藤田・マンモーニ・五朗 

偽名です。週二更新。 ホッピーが好き、店員が偉そうな飲食店は嫌いです。

藤田・マンモーニ・五朗 

偽名です。週二更新。 ホッピーが好き、店員が偉そうな飲食店は嫌いです。

最近の記事

【物語に生き、物語に殺される】

我々は理解できないモノに出会うと、 物語を通してそれを理解しようとする。 だから人生を考える際に多くの人が 宗教という物語を通して理解しようとする。 だから消費者にとって倫理的だと思える 製造過程を製品の横に張り付ける。 だから理不尽な世界に苦しめられている 自分たちを救済する英雄の物語に染まっていく。 「ストーリーが世界を滅ぼす――物語があなたの脳を操作する」 ではいくつかの事例を用いてそのことを我々に示してくれている。人は簡単に事実を事実として理解することはできな

    • 【死と再生】

      最近よく「死にてえ、、、」と言ってしまう。 ベットで眠りにつく前、街をなんとなく歩いているとき突然、今日あった嫌なことや過去の自分の恥ずかしい失敗。 未来への不安、そうしたものが脳内にあふれてしまい、一人のときにふと呟いてしまう。 はっきり言って完全にヤバい奴だ。 しかし冷静に考えると、本当に死にたい訳じゃないだって死ぬと戻ってこれないから。 死が本当に恐ろしいのは後戻りが出来ない不可逆なところだ。特殊な環境を除いて日本では辛い状況に置かれても生きていれば後から何かに気づい

      • 【そして新時代へ】

        直近文章を書く度に「世界」がどうのだったり 「社会」がどうのと、大きい言葉を使ってしまう 語彙力の無い自分に恨めしい気持ちを頂きつつも それでも今日は新しい世界の到来を感じてしまう。 本日2024年11月17日は兵庫県知事選挙が行われた日だが、マスメディアの当初の予測を裏切り、 前知事の再当選という結果となった。(注1) 前知事の斎藤氏はパワハラ及びそれを発端とする 自殺報道などもあり苦戦を予想されたが、 結果は快勝と言ってもよい内容だ。 ネット(X)では、「既得権益と

        • 【我々こそビッグブラザー】

          Big Brother is watching you (ビッグブラザーがあなたを見ている) 「1984」/ジョージ・オーウェル著より(注1) ビッグブラザー(注2)とはイギリスの小説家ジョージ・オーウェルの作品「1984」に登場する架空の指導者のことである。 1940年代に執筆されたこの古典的SFディストピアに登場するこの人物は独裁国家を築き、人々を監視、洗脳しそして自分たちの意にそぐわない 者が出た場合、思想犯として弾圧処刑を行う。 当時の世界に対する著者の危惧が

          【社会も世界も変わる、残念ながら】

          「スティーブ・ジョブズがいなくなっても Appleは大丈夫だった」 「松本人志が消えても、テレビは全然回っている」 「だから別に誰かが消えても社会は変わらないし何も問題は無い」 直近芸能人などのスキャンダルが多く、上記のような言説を良く旧Twitterなどで見かけた。しかし私はこういう考え方が嫌いだ。どう考えても変わるだろうと思うからだ。 思うこと自体は勝手だが、正直想像力に欠けた考え方だと思う。要は「著名な人や能力を持った人が消えても会社も世界も回るから大丈夫だ」という

          【社会も世界も変わる、残念ながら】

          【敗北の意味を知るため】

          決して傑作ではないが、妙に心に残るシーンがあって嫌いになれないという作品がいくつかある。私の中でその筆頭が「仮面ライダーBLACK SUN」(注1)だ。 仮面ライダーBLACK SUNは2022年にAmazonプライム・ビデオで配信された映像作品で、1987年から放送されていた特撮ドラマ「仮面ライダーBLACK」(注2)のリブート作品である。 特撮ファンの中でもそのシリアスな作風の評価が高い仮面ライダーBLACKのリブートであること。西島秀俊氏や中村倫也氏をはじめとした豪

          【敗北の意味を知るため】

          【人は変わる、残念ながら】

          最初に断っておくが、この文章は恐らく不快な内容になると思う。僕自身のものすごく理不尽な感情についての内容だからだ。そしてこれは僕とある友人についてのことだ。 僕の友人は凡そ二つのタイプに分かれる。やたら自分自身について客観的に向きあい、自己分析を止めないタイプだ。僕自身こういうタイプなので、そういう人と仲良くなりやすいのだと思う。 そしてちょっと変わった人生を歩むことが多い。 もう一方は余りそういうことは考えず己についての自己分析を過剰にせずに、興味関心のまま そしてレー

          【人は変わる、残念ながら】

          【ニュータイプが予見した現代社会】

          宇宙に出た人類は、 その広大な空間に適応するために あらゆる潜在能力を開花させ、 他者と誤解なく分かり合えるようになる。 「機動戦士ガンダムUC」/サンライズ(注1) 機動戦士ガンダムシリーズに出てくる 概念「ニュータイプ」の定義(注2)である。 作品によって描写が異なるが、作中の主要人物が 持っている超能力(テレパシーなどに近い)であり、それにより主人公たちはガンダムで戦場を戦い抜くことになる。 そしてその能力ゆえに登場人物たちは本来交わることのない敵対勢力の人物た

