親魏倭王(元学芸員:考古学)

元学芸員。専門は考古学ですが、歴史全般に関心があります。 ここでは思考整理を兼ねた人文系の短文と読書感想文をメインで執筆中。一記事1000字程度です。 一部記事は有料です。今後、投稿する記事も有料の場合があります(原則、1記事500円)。 よろしければサポートもお願いします。

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マガジン

  • 親魏倭王の小話集(小説編)

    本、主に小説についての小話集。Twitterに投稿した中でツリーを形成する長文ツイートを転載。

  • 親魏倭王の旅日記

    私が訪ねた寺社や史跡の紹介。旅の記録であるため、基本的に写真多め、論考は含みません。 メンバーシップ会員様向けですが、一般の方も読める記事を時々用意する予定です。

  • 親魏倭王の小話集(考古民俗編)

    Twitterに投稿した、考古学・民俗学関連の小話をアーカイブしています。

  • 歴史の小箱

    自作記事のうち、歴史に関わるもので特に読み応えのありそうなものをまとめました。

  • 文化と美術

    主に日本の文化と美術について書いた記事を特集。

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自己紹介兼仕事募集

はじめまして。親魏倭王といいます。 天理大学文学部卒、学芸員と司書の資格あり。専攻は日本考古学(主に古墳時代)。埋蔵文化財調査および博物館学芸員として10年程度のキャリアがあります。論文執筆経験あり(査読付き論文はなし)。趣味は読書と博物館・美術館巡り。人文書と推理小説が好きです。滋賀県在住、京阪神を主なフィールドにしています。 正職員4年目にして、環境の変化からうつ状態になり、休職期間満了につき退職。休職中からnoteに記事の執筆を開始。主に人文書の書評と歴史系のコラム

    • 投稿した記事、「スキ」がよく付く時はだいたいカテゴリに挙がっていることが多いです。ただ、ブラウザのカテゴリは細分されている一方であまり新しい記事が反映されておらず、アプリのカテゴリは粗いんですが新しい記事がよく反映されている気がして不思議です。

      • 親魏倭王、本を語る 特別編その02

        アレクサンドル・デュマ(父)の代表作『三銃士』は、ガスコン男児ダルタニャンを主人公とする大河小説で、『三銃士』として広く流布しているのはそのいわばプロローグに当たる部分だという。昔、全巻の翻訳が出ていたようだが、今は見当たらない。 この「ダルタニャン物語」とでも言うべきシリーズの掉尾を飾るのが『仮面の男』で、角川文庫から邦訳が出ているが、抄訳らしい。 これはルイ14世の時代、バスティーユ牢獄に顔を隠して収監されていた、いわゆる「鉄仮面」の物語で、作中ではルイ14世の双子の弟

        • 親魏倭王、本を語る その14

          【ジョン・ポリドリの吸血鬼小説】 近代小説で吸血鬼を取り上げた最古のものは、どうもジョン・ポリドリの『吸血鬼』のような気がする。 この作品は、メアリ・シェリーの『フランケンシュタイン』と同じ1816年に執筆された。この時、詩人のバイロンはシェリー夫妻らと怪談の競作を試み、その提案によって書かれたものである。 著者のポリドリはバイロンの侍医であった。この作品は1819年に『ニュー・マンスリー・マガジン』に無断で掲載され、しかも「バイロン作」と誤ってクレジットされてしまった。バイ

        • 固定された記事

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        • 親魏倭王の小話集(小説編)
          16本
        • 親魏倭王の旅日記
          1本
        • 親魏倭王の小話集(考古民俗編)
          12本
        • 歴史の小箱
          28本
        • 文化と美術
          13本
        • 親魏倭王の本の話題
          14本

        メンバー特典記事

          世界奇談集 第6話 大運河建設にまつわる食人伝説

          中国の運河開削の歴史は、秦の政(始皇帝)の鄭国渠(ていこくきょ)に始まる。前247年、政(後の始皇帝)が13歳で秦王となったとき、鄭国という人物が、関中の黄土地帯を開拓するために渭水の支流の水を引いて潅漑用水をつくることを献策した。実は鄭国は隣の韓のスパイで、秦の国力を下げることが目的だったのだが、用水は立派に完成し、鄭国渠と言われ、現在も使われている。また始皇帝は、前214年に嶺南(今の広東・広西)の南越を征服しようとして軍を派遣したとき、華中と嶺南を南北に結ぶ霊渠という運

          世界奇談集 第6話 大運河建設にまつわる食人伝説

          世界奇談集 第5話 地図から消えた村

          かつて青森県の山中に、杉沢村という村があった。昭和の初期、「一人の村人が突然発狂し、村民全員を殺して自らも命を絶った」という事件が起きた。誰もいなくなった村は、隣村に編入されて廃村となり、地図や県の公式文書から消去された。しかし、その廃墟は悪霊の棲み家となって現在も存在するという。 この伝説が流行した時期、「村への道筋を示すキーワード」とされるものが各種メディアで伝えられた。諸説あるが、概ね次のようなものである。 ①村へ向かう道路に「ここから先へ立ち入る者 命の保証はない」と

