君が生きてきた場所で 僕は君の幻影を探し 祈れば会えると 願えば会えると 1秒だけでも良い 君の姿を 届かない君を 僕の心はがむしゃらに追って 追って追って追い続けている そんな心を見て僕は 視線を空に移して 少し鼻で笑う 秋風が吹く 君と過ごした秋は どんな季節だっただろうか 少し忘れているぐらいが 良いんだ 記憶を掻き分け 思い出す時間も 愛しく思うから いつか君と新しい記憶を 作ることが出来るのなら また秋を過ごせるなら そ
僕の右手から朝日がさした 少し高いなだらかな山の裾から 君は背中の方だな 僕の方位磁石は君を基準にして くるくると動いているのさ 枯れた地面を踏みしめた 僕は地球に乗っかって まるでポツンと居るみたい そして僕は時間の旅へ向かう 隣で君が珈琲を飲んでいる 僕が淹れた珈琲を 美味しいと笑って 恥ずかしがりやの僕は 心の中で笑って 隣で君が歩いている 手を伸ばせば届く距離で 同じ空を見上げ 新緑の匂いを二人で そんな記憶も朝日が照らす そっと
色んな時があるさ 浮いたり沈んだり 重なったり離れたり 毎日違う 違って当たり前 そうやって時間を過ごしてきた 今までも もちろんこれからも 素敵じゃないか 幸せじゃないか どんな気持ちも どんな感情も 君と向かい合うことで 生まれた音色 一つ一つに耳を傾けながら 思い出しながら 僕は君を巡る たくさんの君を その日その日の君を 僕は思い出しながら 愛しく思いながら 少し僕は笑って 今日も君をたくさん思い たくさん知った 良い日
君が手に入れたいものは どんなものだろうか 何としても手に入れたいものは いつかは終わるさ 誰に何を言われようとも 僕らは消えてしまう だから手に入れたいものは 譲れない 譲ってはいけないのさ 君の中にある声は 本当に君の声なのかな 姿もない誰かの声? 君の声はどこにあるの 背の高い草むらを掻き分けるように探して 君の声はどこで三角座りをしてるのかな 周りを見渡してごらん 全て無責任で一時的で 何となくそうだと言ってるだけさ くだらない
ここにあるよ 僕が選んだ思いが ここに 決められたものなんてないのさ 僕らは選択して生きていけるんだ そうしたいと願い こうしたいと選ぶ いつだって選ぶことが出来るんだ 過去は過去さ 今この時からまた 僕らはスタートし続ける 何を迷っているんだい 何に縛られているんだい 肩に背負ったものなんて 過去の遺産でしかないのさ 今思うことを その気持ちを 僕らはぎゅっとして 大切にして 手を繋いで こうしようって 生きたらいい 絡んだ糸は
言葉を尽くすよ 雨が足下に染み込んでいくように すぐに乾いて 無かったもののように 君が思ってしまおうとも 僕は言葉を贈るんだ 宛名さえ分かってもらえなくても 君の脳裏にうっすらと 僕の言葉が残っていて ふとどうしようもない時に 誰の言葉かも忘れていたとしても 温かいなと思えるように 僕は君に言葉を尽くす 気持ちを込めたたくさんの言葉を 君を思い織った 温かな言葉を 君を包み込む 誰の言葉かも忘れてしまっても 君を包み込む どこかで誰かと
外に出てみると 知らない花が咲いていた 特別なものではないだろう きっとどこにでも咲く そんな花 僕は知らずに生きてきた 色んなことを知らずに ゆっくりと見つめれば 気付いていたはずなのに 知らなかったんだ 愛する気持ちも そんなふうに そっと近くに あるもの そうだったんだね 君が悲しんだり 自分を投げ出しそうな時 僕は君を思っている 涙を流しながら あぁもう無理だと思った時 僕は君が寄りかかるのを 待っている 君が生きたことを
崩れてしまう 崩れていきそうだ 壊れた天秤のように 右へ左へ くるくる廻って あぁもう落ちる なぜ笑っているのだろうか なぜ泣いているのだろうか 僕はなぜ笑っているのだろうか 手のひらを見つめ 刻まれた無意味な線を眺め 少し心を落ち着かせる 崩れていきそうだ 崩れてしまう手前で 視線を外す 秋晴れの空が僕を襲う 小さく縮んでいくんだ 雨でも降って見えないように してくれたら良いのに どうしてこんなにも 不安定なのだろうか どうしてこん
