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黒田卓也 / Rising Son
日本人ジャズ・トランペッター、黒田卓也の名前は前からときたま目にしていました。台湾出身のネオ・ソウル歌手、9m88の作品にもゲスト参加したりしていましたし。自身のアルバム『Rising Son』(2014)はデビュー作なんでしょうか。こないだリイシューされたということでふたたび話題となっていたので知りました。
このアルバムは日本人ミュージシャンがはじめてブルー・ノートからリリースした作品という点でも注目度が高
ブルーズ女子 〜 マリン・ブラッドリー
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Muireann Bradley / I Kept These Old Blues
若いくせにどうこうとか、ぼくはあんまり言わないんですけど。年齢差別だし、そもそも10代でデビューする音楽家はめずらしくもないでしょ。でもこのマリン・ブラッドリーのデビュー作『I Kept These Old Blues』(2023)のばあいは17歳の少女ということがことさら特別なことに思えてきます。
なんたってやっているのがブラインド・ブレイクそっくりな第二次大
しんどいときの音楽〔82)〜 カーメン・マクレエ
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Carmen McRae / The Great American Songbook
ジャズ歌手、カーメン・マクレエのライヴ・アルバム『The Great American Songbook』(1972)は、タイトルどおり有名スタンダードが中心。なかにはあまり知られていない良曲やオリジナルもありはしますが、あくまでスタンダードを歌っているのが大きな特徴です。
さらにいえば、リオン・ラッセル、バート・バカラック、アリーサ・フランクリン(のレパート
サウダージあふるる 〜 ルイ・バラタ、パウロ・アンドレ曲集
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v.a. / A Música de Paulo André e Ruy Barata
ブラジルはバラ州出身の作詞作曲家、ルイ・バラタの生誕100周年を記念して制作・リリースされたアルバムが『A Música de Paulo André e Ruy Barata』(2023)。ルイ・バラタとその子でシンガー・ソングライターのパウロ・アンドレ・バラタの曲を収録しています。
カヴァーしているのはほとんどがぼくの知らない歌手ですが、それでもマリア・
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松田聖子 / Seiko Jazz 3
これもこないだのバレンタイン・デーにリリースされていた松田聖子の新作アルバム『Seiko Jazz 3』(2024)。日本の音楽は水曜日発売が多いですね。本作はカヴァーばかりをそれもジャズ・アレンジでやってみるというシリーズの三作目。
今回はネイザン・イーストをアルバム・プロデューサーにむかえ、サウンド・メイクをまかせています。それがとってもいい仕事をしていますよね。二作目までもそうでしたが、この曲をジャ
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中澤卓也 / Love Letter
こないだのバレンタイン・デーに出ました中澤卓也の新曲「Love Letter」(2024)。といっても2022年にリリースされていた「陽はまた昇る」の新タイプ(タイプB)カップリングなんですけど、これがいいんですよね。
「陽はまた昇る」とは違って卓也のギター弾き語り。淡々とさわやかだし、ぼくはだいぶ好みです。歌詞も曲も自作。以前も言いましたが自分や周囲のバンド・メンバーによる支えしかなくなって、かえって持ち
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Dr. John / Gumbo
以前言いましたように個人的にいちばん好きなドクター・ジョンは『デューク・エレガント』なんですが、それでも最高傑作だとかは思っていないです。それは1972年の『ガンボ』でしょうねやっぱり。
ニュー・オーリンズ・クラシックの数々をカヴァーしたアルバムで、これでドクター・ジョンを知ったとか評価するようになったとかいうファンも多かったはず。ぼくもそうでした。大学生のころ。
そもそも名盤だという話が雑誌などに載っていて
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ちょっと前にTwitterで能地祐子さんが「8:30前夜世代」っていうことばを使っていたことがあって、ちょっとおもしろいいい表現だなと思いました。それでいくと1979年にジャズなどを熱心に聴きはじめたぼくのばあいウェザー・リポートの『8:30』(1979)はちょうどリアルタイムどまんなかですから、前夜ではなく「8:30世代」ですよ、まさに。
『8:30』こそはじめて買ったウェザー・リポートのアルバムで、そもそもジャズのレコード全体のなかでもかなり
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Steely Dan / Alive in America
スティーリー・ダンの『Alive in America』(1995)CDは渋谷東急プラザ内にあった新星堂で見つけて買ったもの。東急プラザってもうないんでしたっけ?1970年代に間に合わなかったぼくにとってリアルタイム初のダンでした。ジャケットからしてよさそうと興味をいだいてレジに持って行ったんですよね。
そもそもダンが復活するとも思っていなかったですから、意外な感じもありました。Ali
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Blues in Hard Bop
ハード・バップにおけるあまりにもベタで典型的すぎるようなブルーズがたまらなく大好きなぼく。いま心身ともにコンディションが悪いっていう時期に聴いて癒されたりするんですから、ほんとうに好きなんですよね。
上のプレイリストに選んでおいたのはそんなベタすぎるような12小節の定型ジャズ・ブルーズばかり。なかでもソニー・クラーク「クール・ストラッティン」やカーティス・フラー「ファイヴ・スポット・アフター・ダーク」なんかは
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Wilson Baptista / Eu Sou Assim
ウィルソン・バチスタ(ブラジル)のアルバム『Eu Sou Assim』(2023)のことはみんながいいぞと言っていますよね。ぼくも好きで去年からくりかえし聴いてきました。
バチスタはとっくに故人なので、ヴォーカルは過去音源から抜き出し、それに現代の腕利き演奏家たちによる伴奏をつけたといった具合。バチスタの時代にマルチ・トラック録音はないので、声だけ抜き出すのはたいへんだったでしょう。
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江玲 / Hong Kong Presents Off-Beat Cha Cha
香港の歌手、江玲(コン・リン)の1960年作『Hong Kong Presents Off-Beat Cha Cha』がめちゃめちゃ楽しい。オフ・ビート・チャ・チャとはマンボやチャチャチャなどラテン・ビートがアジアに入ってきて変型したもの。そ〜れがもうチャーミングで言うことなし。
フィリピンや香港を中心として流行は1960年ごろだけですぐに終わってしまったもののよ