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妄想恋愛詩

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妄想はいつでもどこでもできるもの。倫理に反しても、こんな恋愛もいいかなという妄想を詩に託してみました。妄想も自分の大切な一部ですね。短編小説、詩、イラストを収録しています。
もしかしたら、私の妄想ではなく、あなたの妄想かもしれない。イラストも収録しています。
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記事一覧

詩 | 一粒のH2O

詩 | 一粒のH2O

ビュンビュンと
さきへさきへと
みんながすすんでいく中で
ひとりだけモタモタしてたら
あぶないから
みんなのペースにあわせて
あたしも走りつづけた

みんな息もたえだえで
ホントはてくてくと歩きたいのにね
でも人の流れはとめられない
はげしい流れのまん中にいる人ほど
流れから離脱することはむずかしい

あたしはもう
クタクタに疲れちゃった
だからずっとずっと前から
流れのハシッコにいて
流れのそと

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詩 | 雪月花

詩 | 雪月花

雪のような純粋さを持ち
月のように控えめで
花のように艶やかな女になりたい

雪のようによごれやすくて
月のように他人の光で光り
花のような儚い夢を持つ女です

あるときは雪子
あるときは月子
あるときは花子になる
それが私…
#雪月花で文を作ろう #漢字3文字で詩作してみよう #note投稿企画 #雪月花文学 #眠れない夜に #自己紹介 #イラスト

もっと美人に生まれたかったな

もっと美人に生まれたかったな

まぁ自分で言うのもなんだけど
両親には可愛く産んでくれたことを
感謝している

不細工に生まれていたならば
味わっていたかもしれない
艱難辛苦を経験せずに済んだのだから

でもね 絶対的なアイドルのような
可愛さも美しさもないのも
イヤというほど自覚している

並みの男くらいなら
落とすのは簡単なことだけれども
もっと上を目指すには足りない

もっと美人に生まれいたら
もっと才能に恵まれていたら

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短編 | 視霊者の夢

短編 | 視霊者の夢

「わたし、守護霊を視ることができるんです」

 瞳は熱心に語り始めた。「またか」というのが僕の率直な感想なのだが、彼女の自己主張の強さも知っていた。

「瞳ちゃん、君が守護霊が絶対にいるという根拠はなにかな?」
 僕は聡明な瞳に理性的な説明を求めた。

 瞳は気色ばみながら言った。

「わたしの目に映るからです。明らかにわたしの目に見えるから、というだけでは不十分でしょうか?目に見えないものを熱心

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詩 | 愛の孤独

詩 | 愛の孤独

人に注ぎ得る
愛情の総量には限界がある

多くの人を愛する人の愛情は
常に表面的なものに過ぎぬ

そこで人は選択を迫られる
多くの人に少しずつ
自らの愛を注ぐべきか
それとも
少ない人に多くの
自らの愛を注ぐべきかと

多くの人から愛される人は
少しだけ多くの人を愛する人

少ない人から愛される人は
深く人を愛することができる人

多くの人から愛される人と
少ない人から愛される人と
どちらを孤独と

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短編 | 星の数と同じ涙

短編 | 星の数と同じ涙

 長い間付き合った彼と別れた。よくよく考えたら、彼と付き合うのがただの習慣になっていることに気がついたのだ。いつ切り出そうと思っていたら、彼のほうから別れを告げられた。

 あぁ、やっぱりあなたも私と別れたかったのね、と思ったから安堵した。こちらから別れを告げるよりも、相手から告げられるほうが諦めもつきやすしね。

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短編 | 小説家志望ですが...(創作大賞2025に向けて)

短編 | 小説家志望ですが...(創作大賞2025に向けて)

「どんな人でも、この世にひとりしかいない。だから、自分ではどんなに平凡だと思う人生しか歩んでこなかったと思っても、その人にしか書けないことがある」

 どこで聞いた言葉なのか、今となっては思い出せないけど、ときおり思い出す言葉だ。私には私にしか書けないことがある。
 別にこの時代を生きている人でなくてもいい。まだ生まれていない人でもいい。私という人間がこの地上に存在した証を残しておきたいと考えるよ

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