NO,16 清水買いした黒い鞄の話
私は7年程同じ会社に勤めていた
詳細は避けるが通信販売の会社だった
名前を言えばみんな知ってるような会社だ
もう今は退職して勤めていないが
そんな過去もあったのだった
通信販売はお互いの顔は見えない
だから余計に気を使った
注文して頂いたお客様が
喜んでいただけるように
自分の出来る事を
毎日毎日頑張ってしていた
最近の事なのだが
私は通信販売で黒い鞄を頼んだ
前から気になっていたので
今回はと思い切って買ったのだった
数日後に小包が届いた
中には私が頼んだ鞄が入っていた
しかしよくよく見ると何かが違う気がする
黒を頼んだのに紺色がきたー!!!
私は気が付いたら大きな声を出していた
すぐに通信会社にメールし
確認してもらう事にした
日々やっていた事なので大体の想像はついた
数時間後に
頼んだ通信販売の会社からメールがきた
間違えていて大変申し訳ございません
黒色の方を送らせて頂きます
紺色の方は送り状を入れますので
送り返して下さい
こんな内容のメールだったと思う
そして数日後
黒色の鞄と送り状が届いた
黒色の鞄が入っていた段ボールに
紺色の方を入れ送り状を貼る
これで送り返せると思い
コンビニまで持って行った
コンビニでは中国人の女性がレジをしていた
しかしバーコードを読み込まない
何回か頑張ってくれたが何故か通らなかった
店長さんがやってきた
そして私にいった
このバーコードは読み込まないので
直接営業所に持って行って下さい
営業所?!
営業所ってどこにあるの?
私はスマホで近所の営業所を調べ
自転車で持っていく事にした
途中で配達員の女性にあった
私は声をかけた
この配達物を受け取って貰えますか?
女性は笑顔で受け取ってくれ
ちゃんと配達する事を約束してくれた
1つ間違えるとお客様だけでなく
色々な人に迷惑をかけてしまう
たった1つの鞄ではあるが
たった1つの鞄を私に届ける為だけに
色々な人の手を渡り私の元に届いた
神様のいたずらだったのか?
私はそんな簡単な事に気が付いた
そして1つ間違えると
沢山の人の手を煩わせてしまう
そんな事を再確認したのだった