          【ニュータイプが予見した現代社会】

          【左と右か、二項対立の果てに】

          本日は2024年10月27日日曜日、衆議院選挙の投票日である。期日前に投票するつもりが、怠惰な私はすっかり後回しにしてしまい少し遅めの時間に投票することになった。いまも開票結果の速報がテレビやSNSで流れて、今後の政治予測を立てている。 しかしこと政治関連の話になると 私は非常にうんざりしている事がある。 右派と左派もっと言うと  ネット右翼(注1)とリベラル(注2)の 不毛な争いだ。 簡単に用語を解説すると、右派というのは保守的な立場、従来の伝統や既存の価値観を重視す

          【左と右か、二項対立の果てに】

          【人は青春ごっこのために生きている?】

          まことに小さな国が、開化期を迎えようとしている。(中略)明治維新によって、日本人ははじめて近代的な「国家」というものをもった。誰もが「国民」になった。 不慣れながら「国民」になった日本人たちは、日本史上の最初の体験者としてその新鮮さに昂揚した。 この痛々しいばかりの昂揚がわからなければ、 この段階の歴史はわからない。 「坂の上の雲」/司馬遼太郎著より(注①) 先日あることがきっかけで人が定着する組織 とはどんなところなんだろうか?ということを 考えていると思い至ったこ

          【人は青春ごっこのために生きている?】

          【終焉を受け入れた者たち】

          私は20代後半だが、この年齢になってくると周りの人間が家庭を持ち、そして子どもが産まれてくることも増えてくる。 友人からそうした報告をもらうと、 「良かった」と嬉しさがこみあげてくる。 そのことは決して嘘ではない、偽らざる本心だ。 しかし同時に別の考えが浮かんでくることも増えてきた。 「そんなことは思ってはいけない」 「余計なお世話だろう」 とその考えを否定しようとするが、否定しようとすればするほどある言葉が心で浮き彫りになる。 「果たしてその子たちは安心に快適に

          【終焉を受け入れた者たち】

          【何気ない言葉】

          何気ない言葉が他人を救うことがある。 本人が言った記憶すらないことでも。 たしか新卒一年目の5月後半だったと思う。 当時、就職を機に上京し右も左もわからない状態だったが、 営業のため、神田周辺を歩き回っていた。 本格的な夏ではないとはいえ、かなり気温が高く、 未だ着慣れていないスーツを身にまといながら、 これまた慣れない東京の街を駆けずり回る生活が続き、 心身共にそれなりに堪えていたことを覚えている。 そんな中急ぎ足で交差点を渡っていると 私の背後にいた紳士風の老人二人

          【他人への期待】

          異様に他人に寛大な人がいる。 人当たりが良く、場を乱さず、 周囲の人間が何かミスをしても腹を立てる様子もない。 周りに厄介扱いされている人間ともうまくやる。 とても優しい人格者に見えるが、よくよく話を聞いてみると、 どうにも他人に全く期待や信頼というものを持っていないのが分かる。 逆に他人に期待したり、依存している人間の方が 感情丸出しで他人に怒りをぶつけたりする。 ある意味とても人間味がある。 だからどうなのだ?と言われると別に何もないし、 月並みなことだけど、やっぱ

          【革命について】

          革命という言葉が好きだ。 自分の退屈な日常を非日常に変えて ワクワクさせてくれる甘美な言葉だと思っていた。 日本では革命が起きたことが ないと言われている。 唯一の革命に近しい明治維新も 黒船という外圧で始まった。 自らを見つめ直し、 変えていく動きが出来ない民族だと。 自分もやはりそうなのだろうと思い、 日本という国、そして自分含めて ここに住む人々に対して 勝手で一方的な失望を抱いていた。 もちろん軽く調べてみても  このあたりは諸説あるようだし、 自分は特別に歴史

          【格付け】

          社会人になってすぐに、 格付けを強制される社会に反発を覚えた。 端に新生活が順調で無かったから そう感じただけかもしれない。 とにかく全てにおいて格付けチェックをされる。 仕事でも日常生活でも 値踏みをされるような場面があった。 そうしたことに嫌悪を覚えていた。 「別に人は格付けをしたりされるために  生まれたわけじゃないじゃないか」 でもある時ふと思った。 「本当にそうか?」 「気づいてなかっただけで、今までの人生を振り返っても  そういうことはあったんじゃないのか?

          【1人で死ね論について思うこと】

          「誰かを殺して死刑になりたかった」 「○○を殺して、自分も死にたかった」 直近でも東京・渋谷区で通り魔事件が発生したが、 いわゆる無差別巻き込み型の犯罪で、 犯人が語る動機は上のようなものが多い。 そして、こうした事件が起きる度にTwitterなどのSNSで流れるのが、 「死ぬなら1人で死ね」という声だ。 そしてそれに対して 「安易な自己責任論で、個人に責任を負わせるべきではない」 という反対意見が沸き起こり、お互いの立場からの 無意味な罵り合い、インターネットバトルが起

          【1人で死ね論について思うこと】