マガジンのカバー画像

動物に関する本のレビュー集

188
動物に関する本のレビューを集めてあります。哺乳類、鳥類、爬虫類、両生類、魚類という脊椎動物から、昆虫を含む節足動物、貝類などの軟体動物、ミミズなどの環形動物といった無脊椎動物まで…
運営しているクリエイター

2023年2月の記事一覧

古代エジプトの神々―その誕生と発展

古代エジプトの神々―その誕生と発展

古代エジプトの神々―その誕生と発展

 題名どおり、古代エジプトの神々について、解説した本です。
 一九八八年に出た本ですが、基本的な内容は、古びていません。

 二〇一一年現在でこそ、古代エジプトの神々を解説した本は、多いです。
 けれども、一九八八年当時には、日本語のそういう本は、ほとんどありませんでした。本書は、貴重な本でした。

 現在は、多くの類書が出ていますね。それらと比べても

もっとみる
スキャンダラスな神々

スキャンダラスな神々

スキャンダラスな神々

 飯縄【いづな】という、日本独自の神について、書かれた本です。
 飯縄は、飯綱【いづな】とも書かれます。飯綱のほうが、一般的な表現です。本書では、飯縄のほうを、主に使っていますね。

 飯縄は、謎が多い神です。神ではなく、憑き物の一種とされることもあります。
 素朴に祈られる神ではありません。邪法とか、妖術といった、おどろおどろしい印象が付きまといます。

 そんな

もっとみる
深海のフシギな生きもの ー水深11000メートルまでの美しき魔物たち

深海のフシギな生きもの ー水深11000メートルまでの美しき魔物たち

深海のフシギな生きもの ー水深11000メートルまでの美しき魔物たち

 深海生物の本です。類書の中では、読みやすいほうだと思います。

 その理由は、第一に、写真が多いことが挙げられます。
 第二に、その写真が、どれもこれも美しいです。解説文を読まずに、写真だけを見ていても、目を奪われます。
 解説文を読めば、もっと、ためになります(^^)

 深海生物の写真には、どうしても、死んで標本

もっとみる
深海のとっても変わった生きもの

深海のとっても変わった生きもの

深海のとっても変わった生きもの

 深海生物の本です。類書の中でも、群を抜いて素晴らしい、と思います(^^)

 その理由は、載っている写真が、すべて、「生態写真」だからです。
 生きている姿をとらえた写真ばかりなんですよ!

 深海生物がお好きな方なら、この手の本を、何冊か、手に取ったことがおありでしょう。
 そこに載っている写真は、ほとんどが、「標本写真」ではありませんでしたか? つま

もっとみる
はじめての「霊場高野山の植物・動物」入門 (セルバ仏教ブックス)

はじめての「霊場高野山の植物・動物」入門 (セルバ仏教ブックス)

はじめての「霊場高野山の植物・動物」入門 (セルバ仏教ブックス)

 日本有数の霊場である高野山の、植物と動物について、解説した本です。
 題名に動物とありますが、実際には、ほとんどが植物の話です。動物については、ほんの少ししか、載っていません。

 高野山に限らず、仏教に関わりのある植物について、取り上げられています。
 仏教に関心がある方にとっては、「こういう方面から、仏教を見るやり方も

もっとみる
世界大博物図鑑―Atlas anima (5) 哺乳類

世界大博物図鑑―Atlas anima (5) 哺乳類

世界大博物図鑑―Atlas anima (5) 哺乳類

 世界に冠たる大博物図鑑の、第五巻です。世界中の哺乳類が載っています。
 しかも、美しいカラー図版が、てんこ盛りです。

 可能ならば、評価の星を、六つ星くらいあげたいです。この図鑑の内容を評するに、五つ星では足りません。

 本書が刊行された、一九八八年時点での、最高峰の哺乳類図鑑です。
 刊行当時に知られていた哺乳類は、すべて載

もっとみる
人はなぜだまされるのか (ブルーバックス)

人はなぜだまされるのか (ブルーバックス)

人はなぜだまされるのか (ブルーバックス)

 本書を読むと、ヒトとは「だまされやすい生き物」であると、わかります。
 より正確にいえば、「現代の生活の中では、ヒトは、だまされるようにできている」となります。

 なぜ、ヒトは、だまされやすいのでしょう?
 簡単にだまされるなら、生きてゆくのに不自由なはずですよね?
 そんな不利な性質が、代々、受け継がれるはずがないのですが?

 本書が

もっとみる
真珠の博物誌

真珠の博物誌

真珠の博物誌

 真珠について知りたいなら、何よりも、本書をお読み下さい。

 真珠を作る貝についても、真珠が宝石として使われてきた歴史も、真珠採りという職業についても、真珠の構造についても、真珠養殖についても、真珠の種類についても、載っています。

 つまり、真珠について、普通に知りたいと思うことは、本書にすべて載っています。

 日本語で、一般的に、真珠について読める文献としては、本書が

もっとみる
チーズ図鑑

チーズ図鑑

チーズ図鑑

 日本語で読めるチーズの図鑑としては、二〇一一年の時点では、最高のものではないでしょうか。

 百種を軽く越えるチーズが載っています。しかも、すべて、カラー写真付きです。
 カラー写真は、チーズの表面と、断面図と、両方が載っているのも、いいですね(^o^)

 こんなに良い図鑑ですのに、ちょっとだけ、減点したい部分があります。紹介されているチーズが、フランスのものに偏っているの

もっとみる
クモの網―What a Wonderful Web! (INAX BOOKLET)

クモの網―What a Wonderful Web! (INAX BOOKLET)

クモの網―What a Wonderful Web! (INAX BOOKLET)

 クモの網の標本を集めた本です。とても美しいです(^^)

 クモ自体の写真はありません。かわりに、クレヨンで描かれたような、かわいらしい絵が付いています。クモが苦手な人でも、読めると思います。

 クモが苦手でも、クモの網の模様は、「美しい」と思う人が、多いでしょう。
 苦手だからという理由で、この美し

もっとみる
増補 酒づくりの民族誌―世界の秘酒・珍酒

増補 酒づくりの民族誌―世界の秘酒・珍酒

増補 酒づくりの民族誌―世界の秘酒・珍酒

 これ一冊あれば、世界のお酒について、とても詳しくなれます(^^)
 「世界には、なんと多様なお酒の文化があるのだろう」と感嘆させられます。

 日本人に馴染みのあるお酒と言えば、日本酒、焼酎、ビール(麦酒)、ワイン(葡萄酒)、ウィスキー、ブランデーくらいでしょう。最近ですと、泡盛、紹興酒、ウォッカ、テキーラあたりも入るでしょうか。

 けれども、

もっとみる