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短編 | 小説家志望ですが...(創作大賞2025に向けて)

「どんな人でも、この世にひとりしかいない。だから、自分ではどんなに平凡だと思う人生しか歩んでこなかったと思っても、その人にしか書けないことがある」

 どこで聞いた言葉なのか、今となっては思い出せないけど、ときおり思い出す言葉だ。私には私にしか書けないことがある。
 別にこの時代を生きている人でなくてもいい。まだ生まれていない人でもいい。私という人間がこの地上に存在した証を残しておきたいと考えるようになった。

 私にとって、後世まで読まれる文章を書く人として真っ先に思い浮かんだのは文豪であった。だから、私の生きた証としてふさわしいのは、私のことをもとにした1つの小説を書くことではないかという思いに耽落するようになった。


 1冊の本を後世に残すならば、私のすべてを注ぎこんだ作品がいい。私は今までの私の人生において転機となったことを書き出していった。

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