          世界奇談集 第5話 地図から消えた村

          世界奇談集 第4話 メキシコの人形島

          メキシコの中でも密かな人気を誇るのが人形島。人形島のあるソチミルコは世界遺産であり、世界的にも注目を集めている。アメリカのケーブルテレビ系ニュースチャンネルとして、世界的にもネットワークがあるCNNが公表した、世界7大禁足地。危険な場所が禁足地として指定されている一方で、不気味な雰囲気があるスポットも禁足地に選ばれることもあり、その代表格が人形島である。 ・チェルノブイリ遊園地(ウクライナ) ・セドレツ納骨堂(チェコ) ・青木ヶ原樹海(日本) ・アコデセワのブードゥー崇拝市場

          世界奇談集 第4話 メキシコの人形島

          代弁者の罪(実態にそぐわない代弁について)

          本記事は後半にCOVID-19パンデミックに関連する内容を含んでいる。COVID-19については非科学的な言説も多くあり、その信奉者を刺激していらぬ波風を立てる恐れがあるので、不本意だが限定公開とさせていただく。 (普段は1,000字程度を目安に記事を書いていますが、今回は5,000字ほどと長いです。) 以前、『社会主義前夜』という本を読んだ。こちらに書評を載せているが、これは「空想的社会主義」と呼ばれるマルクス・エンゲルス以前の社会主義思想家であるサン・シモン、フーリエ、

          代弁者の罪(実態にそぐわない代弁について)

          Twitter(X)の「終わりが見えた」と感じた瞬間

          以下は、2024年11月10日にTwitter(X)へ投稿した内容のアーカイブである。 1 先週金曜日あたりから、Twitterアプリの不具合が続いている。具体的には前触れのない強制終了の頻発で、キャッシュや通信状況の問題でもなさそうである。 それより、何をトチ狂ったか、エロ系コンテンツのプロモツイートを流してきよった。セックスシーンの動画付きで目を疑ったわ。 こういうコンテンツを見境なくプロモで流してくるあたり、広告だけでなくプロモーションのほうも良質な事業者が撤退しつつ

          Twitter(X)の「終わりが見えた」と感じた瞬間

          世界奇談集 第3話 ボーリー牧師館

          世界奇談集 第3話 ボーリー牧師館

        記事

          2023.11.23 安倍文殊院・聖林寺・長谷寺

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          2023.11.23 安倍文殊院・聖林寺・長谷寺

          民俗学小話集⑥

          【即身仏になった人とは】 湯殿山において即身仏を志した行者は一世行人という下級の行者で、火の管理をするため生涯妻帯禁止(ケガレ忌避のため)、ほぼ寺院の雑用係で、出世しても本山末寺の行人寺の住職にしかなれなかったとなかなか厳しい生活。しかし、即身仏を志すと上人号が授与されるなど、格段に待遇が上がったらしい(命と引き換えなので、それも悲しい)。ちなみに即身仏修行の一環として行われる木食行(穀類を経つ行)はトランス状態に入りやすくするのが本来の目的で、この修行を積んだ行人は祈祷時の

          日本仏像史概説

          今回は仏像について語ってみる。おおよそ日本彫刻史といった内容だが、かなり主観が入っているので注意されたし。 彫刻とは木や石、金属などで作られた立体造形物で、工芸との違いは純粋に眺めるための芸術作品であるという点であろうか(工芸は器であったり箱であったりと、目的別の用途がある)。ただ、歴史上において、彫刻は長く礼拝や顕彰等の対象であり、仏像をはじめ宗教等と関わりの深いものが多い。 日本では縄文時代の土偶や古墳時代の埴輪が彫刻として扱えるが、一般に日本美術史では仏教伝来以降の仏

          ¥500

          黎明期のSF小説をめぐって

          SFの創始者と言えるジュール・ヴェルヌとハーバート・ジョージ・ウェルズを比較すると、作品の「SFらしさ」という点ではウェルズに軍配が上がる。しかし、科学的知見に基づいた内容の小説を多く書いたのは、実はヴェルヌの方で、初期の『地底旅行』『海底二万里』『月世界へ行く』などは全て当時の科学で明らかになっていた知見のみを使って書かれている。ウェルズのほうはSFのうちS(科学)ではなくF(空想)のほうが強いようである。

          ¥500

          黎明期のSF小説をめぐって

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          親魏倭王、本を語る その13

          【『ボウ町の怪事件』】 イズレイル・ザングウィルの『ボウ町の怪事件』は、ハヤカワミステリ文庫版は『ビッグ・ボウの殺人』と訳されているが、これでは内容がよくわからないので、個人的には東京創元社の世界推理小説全集に収録された際の『ボウ町の怪事件』のほうがタイトルとしてしっくりくると思っている(確かに「ビッグ・ボウ」と表記されているが、これは「ボウ町の大事件」と訳すべき気がする)。 これは世界最古の密室ものなのだが、なぜかよく存在を忘れられ、ガストン・ルルーの『黄色い部屋の謎』では

