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読書日記

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やっと本を読む余裕ができました。月に4〜5冊ペースで、好きなSFや小説、ノンフィクションを赴くままに読んでいます。
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記事一覧

読書ノート5

読書ノート5

●ブラフマンの埋葬 小川洋子
不思議なお話。猫でもなく犬でもなく、それが「ブラフマン」であることで、切なさと不穏さの質が変わる。小川氏との対談で、次はこの「ブラフマン」について語りましょう…と言ったまま急逝された河合隼雄先生。この物語から何を引き出そうとしたのか、今となってはお聞きできないのが残念。

●陰日向に咲く 劇団ひとり
登場人物が次々とつながっていく展開は、さすが。公衆電話やデジカメなど

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読書の秋の読書術〜私流(2)〜

読書の秋の読書術〜私流(2)〜

自分にとって面白い本をどうやって見つけるか

文学賞を取った本、話題のベストセラー、最近では本屋で働く方の選んだ本屋大賞を受賞した本…魅力的な本はたくさんありますが、それが自分にとって面白いかどうかはまた別だったりします。

ということで、私流の探し方。

ドラマや映画の原作を読む

いいなと思ったドラマや映画の原作は、元々面白かったものを小説で追体験するのでハズレなし。内容を深められたり、映像化

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読書の秋の読書術〜私流(1)〜

読書の秋の読書術〜私流(1)〜

月に1度1冊も本を読まない人が、6割を越えたとか。自分を振り返れば、今年の初めまでまーーーったく本を読まなかった私としては、まあ納得。

人はみんな忙しいし、SNSやサブスクとか、エンタメの選択肢がたくさんある現代は、仕方ないかなぁ…と。

しかし、読書スイッチの入った今、本を読むって他に変えがたい体験だなぁ…と思うので、本を読むのが楽しくなった、私の読書術を紹介します。

とはいえ、最初から読書

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読書ノート4

読書ノート4

6月〜8月に読んだ本。暑いながらも日々読書笑

●口福のレシピ 原田ひ香
歴史ある料理専門学校を軸に、昭和と令和、二つの時代が交錯する。会話文が多くテンポ良いストーリーは、原田さんが脚本家出身と聞けば、なるほど!と。作中で出てくる様々なお料理に、読み終わったあと、「美味いもんいっぱい食ったー」みたいな気になるのが、我ながら可笑しい

●ベトナムの桜 平岩弓枝
江戸時代、瀬戸内海の島に住む高取大介、

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積読チャンネルと夏葉社とマラマッドと大滝さん

積読チャンネルと夏葉社とマラマッドと大滝さん

お盆も近く、飲食店としてはかきいれどき。うちは店内飲食よりはるかにお弁当・オードブル類の注文が多いので、昨日あたりから本格的な仕込みが始まっています。

仕込み作業の今日のお供は、youtubeの「積読チャンネル」。バリューブックスの飯田さんが、個性的な目線で面白い本を紹介してくれるチャンネルです。今回は小さな出版社を立ち上げた方のお話で、テーマは「推しの出版社を見つけよう」。

紹介されている本

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ラジ鬱投稿(原田マハ・風神雷神)

ラジ鬱投稿(原田マハ・風神雷神)

先週の投稿

田中さん、こんにちは!
鹿児島も梅雨明け!それとともに殺人的な暑さの毎日です💦

さて、今年に入ってから、心に余裕ができたのか、ゆっくり本を読むようになりました。昨日読み終わったのは原田マハさんの「風神・雷神」。ローマに渡った遣欧施設(けんおうしせつ)の少年たちと、あの俵屋宗達が実はともにヨーロッパに渡っていた…という想定のフィクション小説です。

マハさんはもともとキュレーターと

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ラジ鬱投稿(冷や汁と原田ひ香「口福のレシピ」)

ラジ鬱投稿(冷や汁と原田ひ香「口福のレシピ」)

先々週の投稿

田中さん、こんにちは!
本日20日木曜日の鹿児島は、スマホからピロリンピロリン警報が鳴る、大雨の天気です。お店も暇だし、こういう時は読書に限ります。

今日読んだのは「原田ひ香」さんの「口福(こうふく)のレシピ」。歴史ある料理専門学校を軸に、昭和の初期と令和、二つの時代が交錯する物語です。会話文が多く、テンポ良いストーリーは、原田さんが脚本家出身と聞けば、なるほど!とうなずけます。

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矢野さんみたいに「宇宙おばさん」になりたい!

