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2024年6月遠野秘封レポ

なんで今頃書いているのかって?
今頃になってからやっぱり書きたくなったし、毎月投稿記録を絶やしたくないからです。
というわけで、なぜか愛媛から行けてしまった遠野秘封について、記憶に残っている範囲で書いていきたいと思います。


遠野って、どこ?

2024年6月1日(土) 、「東方紅楼夢19.5 遠野物語」/「夢の世紀 魅知の旅」というイベントが遠野で行われるとのことで、行って参りました。
つまり、大阪で毎年行われている東方オンリー、東方紅楼夢の地方出張版と、秘封倶楽部オンリーの併催でした。

さて、「遠野」って、まずどこなんでしょう。どういう場所なんでしょう。

遠野がマジで遠い件

それは、岩手県遠野市のことです。そうです岩手県、東北地方です。

私がどこ在住かと言いますと、四国地方は愛媛県なわけです。
適当にGoogleマップで家から車で会場の「あえりあ遠野」まで行くとどうなるか聞いてみましょう。
「14 時間 56 分(1,280 km)」ですって。宇宙猫でしかありません。
まあ毎年(春季)例大祭のとき行ってる、東京ビッグサイトの時点で(なぜか中央道ルートを吐いてきたが)「11 時間 5 分(869 km)」なんで、その時点で車で行こうと思う距離じゃないし車で行ったことなんてないんですけど、交通手段にかかわらず1000km超えの旅路なんて未経験でしかありません!!
(車で行ったことがあるのは名華祭のポートメッセなごや「5 時間 11 分(421 km)」が最遠。今度静岡例大祭の際、ツインメッセ静岡「7 時間 14 分(589 km)」に挑戦予定)

そんな文字通り遠い遠野で、毎年定期的に行われるわけではない特別なイベントが開催される、しかもどうやら10年ぶり、ということで沸き立っていたタイムラインの熱量に、私も秘封倶楽部が好きな者として、旅行好きとして、黙っていられなかったわけです。
といっても、本当に直前まで、距離を理由に断念するつもりでした。
これは、奇跡とさえ言える、今までの経験や人脈をフル活用した、またとない旅路でした。

遠野って、何?

旅程を追う前に、遠野がどういう場所なのか、もう少し触れておきましょう。

「遠野」という単語を、どこかで聞いたことがある人もいるかもしれません。それもそのはず、遠野市は……

柳田國男の『遠野物語』の舞台となった町であり、河童や座敷童子などが登場する「遠野民話」が伝わる。

Wikipedia『遠野市』

ということで、民俗学とかその辺で知名度がある(と思う)町なのです。

秘封倶楽部や東方Projectの観点からは、河童などもそうですが、遠野にある「デンデラ野」については先に挙げておくべきでしょう(今回観光できたのここだけですし)。

遠野市の山口地域に広がるデンデラ野は「姥捨て伝説」として知られる観光地。かつては「連台野」と呼ばれており、これが訛って「デンデラ野」になったとされる。

Yahoo!トラベル『デンデラ野』

これまたどこかで聞き覚えがありますね。秘封倶楽部の楽曲、『夜のデンデラ野を逝く』、いやそもそもそれが収録されているCDの『蓮台野夜行』。これらのタイトルの元ネタのひとつとして、デンデラ野があるのです。
そりゃあ行きたいに決まってるじゃないですか!

また、お隣の花巻市が宮沢賢治にゆかりがあり、彼の心象世界中にある理想郷、「イーハトーブ」のモチーフが岩手県とされることから、彼にちなんだ作品も、多く頒布されたイベントでした。

どうやって行ったものか?