          親魏倭王、本を語る その13

          投稿している記事のうち、「○○小話集」と「親魏倭王、本を語る」はTwitterに投稿した小話のアーカイブなんですが、最近、このタイプの記事ばかり投稿していて、書き下ろしの記事が少なくなっており、ちょっと申し訳なく思っています。ネタ切れ中なんです……💦

          投稿している記事のうち、「○○小話集」と「親魏倭王、本を語る」はTwitterに投稿した小話のアーカイブなんですが、最近、このタイプの記事ばかり投稿していて、書き下ろしの記事が少なくなっており、ちょっと申し訳なく思っています。ネタ切れ中なんです……💦

          世界奇談集 第6話 大運河建設にまつわる食人伝説

          中国の運河開削の歴史は、秦の政(始皇帝)の鄭国渠(ていこくきょ)に始まる。前247年、政(後の始皇帝)が13歳で秦王となったとき、鄭国という人物が、関中の黄土地帯を開拓するために渭水の支流の水を引いて潅漑用水をつくることを献策した。実は鄭国は隣の韓のスパイで、秦の国力を下げることが目的だったのだが、用水は立派に完成し、鄭国渠と言われ、現在も使われている。また始皇帝は、前214年に嶺南(今の広東・広西)の南越を征服しようとして軍を派遣したとき、華中と嶺南を南北に結ぶ霊渠という運

          世界奇談集 第6話 大運河建設にまつわる食人伝説

          中国史小話集⑯

          【袁盎略伝】 袁盎(えんおう)は中国・西漢(前漢)時代前期の政治家である。 袁盎が出仕した頃は、建国の功臣たちがまだ健在であった。周勃は外戚・呂氏の粛清などで大きな功績があり、多くの人は遠慮していたが、袁盎は気にせず堂々と渡り合った。そのため、最初は周勃に嫌われたが、封地に隠棲しようとした周勃が謀反の疑いをかけられた際、ただ一人弁護したため、高く評価されるようになった。 呉王劉濞は諸侯王の中でも長老格で、封地が豊かで裕福だったこともあり、朝廷に対して尊大な態度であった。そのた

          Bluesky、急激な人口増&イラスト垢が夕方以降にイラストを一斉に投稿するためか、だいたい午後5時以降は動きが重くなり、投稿が反映されるのに時間がかかっているようです。 Twitterのほうは一時期伸びなかったインプレッション数が戻ってきましたが、居心地の悪さは変わらずです。

          Bluesky、急激な人口増&イラスト垢が夕方以降にイラストを一斉に投稿するためか、だいたい午後5時以降は動きが重くなり、投稿が反映されるのに時間がかかっているようです。 Twitterのほうは一時期伸びなかったインプレッション数が戻ってきましたが、居心地の悪さは変わらずです。

          考古学小話集⑥

          【慶運寺境内の石棺仏と古墳】 奈良県桜井市箸中に慶運寺という寺がある。普通の「村のお寺」なのだが、実は知る人ぞ知る名所で、境内に刳抜式家形石棺の身の部分を使った石棺仏があるのである。石棺に刻まれているのは弥勒仏であるとされる。 慶運寺境内には古墳があり、本堂裏に横穴式石室が開口しているが、僕が聞いた話ではこの古墳のものかどうかはわからないという。古墳は慶運寺裏古墳と名付けられているが、周囲が墓地として造成され、崖のどてっぱらに横穴式石室が開口している状態なので墳形は不明であ

          親魏倭王、本を語る 特別編その01

          モーリス・ルブランの『ルパン対ホームズ』は「金髪の婦人」「ユダヤのランプ」の2編からなる作品集であるが、「金髪の婦人」はほぼ長編といっていい分量があり、「ユダヤのランプ」は便宜上2章に分割されているが、分量的には短編である。 本書では、『怪盗紳士ルパン』所収の「遅かりしシャーロック・ホームズ」にチラッと登場したシャーロック・ホームズが本格的に登場し、ルパンと対決する。ただ、これはコナン・ドイルの了解を得ず勝手にルブランがホームズのキャラを使ったもので、先の「遅かりしシャーロ

          親魏倭王、本を語る 特別編その01

          中国史小話集⑮

          【『史記』における孔子の扱い】 司馬遷が編纂した歴史書『史記』は、宗主の事績をまとめた「本紀」、諸侯の事績をまとめた「世家」、重要人物の事績をまとめた「列伝」から成る。 儒教を儒学として大成させた思想家・孔子は、本来は列伝で取り上げられる人物であるが、司馬遷は孔子を世家で記述している。これは、孔子の学団が一大勢力となっていたことと、漢代に儒教が国教化され、孔子の重要性が増したことによるのだろう。 孔子の弟子については列伝が設けられていて(仲尼弟子列伝)、70人ほどが列記されて