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記事一覧
<閑話休題>南太平洋と縄文文化のつながり
南太平洋の、特にポリネシア人と日本人の指紋は同じ特徴を持っている。また、ロシアや日本の日本海沿岸地域に縄文文化が栄えた証拠として、多数の縄文土器が発見されているが、同じ縄文土器が、日本からはるかに遠いニュージーランドでも発見されている。つまり、縄文人はニュージーランドまで渡航し、縄文文化は現在のニュージーランドまで広がっていた。
一方、最新の研究では覆されることになったが、これまでの弥生文化
<閑話休題>死にゆく準備
「いきなり、不吉な題名だな」と怒る方もおられるかも知れませんが、自分が「死」に近い年頃になったこともあり、最近「死」を良く考えます。また、三年前にルーマニアで、自分が新型コロナウィルスとインフルエンザに同時感染し、肺炎に罹って死に損なったこと、さらに同時期に二歳下の妹が、冬のヒートショックにより風呂場で溺死したこと、もっとさかのぼれば十九歳のとき、病気持ちだった父が自宅で突然死したことはみな、「
もっとみる<閑話休題>放置主義―レヴィ・ストロースについて―
レヴィ・ストロースは歴史的な名著『野生の思考』において、南太平洋の住民はジャンポール・サルトルの思想に代表されるヨーロッパ人が考えるような野蛮人ではなく、思考を向ける方向性が異なるだけの、知的水準に差がない同じ人類であることを証明してみせた。
この観点から見れば、現在ではグローバル化、かつては植民地化というヨーロッパ人からの過度の干渉が行われた、特にアフリカや南太平洋の人々にとっては、ヨーロ
<書評>写真絵本『ヴァイオリン』
『ヴァイオリンThe Volin』 ロバート・T・アレン Robert Thomas Allen著 ジョージ・バスティック写真 藤原義久・藤原千鶴子訳 評論社1981年 原著はMcGraw-Hill Ryerson Limited 1976年
私は、音楽の才能がないばかりか、家が貧乏だったから、子供時代に楽器を学ぶことなんて問題外だった。でも、演奏はできなくても、コンサートに行くのは好きだっ
<閑話休題>SNSと大衆とポピュリズム
21世紀前半の情報過剰な社会を生きていく中で、メディアの情報操作が怖いのと同様に、SNSによる情報拡散はとても怖い。人類の歴史上、プロパガンダという情報操作及び大衆扇動を最初に効果的に行ったのは、ナチスドイツの宣伝相ゲッペルスだが、その対象となる大衆(という存在)が歴史(社会)の中に出現したからこそ、こうした政治手腕が可能となった。また、この大衆という概念には、ブルジョワやプロレタリアート、上級
もっとみる<芸術一般・閑話休題>ニューイヤーコンサートとビールにラーメン
新年5日、中野駅と言えばサンプラザやモールのある北口に行くことが多いが、南口にも新たな施設が出来ていた。「中野ゼロ」というコンサートホールで、東京フィルハーモニーが、ここでニューイヤーコンサートをやるというので、チケットを買って行ってみた。
中野駅の南口を出ると、そこではさかんに道路工事をしていたが、線路沿いに狭い道が伸びている。そこを会場に向かう人たちに混じって歩いていくと、歩道のあちらこ
<ラグビー>2025年シーズン(1月第一週)
(どうでもよい「話の枕」です。関心ない方は飛ばしてお読みください。)
○ 「こめかみ」という顔の部分については、語源的なものなど意識せずに使って来た。しかし、柳田国男の『日本の祭』の中で、「神様に食べ物をお供えするものとしては、日本では顕著なものであり、昔は神様とともに飲食した」と書かれている下りで、この「こめかみ」とは「米噛み」であると書かれていた。目からうろこが落ちた。柳田によれば、昔の日本
<閑話休題>ロマン・ロラン『インドの神秘と行動 ラーマクリシュナの生涯 ヴィヴェカーナンダの生涯』について
標題からすると<書評>のように思うかも知れないが、書評ではない。そもそも、この本はもう手元にない。そして昔、たぶん1980年頃購入した後、最初の数ページを読んだだけで、ついていけずに止めてしまい、その数年後チリ紙交換(注:車で巡回する廃品回収業者。特に紙類を金銭ではなくチリ紙と交換してくれた)に出してしまったと記憶している。それでは、既にない本についてなぜ標題にしているのかと言えば、その時に付属
もっとみる<ラグビー>2025年シーズン(1月3日)
(どうでもよい「話の枕」です。関心ない方は飛ばしてお読みください。)
おだまき(苧環)というのを、知らなかった。基本は中を空洞にして麻糸を巻いたものを言い、これに似た花や和菓子なども「おだまき」というらしい。
私の昭和十二年生まれの母は、ちゃんとわかっていたが、私(昭和三十四年生まれ)は知らなかったから、若い人には漢字も難しいからまったく未知の言葉だろう。なぜ知ったかと言えば、日本の民話の
<芸術一般:能>『安宅』について
先日TVで、能の『安宅』を観た。ご承知のとおり、歌舞伎の『勧進帳』の前身となるもので、源義経一行が山伏姿で京から奥州へ逃れていくとき、北陸の安宅の関所を抜ける時のエピソードを題材にしている。このエピソードの見せ場は沢山あるが、最も著名なものは、関所守の富樫に問われて、弁慶が寺の寄進のためと嘘を言い、実際にはない勧進帳を適当に読み上げる場面だろう。そのため、歌舞伎では『勧進帳』という演目となってい
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