当初は行かないつもりでしたが、結局行く決め手になったのは、カレンダーを確認したところ、前期中間試験の予備日として金曜日が休みなことに気づいたことでした。
試験明けに落ち着いて旅支度をし、大遠征に備える余裕があり、行けると覚悟を決めました。
ですが、直前すぎるのと、当時はまだ飛行機という選択肢が私の中になかったので(今でも大荷物が予想される即売会では使いたくない)、陸路で行こうとはなったのですが、さあこの距離をどう突破しよう??と……

まずは夜行バスで……

選ばれたのは、夜行バスでした。
5月31日(金)、20:10、新居浜西バスターミナル。
そこから、翌朝6:30、渋谷マークシティ。
せとうちバスと東急バスが共同運行するパイレーツ号
昨年から何度か利用している夜行バスを、寝ながら移動できる手段として今回も利用することにしました。はて、どっちのバスだったっけな。よく寝れたんだっけなぁ(アカウント凍結により、当時の𝕏を確認することが困難なのです……)。
Googleマップの記録が言うには(以降距離や時間が出たときもそう)276+493=769kmで、渋谷に着きました。
ともあれ、東京を中継地として、新幹線に乗り換えることにしたのです。

東北新幹線つっよ!?

そして、渋谷駅から大宮駅へ。6:53→7:29だとか。
そこから、東北新幹線で一路北を目指しました。
新潟へは行ったことがあるものの、東かつ北へ行った一番遠いところは埼玉でしかなかった私が、いきなり東北まで行くことになったので、経県値の「通過」を増やしまくりながら……ww
そして、415kmを2時間2分で!?7:40→9:42で!!北上駅まで行きました。
乗換駅の新花巻駅ではありません。なぜなら……

FFさんありがとう!!

当時北上市で秘封好きなFFさんが暮らしており、車で連れてってくれるって話になっていたのです!
そこから釜石道などを用いた39km、45分で、10:36にあえりあ遠野へ無事到着したのでした。
鉄道を使っていないので、遠野駅に行くことはなく、後述する観光協会のご厚意は、体験できていないのです……

遠野秘封

確かサークル入場が11時くらいだったので、いい感じに間に合いました。
今回は、無線などでお馴染みな某FFさんの売り子として参戦しました。
例大祭等で少し残った自分の在庫を委託させてもらいましたが、単純に頒布のお手伝いをしたい、って思いでした。

あえりあ遠野」はそもそも「語り部の聴ける宿」を謳ったホテルです。
こちらに宿泊してからイベントに参加した、という話もちらほら聞きました。そちらの、おそらく「交流ホール (550㎡)」を使用して、このイベントは行われました。
つまり、イベント会場はホテルの宴会場なのです。椅子の座り心地が最高でしたね!!床も確か絨毯張りだったような?普段の即売会では得られない空気感でした!

また、紅楼夢レポの際触れた「スマートカタログ hamp」に「リアクティブ配置図」が実装されたのも、このときが初めてでした。
地方イベントならではの規模感で、初めて実際に稼働させるにはちょうどいいタイミングだったのかもしれませんね。

イベントにて

そんなわけで、12時になり、58+63=121サークルが参加した、遠野でのイベントが始まりました。チェックをつけていたのは20サークル。あっという間に廻ることができました。そして会場をぐるりと一周することができても、まだ1時間半くらいしか経っていません。
売り子先がちょうど記念グッズ・物販の雰囲気が見える位置だったのですが、観光協会と協力し制作した『開催記念グッズ「オリジナルカッパ捕獲許可証」』がどんどん売れていったようで……入手できませんでしたねぇ。

さて、当然売り子もこなしつつ、余裕ができたので、これからは顔見知りのフォロワーさんや、大好きな作家さんと交流する時間です
3人ほど、大好きだけれど声掛ける勇気が出ない、秘封界隈では有名な作家さんや絵描きさんがいて……とっても緊張しながらも、ちゃんとお話しすることができて……。

とっても嬉しい時間でした。このときの経験が、それからのイベントにおける皆様との交流に繋がっていきました

戦利品

普通の土日にとてつもない長距離遠征を行ったせいで、どうやら帰宅後、戦利品写真を撮らないまま片付けてしまうことになったらしく……このときどれを買ったんだろう……。

とはいえ、いくつか覚えているものがあります。
例えば、たまたま知り合いの人の横で見つけた、このグーイ(@go0o1)さん制作のサコッシュは、このあとずっと愛用している、とってもお気に入りなグッズです!

