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『降伏論 「できない自分」を受け入れる』高森 勇旗

概要

本書『降伏論 「できない自分」を受け入れる』は、「結果が出ない」「ついていない」と悩むすべての人に向けて、著者・高森勇旗さんが提案する新しい自己変革の方法論です。元プロ野球選手としての挫折や失敗から学んだ著者は、「成功」や「変化」は、努力ややる気だけでは得られないと断言します。鍵は、自分の無能さを徹底的に受け入れること、すなわち「降伏」することにあります。そのうえで、これまでの行動を物理的な仕組みで強制的に変え、新しい選択をすることが重要です。具体的には、未完了のタスクを片付ける、言葉を変える、嫌なことをあえてやるなど、小さな行動を積み重ねることが成功の土台となると説きます。本書は、固定観念を打ち破り、普通の人生から抜け出すための実践的な手引きです。

本のジャンル

自己啓発、メンタル・マインドフルネス、ライフスタイル

要約

1. 成功への第一歩:「降伏」とは何か

成功や変化を求める多くの人が陥る罠は、「努力すれば報われる」という幻想です。しかし、著者は「報われない努力にしがみつくことこそが、失敗の原因」であると述べています。ここで言う「降伏」とは、自分の無能さや結果の出せなさを徹底的に受け入れることです。「自分にはできない」と認めることは、決して自己否定ではなく、現状を冷静に把握し、次の行動を取るための準備です。

例えば、著者自身のプロ野球選手時代、どれだけ練習してもヒットは1本しか打てませんでした。どんなに努力しても結果が出ない現実を受け入れたことで、次の人生ステージで成功のチャンスをつかむことができたといいます。この「降伏」が成功への第一歩なのです。

2. 未完了を完了させる:軽くなるための習慣

人生において「未完了」の状態は、私たちの脳を無駄に疲弊させます。たとえば、返信していないメールや支払い忘れの請求書が頭の片隅にあると、それだけでストレスになります。これらを「常に完了状態」に保つことで、驚くほど心が軽くなり、パフォーマンスが向上すると著者は説きます。

①未完了タスクをすべて書き出す
紙にリスト化し、10分間でどれだけ書けるか挑戦します。

②タスクを4つの方法で処理する
• 今やる
• 誰かに依頼する
• 実行日を決める
• やらないと決める

たとえば、掃除を先延ばしにしているなら業者を依頼する、支払い忘れの光熱費をすぐに払うなど、物理的に完了させていきます。この方法を継続することで、心の余白が生まれ、新しい挑戦に集中できるようになります。

3. 「心が嫌がること」をやる:逆張りの行動

普段、私たちは「面倒くさい」「嫌だ」と思った行動を避けがちです。しかし、この「抵抗」を突破することが、人生を変える鍵になります。

著者は、「これまでの人生を作ったのは、あなたの選択の結果」であると指摘します。つまり、今の行動を変えなければ、新しい未来は訪れません。たとえば、ランニングをサボりたくなった瞬間にシューズを履いて外に出る。このように、逆張りの行動を取り続けることで、行動力が習慣化され、結果的に自己成長につながるのです。

4. 言葉を変える:成功のためのマインドセット

「言葉には力がある」とよく言われます。本書でも、言葉を変えることで行動や結果が劇的に変わると説かれています。特に注意すべきは、「でも」という言葉です。「でも時間がない」「でも自信がない」と言い訳を続けている限り、行動に移すことはできません。

著者は、「でも」を「はい、やってみます」に置き換えることを推奨しています。このシンプルな言葉の変換が、行動のきっかけを生み、成功のスタートラインに立たせてくれるのです。さらに、「やらないと決める」ことも重要です。長く続かない約束や計画を潔く諦めることで、エネルギーを必要なことに集中させられます。

5. 成功を引き寄せる行動の法則

著者は、結果を出すためには「超大量行動」が必要だと言います。成功は、やる気や努力だけでなく、具体的な行動量に比例するのです。たとえば、ダイエットで成功する人は、ただ目標を立てるだけでなく、毎日運動や食事管理を徹底的に行っています。行動量を増やすことで、成功への道が確実に開けます。

6. 他者を勝たせる

「自分の成功は他人の幸福にかかっている」と著者は言います。たとえば、仕事仲間や部下を承認し、彼らが成功する手助けをすることで、結果的に自分のポジションも向上します。人を幸福にしようとする人こそ、幸福を引き寄せる存在となるのです。

7. 自分の「在り方」を変える

本書では、「お金持ちになる人」と「ならない人」の違いについても触れられています。お金持ちは、体験に投資することを惜しみません。なぜなら、体験は自分の価値を高める「在り方」に直接影響を与えるからです。「どうありたいか」を決めることが、自分の未来を変える重要な鍵になります。

まとめと感想

『降伏論 「できない自分」を受け入れる』は、単なる自己啓発書ではなく、実践的な行動へのガイドブックとして非常に有用です。特に、「降伏」という概念は、挫折や失敗に悩む人々にとって新鮮で、前向きなアプローチを提供します。「未完了を完了させる」や「言葉を変える」といった具体的な方法論は、日常生活にも取り入れやすく、読者がすぐに実践できる点が魅力です。また、「逆張り」の考え方や「他者を勝たせる」という視点は、個人の成功だけでなく、周囲との関係性にも良い影響を与えるでしょう。

もし、これまで努力が報われないと感じている方や、新しい一歩を踏み出したいと考えている方にとって、本書は人生を変えるきっかけになる一冊です。リンク先では多くのレビューで高評価を得ており、ネット上でも非常に評判の良い書籍です。ぜひチェックしてみてください。

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