章回小説と詩 -4 前回の結果を元に、章回小説の大まかな形式をまとめてみました。どこかに章回小説の定義があるのを見たという訳ではなく、あくまでも筆者の解釈です。章回小説を書いてみたい方、参考になさってください。基本、白話(口語)小説なので馴染みやすい文体で書けばよいと思います。
章回小説と詩-3 簡単ですが、章回小説の副題の対句と始まりと終わりの決まり文句をまとめてみたので特徴を述べます。まずサブタイトル。封神榜だけ対句ではありません。終わりの決まり文句は紅楼夢は決まり文句のバリエーションが多く、三國演義、水滸伝、西遊記はほぼ同じ様に見えます。
章回小説と詩-9 次に見るのは紅楼夢です。西遊記は天地開闢、水滸伝は天下国家を語っていましたが紅楼夢は一個の石の嘆き、といういささか世知辛い内容になっています。前の2つがいささか大仰なのに対して紅楼夢は等身大おいうか、「あるある」的な詩がお多い気がします。筆者は結構好きです。
章回小説と詩-2 中国の有名な章回小説としては三國演義、水滸伝、西遊記、紅楼夢、金瓶梅、封神榜があります。共通点としては、全編を通じて詩が散りばめられている事です。日本人は詩心が薄いのか、完全訳以外では詩の部分を省略する場合が多く、筆者も原文を見るまで存在すら知りませんでした。