カレー屋が実験に至った物語〜前編〜
この話は2020年末頃に遡る。
コロナ禍で初めての年末の東京。
夜は殆どお店を開けられていなかった頃。
よく来ていた常連さんが"また皆でカラオケとか行けたら良いですよね…。"と遠い目をして呟いた。
思えばあの一言からすべてが繋がっている。
皆でカラオケはなかなかハードル高かったあの頃、それならば私が曲を弾いて歌って貰えたら少しは気が紛れるのでは💡と、お店の隅に立て掛けてあったミニギターで弾けるレパートリーを増やし始めた。冬っぽい曲が数曲弾けるようになった頃には春になっていた。