「大脱走」を観終え、私の手はあるDVDに自然と伸びていた。「太平洋の奇跡 フォックスと呼ばれた男」。終戦後もサイパン島で戦い続け、上官命令にて米軍に投降した、大場栄ひきいる大場隊の物語である。米軍は、投降式に現れた大場隊の姿に息を呑んだ。胸を張った敗者たちのなんと美しいことよ。
幸福。降伏。
敗戦日を終戦記念日と名付けているのは個人的には違和感しかないのだけれども、多くの人がどう考えているのか気になるところ。その日から何をされているのかを隠したり、置かれている立場を分からなくさせたりする目的でそういう名付けをされているのかもしれない、という見方ができるかは大事だろう。
何度か、こういうことを書こう、と思って書き出してみたのだが、どれも違う気がして、消してしまった。今日は文章を書くな、ということなのだろうか。そう来られると、抵抗したくなる。とはいえ、その抵抗として書くこの文章すら、違う気がして、文字数も尽きるし、今日はおとなしく降伏すべきなのか。