矢野さんみたいに「宇宙おばさん」になりたい!

「ロケットに乗れば月には3日で行ける」というのをテレビで見て、「え、意外に近いやん」と思ったところから、宇宙や月への興味が再燃しているこの頃。ラジオにゲストで出ていた山崎直子さんのトークが面白くて、本も読みましたが、他の宇宙飛行士の本も読みたくて検索していたら、なんと野口聡一さんと、矢野顕子さんの、こんな素敵な本が出ているじゃないですか!!

●宇宙に行くことは地球を知ること 野口聡一・矢野顕子

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読書ノート3

読書ノート3

なんだか読書スイッチが入ったみたい。本を読むのが楽しくなってます。

●ロイヤルファミリー 早見和真
競馬、というのは私にとって全く未知の世界。馬主、生産者、調教師、騎手…競馬を取り巻く様々な人物の人間模様を、2世代に渡って追う骨太な物語。日頃自分が全く関心のない世界でも、とことんのめり込んでいる人達がいる、ということが知れて、面白かった

●サラバ 西加奈子
西さんの本は初めて読んだ。前半はクセ

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西加奈子「サラバ」と我が一族のお家騒動の話

西加奈子「サラバ」と我が一族のお家騒動の話

久しぶりに地元の図書館に行って、西加奈子さんの「サラバ」上巻を借りました。
個性的な家族のなかなかハードな物語。承認欲求と自意識の強い綺麗な母親と、その美しさを引き継がなかったために、ことごとく母親に反発する姉の確執を、弟の視点から描いています(父は存在感薄し)。

これを読んでいる最中、我が一族では大きな騒動が持ち上がっておりました。
1月にやや感傷的な気分で記した義理姉の離婚。

長い時間の中

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読書ノート2

読書ノート2

ここ数ヶ月、なんやかんや忙しかった割には、そこそこ読みました。

真珠夫人 菊池寛
以前、大分旅行をきっかけに読んだ菊池寛の「恩讐の彼方に」が面白かったので、代表作であるこちらを。昼ドラで有名になりましたよね。前半のスリリングな展開からすると、後半はちょっと失速しちゃうけど、それでも十分読み応えあり。

入浴の解体新書 松平誠
お風呂文化の歴史。日本人は昔から風呂好きなことは確かだが、昔の風呂は衛

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早見和真「イノセントデイズ」と猫の避妊と医者の権利の話

早見和真「イノセントデイズ」と猫の避妊と医者の権利の話

早見和真「イノセントデイズ」を読みました。
ある不幸な境遇の女性、田中幸乃が死刑宣告を受けるところから話は始まります。理由は、捨てられた元恋人に執拗に付きまとい、挙句その妻と双子の赤ん坊を、嫉妬に狂って焼死させた罪です。その判決の根拠となった理由に基づき、彼女の過去が、彼女と関わりを持った様々な登場人物の視点から語られていきます。

ちょっとした行き違いから、どんどん闇堕ちしていく幸乃の人生は、一

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ラジ鬱投稿(姫路旅行、柳田國男にまつわる宿・「蔵書の館」)

ラジ鬱投稿(姫路旅行、柳田國男にまつわる宿・「蔵書の館」)

今週の投稿

田中さん、こんにちは!
先日の水曜日、鹿児島に戻って「着いたよ」コールをしたその後に、四国の地震速報!田中さんや、リスナーの皆さん、被害はなかったでしょうか?

さて愛媛に滞在中はいつも、必ず家族6人で(父母、兄、ダンナ、娘)1〜2泊の旅行をします。今回は「世界遺産を見よう!」と姫路へ参りました。さすがに桜は散っていましたが、「白鷺城」とも呼ばれる美しさは、見応えがありました。

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小林聡美のエッセイと風呂場で転んだ話

小林聡美のエッセイと風呂場で転んだ話

なんというか全然調子が出ないので、なんか軽いエッセイでも読むか、と小林聡美さんの「東京100発ガール」を購読(電子)
小林聡美といえば、年代的には「やっぱり猫が好き」だろう。もたいまさこ、室井滋と3姉妹を演じたシチュエーションコメディ。

自分がもし芸能界に入るなら、小林聡美の立ち位置がいいな〜なんて考えていた(あほくさ)。三谷幸喜と結婚した時も「やっぱりね!この絶妙さがいいよね!」と一人納得して

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