こやまさおりのショートショート

ショート専門物語クリエイター、物語を書いたり描いたりしています、1児の母、旅・映画が大好きです

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HPができました🌸

こやまさおりの公式HPを作りました! 私のプロフィールや、写真、作品を載せております。 お気軽にお問い合わせもできるようになっております。 どうぞ、宜しくお願い致します✨ ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ❤️・コメント・フォローいつも届いております 皆様のお気持ちが励みになります Instagram・tiktokやっております 宜しければプロフィール

    • 龍眼の巫女

      穂を鳴らせ 地を開けろ その殻を破るごとく 陽を照らせ 踊り喜べ 龍の呼び声 鳴り響く 心を灯せ 力強く その思い届くまで 翡翠の瞳、何を見るや 未来映す力なり 龍眼の巫女 眼を覚ます ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ❤️・コメント・フォローいつも届いております 皆様のお気持ちが励みになります Instagram・tiktokやっておりま

      • おけげさまで

        貴方のおかげさまで、毎日が楽しいよ あなたのおかげさまで、早起きができるようになったよ アナタのおかげさまで、元気が出たよ わたしは一人で生きてはいない たくさんの“おかげさま”で生かされている 怒らぬように 沈まぬように 笑顔を絶やさぬように どうか今年も、みんなのおかげさまで 素敵な一年を終われるように 感謝を伝えられるように :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

        • それぞれの冬

          「本日のラッキーカラーは赤!  寒い一日になるので、暖色で元気を出しましょう」 出勤前につけたテレビのミニ占いは今日も適当なことを言っている 赤は派手だからそんなに好きじゃないんだけどなぁ 去年買ったマフラーでも出すか 適当だと分かっているのに、なんとなく気にしてしまうのは、 私の性格だからなのだろうか 昨日、サトシと別れた 喧嘩をするでもなく、嫌いになったからでもなく、実に大人の別れだった 「家庭を感じられないというか、  家族になれる気がしないんだ、悪いんだけど」

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        • 詩っぽいもの
          8本
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          3本
        • 物語っぽいもの
          12本

        記事

          月夜に

          定年を迎えてから 1人でじっくり月を見る日が増えた 古びた縁側は歩くたびにギシリと音がして この家を買ってからどれほど長い年月が経ったかを感じさせた 冬になると痛む膝をさすりながら、座布団を敷いて座る 暖かいお茶を一口飲むと、湯冷めした身体が温まった 「お酒は体に響きますから、お茶にしときましょう」 ぼんやり月を見上げていると、君の声を思い出す 毎朝きちんと出てくる朝食 シワひとつ無くピシリと整えられたスーツ 庭の花壇には、きまってパンジーが植えられていた 家のそこら

          夜更けのおむすび

          ふと時計を見ると、深夜の2時を過ぎていた ああ、今日も終わらない 数学、英語、国語、なぜ主要教科ばかり後回しにしてしまうのだろう 「あー・・・明日のテスト、生物だけにならないかなぁ」 頭を悩ませながら教科書に突っ伏していると トントンとドアがノックされた 「夜食、持ってきたけぇな」 「ばぁちゃん、勝手に入るなって、いつも言うとるじゃろ」 「お腹すいたかな思うたんよ」 軽口を叩きつつ 海苔で簡単に巻かれた俵型のおむすびとジャガイモの味噌汁を見て グゥーっとお腹が鳴った 「

          まどろみの午後

          溜まりに溜まった1週間分の洗濯物を一気に干して 僕は冷たいフローリングの上にゴロンと横になって窓の方を見た ユカが結婚するらしい 昨日シンプルな封筒に入れられた結婚式の招待状が届き びっくりするのと同時に ピンクのペンで「絶対きて!」と一言添えられているのを見て 彼女らしさに思わず笑ってしまった 彼女とは高校から塾が一緒で 帰り道に西町のシャッター外の商店街をフラフラとよく歩いたものだ 受験する年の夏になって転入してきた彼女は、ちょっと浮いていて 最初見た時から変なやつ

          風の唄

          ララララ 春風 一番早く吹く 可愛い花たち お目覚めかい そよそよ 夏風 軽やかに 風鈴 チリンと涼しく揺れる サラサラ 秋風 色が着く オレンジ 黄色 朱色 山々綺麗に頬染める ひゅるひゅる 冬風 優しい子守唄 キラキラ 雪がダンスを踊る 風の唄 素肌を通り抜けたら 楽しい 嬉しい 季節が巡る ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ❤️・

