サノマ(中国生活をつづったり、写真・画像を整理するノート)

1997年から始まった留学時代のフィルム写真や、古書・雑誌などを整理して投稿していくつもりです。 中国生活についても書きます。 よろしくお願いいたします。

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最近の記事

房玄齢とその妻 恐妻家の真相(記事73)

前回は李宗吾の「怕老婆的哲学(妻を恐れることの哲学/恐妻家の哲学)」から、恐妻家は成功するという「学説」を紹介しました。 李宗吾は恐妻家代表の一人として大唐帝国建国時の賢臣・房玄齢を挙げています。以下、抜粋して簡単に訳します。 「房玄齢は極めて策謀に長けていたが、夫人による圧迫だけは避けられず、為す術がなかった。ある時、突然こう思った『唐太宗(李世民)は当今の天子だから、当然、妻を制伏することができるだろう。』 そこで房玄齢は太宗に訴えた。 太宗はこう言った『妻を呼んでき

    • 成功する男は妻がコワイ…? 中国史(記事72)

      前回、李宗吾の『黒厚学』を紹介しました。 腹黒くて面の皮が厚くなければ成功できない、という「学説」です。 李宗吾は「怕老婆的哲学」という文章も残しています。 「怕(pà)」は「恐れる/怖がる」、「老婆(lǎo pó)」は「妻/女房」なので、「怕老婆的哲学」は「妻を恐れることの哲学」「恐妻家の哲学」という意味になります。 代表的な恐妻家として李宗吾が挙げているのは、 三国時代の劉備 東晋時代の王導と謝安 天下を統一した隋文帝 初唐の賢臣 房玄齢 明代の将軍 戚継光 清末の大

      • 「厚黒学」 中国史に見る成功の秘訣(記事71)

        西暦2000年頃、重慶留学中に中国人学生の間で「厚黒学」というものが少し流行りました。 最近、中国のネット販売(淘宝)で『厚黒学全集』という本を見つけたので、懐かしい思いにかられて買ってみました。 厚黑学(hòu hēi xué) 作者は中華民国時代の李宗吾(lǐ zōng wú)です。 清代末期に生まれて1943年(日中戦争中)に亡くなりました。 李宗吾は元々儒学を学んでいました。当時においては当然なことです。 しかし、李宗吾は史書を読んでいて疑問に思うことがありまし

        • 劉備はすごい この年になって実感する(記事70)

          映画にしてもドラマにしても、見た時の年齢や環境、心境によって見え方が変わってきます。マンガや小説もそうです。 私は子供の頃から『三国志』が好きでしたが、物語前半の主人公ともいえる劉備はあまり好きではありませんでした。諸葛亮を迎え入れるまでは「頑張っているけど空回りしている可哀そうな人」ですし、赤壁の戦い以降は「ちょっと卑怯なペテン師」のようにも思えてきて。 若い頃の私にとっては、はっきり言って劉備はかっこよくなかったです。 でも、50歳を手前にした今思うと、劉備はすごい人

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        • 中国史関係
          9本
        • 中国語関係
          13本
        • 重慶留学時代の写真
          19本
        • 現代中国の学校事情
          10本

        記事

          カップ麺にはフォークがついている 中国(記事69)

          中国でカップラーメンを買うと、必ずフォークがついています。 この感覚に慣れてしまうと、日本に帰った時、「しまった」ということになります。 例えば、コンビニやスーパーでカップ麺を買ってホテルで食べようとした時、「あ、箸もらうの忘れた」ということになります(実体験済み)。 写真は昨晩食べたカップヌードルです。 おまけの中国語です。 カップヌードル → 合味道(hé wèi dào) フォーク → 叉子(chā zǐ) インスタント麺/即席麵 方便面(fāng biàn m

          カップ麺にはフォークがついている 中国(記事69)

          老眼 年齢を実感する日々(記事68)

          私はあと一年半ほどで50歳になります。 30歳を過ぎるといろいろ衰えを感じ始めるものですが、40歳を過ぎると30代に感じた衰えなんて入門編レベルに思えてきて、更に45歳を超えてからは40歳の頃が懐かしくなってきます。 私はもともと近眼で、メガネをかけているのですが、今年の8月頃からパソコンの文字が見にくいと感じるようになりました。 「メガネの度数があっていないからかな?」と思って9月末にメガネを新調したのですが、遠くははっきり見えるのに、パソコンの文字はやはりかすんでおり、

          タバコのこと 中国(記事67)

          中国はタバコ社会です。 ここ数年は禁煙の場所も増えてきましたが、それでもタバコを吸う人はたくさんいます。 十年ほど前、長女(当時5歳くらい)の咳が止まらなくて病院に行ったのですが、おじいちゃん先生がタバコを吸いながら診察しました。 咳している子供の前でタバコを吸う先生…、まったくすごい世界でした。 今は病院内全て禁煙になっていますが、人々の意識はそう簡単に変わるはずもなく、廊下の窓際でタバコを吸う人もいます。 吸っている人は臭いが気にならないので、煙を窓の外に吐いていれば

          時には不快なこともある 中国語(記事66)