星空に描いた君の姿に 僕は手を伸ばした 届かない そりゃそうだよな 願いが一つ叶うなら 君の幸せを願いたい 笑顔で軽い足取りで 踊るように生きる君の生活を 僕には君の思いは分からないし 知るすべもないけれど それでもいいんだ 僕は僕の思いを君に 届けることが出来れば それでいい もう一つ願いが叶うなら 君にお帰りと言って 笑顔で迎えたい 今日も頑張ったねって とりあえずビールでも飲んで 一緒に乾杯して お疲れ様と伝えたい 何を食べよう
空にならないビール瓶 僕の意識は君のもとに飛んでいったみたいだ 君との記憶へ繋がる 様々な文字や言葉を見ると 滲み出てくるんだ どうしようもなく 君が好き 僕は優しく想像する 君が生きている姿を 君が暮らす時間を 僕はそっと想像する 上手く履けない靴 いつもより重い玄関の扉 それでも一歩を前に出した そんな君の背中に手を添えて 心の隙間に温もりを伝えたい 僕の願いは空振りで 思いは届かず独り言 それでも奇跡が起きて 香りが風に運ばれるよう
君が後悔した時 君は君と向き合っているんだね 君が自分を否定する時 君は誰かにもっと何か出来たらと 思っているんだね 自分について考えることは 自分と向き合おうとすることで それは簡単ではないんだよ だから、そんな自分を そうしてしまう自分を 君は認めるべきだ 誰かに押し付けることもなく 自分で背負おうとする君を 僕はとても愛おしく思う 傷付きながら進めば良い 人を傷付けない優しさを 君はもっているという ことなんだから 一つ一つの傷は
君への思いが溢れて それを言葉にする 君に届けたいと思いながら 僕はまた夜を迎えた そんな僕の姿を 君は知るはずもなく 想像すらしていないのかもしれない 当たり前か 君へ贈る言葉が 100を超えた時 君は少し振り向いてくれるのだろうか 君へ贈る言葉が 1000を超えた時 君を抱き締めても許してもらえるのかな 愛するということを 僕は刹那的なものではないと思うんだ 愛するということは 燃え上がる炎のようではないと思うんだ 愛というのは じん
君が夢見る世界に僕はいるだろうか 君は僕を愛しているのだろうか 君は僕を大切に思うだろうか そんなことを考え続けても 仕方ないよね だから僕はそっと君のそばにいる 疲れていないかな 悲しんでいないかな 辛い思いをしていないかな そんなことを考えながら 僕は君のそばにいる 君のそばにいたいんだ 君が世界で一番素敵 君が誰よりも素敵なんだ 君に敵うものなんてない とびっきり大好き あなたのことが大好きです 君が自分を否定する分 僕は君を肯定した
秋の風だ 少し冷たい風が そっと窓から入ってくる 君も同じ温度を 肌で感じているのかな 遠くにいる 声の届かない場所に もちろん君の温もりも 感じることは出来ない それでも同じように 秋のやわらかな冷たさを 君も感じているのかなと思うと 心が温かくなって ふと君の体温が甦る 遠くにいても 僕らは同じ世界で 生きている 同じ季節を感じながら 生きている それだけで なんだか幸せで ふと君の姿と 君の笑顔を思い出す 僕は少し微笑んで
金木犀の薫りがする 甘く柔らかな薫り 秋の匂いだ 20年以上も前だ 稲刈りが終わり 籾殻が舞う時期に 金木犀の薫りが漂う 少し冷たい風と 収穫を祝う祭り 酒の匂いと共に 荒れる村人たち 自ずと思い出す 決して忘れることのない 身体に染み付いた 秋の記憶 僕は生きて来たんだな 短いようで長い この人生でも 忘れられない 染み付いた記憶が いくつもある 季節は記憶を呼び起こす そんな風に君のことも 僕は思い出す 君の薫りや 共に歩
僕たちはせいので 背中を向け 振り向かずに 知らない方へと歩む 肩を落とさないように 下を向かないように いつもの歩幅で前を向いて しばらく歩いて僕は 方向を右へと変えた 前から吹く風がとても冷たく 歩くのが嫌になったんだ 横から吹く風もまた 痛いぐらいに 僕の体から体温を奪う 耐えきれずに また右へと進路を変え 背中で風を受けることにした しばらく歩いていると 君と過ごした記憶の匂いがして たくさんのことを思い出した 思い出していると