また、宮沢賢治モチーフの作品として、これらがとても印象的でした。
まず、カタコトリ(@suwa_moriya)さん制作の、『秘封倶楽部 宮沢賢治合同 イーハトヴ童話 注文の多いアラカルト』、及び蓄光塗料を使ったトートバッグ。

また、例大祭新譜ではありますが、TUMENECOさんの『ふたり銀河鉄道の夜に-Secret Milky Way Train-』。

どちらも秘封倶楽部だけでなく宮沢賢治への愛も伝わる、またとない遠野で開かれた特別なイベントに合わせて制作された、素敵な作品で。
同人ってこんなこともできるんだ!ってとっても感動しました。

アフターイベント

そうして、のんびりと15時の閉幕を迎えましたが、イベントはこれで終わりではありません。
別のホールで、皆様が主に色紙などを持ち寄って開かれるアフターイベント、じゃんけん大会が行われました。勝ち上がったら色紙などの限定モノを入手できるわけです。
結局自分は何も取れませんでしたが、勝ち上がっていく知り合いを眺めたりと、とても楽しい時間でした。

夕暮れのデンデラ野へ征く

アフターイベントが終わり、今後どうするか知り合いたちと相談し、私含め6人でご飯を食べに行くことにしました。が、国道沿いのロードサイド店舗しかまともなお店がない!どうにかFFさんの車のおかげで事なきを得ました。「宝介 遠野店」に行きました。何食べたか覚えてないけど!()

そうして、そのままみんなでデンデラ野へ行くことになりました。店を出たのは18時過ぎでした。あっという間に市街地を抜け、何もない田舎道を8.5kmほどひた走り、18時半頃、山口デンデラ野に着きました。

遠野遺産第21号「山口デンデラ野」

「混んでいます」

さて、デンデラ野がどういう場所かというと、田園風景の一角に、伝承を偲ばせる藁造りの小屋がぽつんとある、ただそれだけの場所です。

碑文にいわれが書かれている。ふも蓮子の帽子がぴったり

ただそれだけの場所ですが、不思議と人を惹きつけます

藁造りの小屋。当時追いやられた老人はここで暮らしたのだろうか?

こんな秘封倶楽部のイベントが開かれていた日ともなれば、なおさらです!

ふもふものたわむれ

そもそも我々が6人で押しかけているのに加え、どうやら秘封倶楽部のごとく、深夜にみんなで行った人々もいたらしく。我々自体、他の人との入れ替わりくらいで着きましたから……。
Googleマップに通常ではまったく考えられない、「混んでいます」表示が出現していたようです!
その投稿がされていた時間が、ちょうど我々が滞在した日没時、19時半までと重なっている気がして……。ひょっとして我々も元凶のひとつじゃね??ってなるなどしました。

売り子をさせていただいた人の軽トラ

そうして、同行者は遠野ユースホステルに宿泊していたので、そこで4人と別れました。我々は、再び運転してもらい、北上市へ戻りました。
帰路私はさすがに爆睡。21時前、ホテルに着いたときに目が覚めました。

そして日常へ

東横イン北上駅新幹線口に到着し、一旦は解散したのですが、どうも周辺にあるのが居酒屋ばかりで、まともに夕食を食べれそうもない。
そこで、21時半頃にFFさんを呼び戻し(本当にすみませんありがとうございました)、しゃぶ葉に行くことに。
初めてのシステムに戸惑いつつ、楽しい時間を過ごせました。
そして、23時半頃にようやく投宿。朝6時半から動き始めた、長い長い1日が終わりました。

寝過ごした!!

2日(日)。当初は再び連れてってもらい遠野に戻り、「遠野ふるさと村」などをみんなで観光したのち、帰路に就くという、弾丸行程を考えていました。

が、さすがに疲労困憊だったので、見事に寝過ごしました!!
迎えに来てもらい、ホテルを出発したのは10時半!これではもう弾丸行程なんてできません!!

