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創作で生計を立てるには(小説家・川越宗一)―文芸領域リレーエッセイ⑤
2023年度に新設する文芸領域への入学を検討する「作家志望者」「制作志望者」へのエールとして、作家、編集者、評論家の方がリレーエッセイとしてお届けします。
今回は小説家の川越宗一さんのエッセイをご紹介します。
川越 宗一(かわごえ・そういち)
鹿児島県生まれ、大阪府出身。龍谷大学文学部史学科中退。2018年『天地に燦たり』(文藝春秋)で第25回松本清張賞を受賞しデビュー。短編『海神の子』(「
論文というものを書いてみて
今日は珍しく夜遅くまで起きている。
そしてこの文章を書いている。
これがいつ出されるかは知らないけれど、とりあえず書いてみたいことがある。
と言いながら、眠いから忘れてしまった。
書こうとしていたことでは絶対にないけれど、今思いついたことを書こうと思う。
主体としての学びと場としての学びについてである。
私は一応大学四年生なので卒業論文を書いている。
いつになく躍起になっている私は関係がありそ
在宅ライターとお金、「書く」ことと「読む」こと
いわゆる「1円ライター」について フリーランスになってからというもの、月末はたいていお金のことしか考えていない。というか、お金のことしか考えられないというような生活をしている。
生々しい数字を挙げる気はないのだけれど、会社員を辞めて育児をしながら文章を書く仕事をはじめ、さいしょにおもったのがぼく自身がただ生きているだけでかかるお金が月に10万円ほどあるということだった。国保、年金、市民税、医療生
文章力を上げる「読み方」がある
むかーし、といっても6年ほど前は、控えめに言って文章が下手だった友人の編集者。久しぶりにお仕事をして、原稿の加筆を見て、「あ、うまくなってる」と思った。「うまい」というと偉そうだけど、前後の流れやリズムを崩さない、わかりやすくていい文章だな、と感じたのだ。
我が子の成長を見るような気持ちになりつつ、文章力は鍛えられるんだなあ、としみじみした。では、どうして彼の文章力は上がったのか?
彼自身は「
魂を込める。文章表現はそれだけで良い。
囲い込むつもりはない。独占しようともしない。プレミアが付いた自分を誇示するでもない。お山に登って胸を張り、上から眺めて自己を誇大するでもない。
文章には、魂が込められているべきだ。熱く滾る心が、寂しく翳る心が、燦燦と煌めく心が込められているべきだ。それにつき、構成云々、使う言葉云々は関係無い。たしかに、美しく組み立てられている文章は良い。言葉は正しく使われるべきだ。が、別に「必要」ではない。
書くことが、変化して行くこと
昨日はお昼から、まるネコ堂で開催される文章筋トレに参加した。参加者は共同主催者のO氏と友人のTさんとぼくの3人。近況をそれぞれ報告してから、90分の文章筋トレを開始した。
あっと言う間の90分で書き上げた3人の文章をプリントアウトして、それぞれ読み込み、感想を言う。
O氏の文章は記事になる前のラフスケッチのような感じ。考えていることを言語化して記事にする過程を垣間見るようだった。読ませる内
書くことと読むことと
昨日は書くことと読むことをたくさんしたおもしろい日だった。
書くことでは、午前中、元祖というかほんまもんの『文章筋トレ』に参加した。10分と45分の筋トレ。45分ははじめての体験だった。ひとまとまりの時間のなかで書くことができた。そもそも上手下手を競うものでも目指すものでもなく振る舞いは自由なだけに自分があらわれるしあらわすことができる。あらわになる時間。それがまことに気持ちよい。互いが書いた文
ダメだと思ってもあきらめずに、アイデアのメモを持ち続け、書くこと
昨日書いた「仮想の愛」もそうで、ぼくが書くものなかには、そのアイデアの端緒を思いついてメモしてから、こんなくだらないもの…、と思っていったん捨ておいて、その後一年、二年と経ち、またなにかをきっかけにふくらんで、最終的にまとまった文章にできたというものがわりとあります。だから一度これはダメだと思ってもデリートせずに、メモをずっと残して持ち続けているんですね。ふだんから頭の片隅にもおいています。
書く時間よりも、直す時間をたくさん取ること|「R-18文学賞」 西山奈々子
吉川トリコ、宮木あや子、山内マリコ、窪美澄、彩瀬まる――著作が映像化されたり、直木賞候補に名前を連ねたりと話題を集めるこれらの女性作家たちは、皆この賞からデビューした。新潮社「女による女のためのR-18文学賞」。2000年に創設され、「15歳の熟女でも、80歳の少女でも」女性なら誰でも応募でき、下読みも読者選考も最終選考も女性が行うというユニークな賞だ。
いまもっとも多くの人気作家を輩出してい