いぬとさよならした話
18年前の冬、私は犬を買ってきた。子供の頃から憧れつつも禁止されていたペットを、大人になってようやく両親から許可が出て、初めてのボーナスの10万円で、私は柴犬を買った。
段ボールに入れられて、犬はブリーダーさんから渡された。不安になるくらい軽かった。車を運転しながら家に向かう途中、鳴き声一つしない段ボールに、本当に犬が入っているのか信じられない気分だった。彼女に初めて会ったのは生後一か月の時で、ちょうどタバコの箱と同じ大きさだった。
家族会議の末に小春と命名された犬はその後、