そこで、お土産を買ったり、北上市近辺をドライブしたりすることになりました。
江釣子(えづりこ)ショッピングセンター パルへ行きました。
当時は20歳来てませんでしたので、彼のおかげで父へのお土産が買えましたね。

日本酒好きな父へのお土産

そうして、12時前に解散。オール鉄路で長い長い帰路に入りました。

新幹線、やはり強い

12時半頃北上駅から、447kmを2時間52分で駆け抜け、東京駅へ。
そして、軽食を買ったのち、16時前から671kmを3時間19分で駆け抜け、岡山駅へ。
19時頃に岡山駅に降り立ち、夕食を買い、19時半頃から特急しおかぜに揺られ、122kmを1時間51分。21時30分頃に無事帰り着きました。
あんまり長距離移動した感覚がなかったように思います。車内で食事以外何してたんだっけ……?本読んでた??

結構な長旅でしたね……

ちなみに、初めて「連続乗車券」を使うことになりました。
どうしてか?行きが渋谷……東京都区内スタートだからです。
こういう形式もあるのか……と勉強になりました。学割のため、みどりの窓口ユーザーでよかったです。

総括

遠野で行われた貴重なイベントに参加することができて、とても大満足でした。憧れのデンデラ野に行けたのも本当によかった。

しかし、ほとんど観光ができなかったので、とてもまた行きたくなってしまいました。TLに上がっている皆さんの観光した先、ほとんど行けていませんもん!特に今回イベントに参加できなかった人たちと一緒にまた行きたすぎる!いったい次はいつ遠野に行くことができるのでしょうか……。
四国とはまた全然違った、どこか懐かしい鄙びた風景がそこにはありました。

全体的に写真を撮る余裕がなかったのは後悔ポイントです。戦利品写真すら撮っていないなんて。
とはいえ、それは皆様方とたくさん交流することができたことの裏返しでもあります。写真はデンデラ野でしか撮っていませんが、遠野で過ごした想い出は、私と、行動を共にした皆様方、そしてイベントに参加された皆様の記憶に間違いなく残っています。

ちなみに、この後しばらくして、北上市にいたFFさんは仕事の都合で東京へ行くことになり、東北を去ってしまったので、このタイミングでしか実現不可能な、本当に奇跡でしかなかった行程だったようです。

観光協会のご厚意・ご協力

今回のイベントにおいては、遠野市観光協会や遠野ふるさと商社など、遠野市の皆様方からの、絶大なご協力やご厚意があった模様でした。
開催記念グッズには、先ほど少し触れたカッパ捕獲許可証以外にも、地元で醸造されたお酒が2種類。他にも、遠野のお土産が並んでいました。

遠野に行ったという数少ない証拠。かわいいね

また、先ほどちょっとだけ触れた、惜しくも私は現場に行けなかった、駅前で行われた観光協会のご厚意、それは……

遠野駅を出たら蓮台野夜行の曲が聞こえる

というまさかの出来事でした。
というのも、前日入りされた方が観光協会にCDをお渡ししていたようで、それを流すことにしたんだそう。駅の向かいに観光協会の建物があるからこそできた、とても素敵な演出でした。

他にも、観光協会の方は、事前に会場周辺の注意事項を発信してくださっていたり……

このような思いで、本気で我々のことを受け入れてくださっていたようで、とても感謝しかありません。本当にありがとうございました。

また、遠野市立博物館のアカウントが、博物館で行われるイベント情報だけではなく、遠野の素敵な風景をたくさん投稿しているので、こちらもぜひ紹介したいです。

とても行きたさを掻き立てられる!!美しい!!

おまけ

その後、『東方Project×よみうりランド「博麗神社夏祭り2024inよみうりランド」』が行われ、そこでは秘封新作の『七夕坂夢幻能』の楽曲が延々と流れていたらしく……凄い時代になりましたねぇ。

といったところで、回想記事を締めくくりたいと思います。
写真がほとんどなく、だいぶ時間も経ってしまったので、いろいろ曖昧な点もありますが、とても楽しい時間を過ごしたことには間違いありません。
ありがとう遠野、また絶対行くからな!!

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まりさめきりさ
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