詩 1人の乾杯
空にならないビール瓶
僕の意識は君のもとに飛んでいったみたいだ
君との記憶へ繋がる
様々な文字や言葉を見ると
滲み出てくるんだ
どうしようもなく
君が好き
僕は優しく想像する
君が生きている姿を
君が暮らす時間を
僕はそっと想像する
上手く履けない靴
いつもより重い玄関の扉
それでも一歩を前に出した
そんな君の背中に手を添えて
心の隙間に温もりを伝えたい
僕の願いは空振りで
思いは届かず独り言
それでも奇跡が起きて
香りが風に運ばれるように
そっと君へ届くかもしれない
そう信じて
姿勢を変えずに
いつものように
僕は思っている
瓶の中は空になることはない
隣で君が笑って飲んでいる
僕はずっとそれを夢見ているのだから
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