          今回は中国語と日本に関するちょっと不快な事を書きます。 まずはスラングから。 「日」という字は、中国語では「操」という意味があります。 この「操」は一声の「cāo(操る)」ではなく、四声で、英語の「F●ck」を意味します。 もともとは「肏(cào)」という漢字でしたが、見た目があまりに直接的すぎる文字なので、「操」の字を当てるようになった、とも言われています。 中国で人を罵る時に使う「操你妈(cào nǐ mā)」は「Fu●k Your Mother」の意味です。 また

          日本人の名前と中国語の発音 ちょっとだけ『名探偵コナン』に触れます(記事65)

          前回、日本人の姓と中国語に関して書いたので、今回もそのつながりで。 中国は漢字の国なので、日本では平仮名やカナカナを使う事物でも、全て漢字で表記します。 外国人の名前も ベートーヴェン → 贝多芬(bèi duō fēn) マルクス → 马克思 (mǎ kè sī)   ワシントン → 华盛顿(huá shèng dùn) といった具合に漢字で音訳されます。 日本人の名前はもともと漢字を使うので、山田太郎は「山田太郎(日本と同じ)」、鈴木一郎は「铃木一郎(簡体字)」ですが

          日本人の名前と中国語の発音 ちょっとだけ『名探偵コナン』に触れます(記事65)

          日本人の姓と中国語(記事64)

          前回、夫婦同姓に関して書きました。ちょっとそれにつなげて、今回は中国における日本人の姓について書きます。 まあ、えらそうに「中国における」と言ったものの、私が直接経験したことを書くので、範囲はかなり狭くなりますけど。 まず有名人の姓です。 私が重慶で留学していた頃(2000年前後)はまだ日本のドラマが人気ある頃で、木村拓哉、反町隆史、竹野内豊、柏原崇などなど、日本語学部を中心に多くの中国人学生が日本の俳優さんを知っていました。 また、先生たちの世代になると、ほぼ決まって「高

          夫婦同姓と夫婦別姓 中国生活(記事63)

          先日の「数字と五音」でも書きましたが、中国での生活に慣れると、「日本では当然なこと」に違和感を覚えることがあります。 例えば夫婦の苗字もその一例です。 日本では、夫婦は同姓なので、山田くんのお父さんもお母さんも山田さんです。 でも、中国では結婚しても姓が変わらないので、李くんのお父さんは李さんでも、お母さんは王さんだったり陳さんだったりします。 だからこういう会話が成立します。 「李君のお母さんはなんていう苗字なの?」 「私の母は王です。」 中国に来たばかりの頃は、友人

          昨年の映画なので「今さら?」と言われるかもしれませんが、中国のアニメ映画 『長安三万里』とても面白いです。 子供たちと一緒に見ました。 アニメを通していろいろな唐詩に触れることもできますし、中国語の学習にもなるので、すごくお薦めです。

          昨年の映画なので「今さら?」と言われるかもしれませんが、中国のアニメ映画 『長安三万里』とても面白いです。 子供たちと一緒に見ました。 アニメを通していろいろな唐詩に触れることもできますし、中国語の学習にもなるので、すごくお薦めです。

          中国の音符 数字と五音(記事62)

          中国の生活が当たり前になると、「ああ、そういえば日本ではこういうことって珍しいんだなあ」という逆の発見に出会うことがあります。 昨日、拝読した葉様の記事、「中国の楽譜は数字で表すらしい」がまさにそれでした。 (葉様、すみません、勝手に引用させていただきます) 日本にはカタカナがあるので、音符を読めない人は「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ」とカタカナで表記すると思います。私も小学生の頃は音楽の教科書にカタカナで「ド・レ・ミ」と書いていました。 でも、当然ながら中国にはカタカナが

          中国史四大美女 西施 (記事62)

          中国史における四大美女は 西施(xī shī) 王昭君(wáng zhāo jūn) 貂蝉(diāo chán) 楊貴妃(yáng guì fēi) といわれています。 今回は西施についてちょっと書きます。 といっても、西施の物語はとても有名なので、今さらここで詳述したところで、興味がある方は既にご存知だと思いますし、興味がない方にとっては、長文を読むのも面倒だと思いますので、詳しくは書きません。 すごく簡単に紹介すると、中国の春秋時代末期(紀元前500年頃。日本は弥生時代

          広東の秋 中国生活(記事61)

          中国南部に位置する広東も最近はだいぶ涼しくなりました。 それもそのはず、今年ももうすぐ11月、そして、あと十日ほど経てば立冬になります(11月7日が立冬です)。 昨晩、クーラーをつけて寝たら、深夜には寒くて目がさめました。そろそろクーラーが要らない時期になります。 広東は春になったと思ったら、アッという間に暑い夏になり、その夏が長く続きます。ようやく涼しくなる今の時期が一番過ごしやすいです。 冬も南方ならそれほど寒くないだろう、と思ったら大間違いで、北方は暖房設備が整ってい

          断水 火鍋 中国生活(記事60)

          昨日(10月25日 木曜)は14時から18時まで私の住む小区(住宅地)が断水になりました。水管のメンテナンスをしたようです。 18時まで断水では、家で食事ができません。前日に断水の通知が来ていたので、外食することにしました。 妻と5歳の息子、三人で近所の火鍋です。 我が家はいつも赤と白のスープに分かれている「鸳鸯锅(yuān yāng guō・ 鴛鴦鍋)」です。 毛肚(máo du・せんまい)と鸭肠(yā cháng・アヒルの腸)は火鍋に欠かせません。 大人2人、5歳