゃない”生活が覆った。

私は勉強が好きだ。
学ぶことが好きだ。
自分の知見を広げることが好きだ。
空っぽの脳みそに知らなかったことが詰まっていく感覚が好きだ。
知らない話を聞くことが好きだ。

だからつまり、大学での学びが好

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