          こころのサンクチュアリ

          ひとすじの白糸がこころの泉に落ちた 白糸は滝になり サラサラと泉に流れゆく 泉は水で満たされ透き通りゆく こころが満ちゆく 身体が満ちゆく 満ちた声で「おはよう」とあいさつをした 満ちた手先でご飯を作った 満ちた目線で空を見た 満ちたこころは 満ちた毎日を紡ぎゆく 満ちた毎日は 幸せを紡ぎゆく 満ちた幸せは またこころの泉に還ってゆく ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

          時のブランコ

          カチリ コチリ カチリ コチリ 秋がやってきた カチリ コチリ カチリ コチリ 時のブランコ リズムを刻む ブランコを漕ぐ少女のワンピースに 金木犀の花が小さく咲いている 溢れ出した花たちは 少女がブランコを漕ぐたびに ふわり、ふわりと甘い香りを漂わせながら 雪のように舞った カチリ コチリ カチリ コチリ 季節を知らせるリズム カチリ コチリ カチリ コチリ 冬に向かい進んでいく 大きくでもなく 小さくでもなく 少女は一定の決まったリズムで漕ぎ続ける カチリ 

          思い出レストラン

          ある朝、奇妙な光で目が覚めた 柔らかく薄ぼんやりと光る黄色い光 朝なのに、月明かりのような不思議な情景につられた僕は パジャマに上着だけ羽織って玄関を出た 朝霧が広がり視界が悪い中、光に導かれる様に アパートの前の路地を右に二回、左に一回曲がった すると、そこには小さなレストランがあった レストランの古びた扉を光がすぅっと通り抜ける ガチャリとドアノブをひねると、レストランの真ん中には 一席だけテーブルがあった その上には大きな白い器がセットしてある 恐る恐る腰掛ける

          さざ波ヴェール

          太陽の王子様は海がめに言いました 「三日後の流星群が降る夜に、必ず迎えに来るよ  その時一緒にこの海を越えて、新しい街に行こうね」 海亀は言葉を知りませんでしたので 大きく一回パチリと瞬きをしてみせました 「僕は太陽だから、夜はこの姿ではいられないのだけれど  君と一緒なら、きっと新しい姿になれるね」 海亀はどきり、どきりと 感じたことのないトキメキと 不安が入り混じるような不思議な感情に戸惑いました だけれど 王子様の笑顔がピカピカと眩しかったので もう一度大きく

          朝焼けの時間

          冬を感じる肌寒さで目が覚めた シーンと澄んだ空気 まだ活気のない家の前の道路 そして、雲の裾が少しピンクに染まった朝焼け この静かな始まりの時間が好きだ パジャマの上に使い古した毛糸のカーディガンを羽織り お気に入りの喫茶店で買ったインスタントのコーヒーを淹れる 熱々のコーヒーをすすると、ふぅとため息が出るほど身体が温まった 家族ができてから、一人で息をしていることが減った この時間はまだ飲み歩いていた時代もあったなぁと 過去の自分の若さを笑った ゆっくりと日が高く

          スローステップ

          あなたの速度は誰より遅いかもしれない あなたは人より立ち止まるかもしれない あなたの考えは大衆と違うかもしれない けれども ゆっくり回る景色の中で ゆっくり大きく息をする呼吸の中で ゆっくり歩いていくその軌跡の道中で あなただけのスピードで あなただけのやり方で ゆっくり「あなた」を見つけていくだろう スローステップ ゆっくり踏み出そう スローステップ 誰よりも丁寧なあなたへ 誰よりも生真面目なあなたへ 誰よりも大切なあなたへ ::::::::::::::::

          夢のなる木

          泳ぐ足を止めて 波をかき分ける手を止めて 冷たい海にただ身をまかせませう コロコロ 心地よいこの音色は 水面に浮かぶ泡から聞こえる 地平線の向こうに沈んでいく夕日に焼かれて 一本だけ静かに生えた木の影を見た 沢山の泡たちは 母の胸を目指すように 優しい木に帰っていく わたしの夢は何であったか わたしの心は何であったか 沈んでいく身体を忘れて わたしの泡も木に帰っていく いつかの夢を抱きながら ::::::::::::::::::::::::::::::::::

          空飛ぶペンギン

          「で、あるからして~···ここはXを」 カリカリとチョークを鳴らしながら数式を並べていく先生を僕はぼんやりと見ていた 教室の外からはジョワジョワとセミの声がうるさく、ほとんどの生徒は下を向いて必死にノートを取っていた 僕は見えないように机の下で、下敷きを使って足元をあおぐ ああ本当に、数学ってやつはどうしてこうも覚えにくいのか Xって何となく、ペンギンの形に似てないか?なんて考えながら、教科書のXに両手を広げたペンギンの落書きをした 受験前のこの時期に、真面目な生徒が多いこ