きーやん

オールブラックス、ハリケーンズ、ウェリントン、日本代表、ワイルドナイツ、明治大学、東京高校を応援する、もう40年以上続く熱狂的ラグビーファンです。国内外のラグビー関係投稿の合間に、書評、映画、芸術、クラシック音楽とバレエ、旅行記、そしてたまに小説・詩・自由律俳句も書きます。

きーやん

オールブラックス、ハリケーンズ、ウェリントン、日本代表、ワイルドナイツ、明治大学、東京高校を応援する、もう40年以上続く熱狂的ラグビーファンです。国内外のラグビー関係投稿の合間に、書評、映画、芸術、クラシック音楽とバレエ、旅行記、そしてたまに小説・詩・自由律俳句も書きます。

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  • 閑話休題

    いわばエッセー。雑談。ブレイクタイムの茶飲み話です。ということで始まったのですが、他のマガジンで扱えない話題・内容をこのマガジンで扱うようになりました。またそういう経緯で、最近は哲学・思想をこのマガジンで投稿することが多くなっています。

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    Amazonのkindleストアで、短編小説集を電子書籍で販売しています。「木下裕治 本」で検索すれば出てきます。クリスマスストーリー、サリンジャーや中井英夫のような短編です。宜しくお願いします。

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    文学、芸術、歴史を中心に、書評だけでなく、そこから思い付く思想を展開します。

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    最初は、オールブラックスを中心にした、試合結果の記事でした。その後、現在はリーグワン、シックスネーションズ、ザ・ラグビーチャンピオンシップ、セヴンズラグビー、日本代表を中心にしたテストマッチの試合結果を、週末・週初めに投稿しています。また、その週で気になった海外のニュース記事を紹介しています。たまにその他の話題も扱います。

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    芸術について、なんでも書きます。はじめはヨーロッパ絵画をかなり題材にしていましたが、現在は映画評論・芸術論・文学論などが多くなっています。

最近の記事

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<ラグビー>プロフィール背景画像の話題

noteのプロフィール背景に、昔NZのウェリントンラグビー協会関係者からもらった、ラグビー試合を描いた最古の絵を使った絵葉書の画像を使っている。この絵に、不思議な歴史があることが最近わかったので、ご紹介したい。 絵葉書の下には、1896年3月13日のニューカッスルアポンタインと書かれているが(注:もしかしたら、2種類の作品があるのかも知れない。)、実際は、1893年11月25日に行われた、ヨークシャイアー(白ジャージ)対ランカシャイアー(赤白の段柄)のゲームで、場所はブ

    • <閑話休題>読書は本と人との戦いである

       TVのニュースで、最近益々読書をする人がいなくなっていると話題にしていた。そして、専門家と称する人が出て来て、これまで娯楽として文庫本などが読まれてきたが、スマホの普及により、娯楽の主体がスマホに移ってしまった。また、ニュースなどもスマホで簡単かつ短時間で読めるので、その結果読書する人が激減したのだと、その理由をもっともらしく説明していた。  ところで、このニュースでは、日本の読書人口が滅茶苦茶多かったように報道しているが、それは終戦後のまさに娯楽に飢えていた時代に限られ

      • <短編小説>「あるミサでの出来事」

         これは、とあるフランス南部の田舎町に、中世から現代まで伝わる説話である。その町は、地中海に面していることから温暖な気候に恵まれ、また度重なる大きな戦乱に巻き込まれる機会が少なかったため、そこに住む人々は長く平和な時間を過ごしていた。そして、日々の生活は、農産物と漁業に恵まれ、牛や羊の畜産も盛んだったので、一年を通じて食べ物に困ることはない満ち足りたものだった。そうして素朴な生活しか知らない人々が貯え続けた財は、町の中心にある教会へ長年寄進され続けた。そのため、この素朴な田舎

        • <書評>『道徳の系譜』

          『道徳の系譜Zur Genealogie Der Moral』 フリードリッヒ・ウィリヘルム・ニーチェFriedrich Wilherm Nietzsche著 木場深定訳 岩波文庫 1940年初版 私が読んだのは1979年版 原著は1877年  原題を直訳すると「道徳の系譜について」となり、ほぼ邦訳と同じである。また、『善悪の彼岸』に続いて、双子のように書かれたもの。しかし、ニーチェ得意の箴言が多いスタイルではなく、論文――と言っても、限りなく散文に近いが――形式で書かれて

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        <ラグビー>プロフィール背景画像の話題

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        記事

          <ラグビー>2024年シーズン(11月第三週)

          (どうでもよい「話の枕」です。関心ない方は飛ばしてお読みください。) 〇 ラヴェルの「ボレロ」は、今では名曲とされてあちこちで演奏されているが、発表当初は、同じフレーズの繰り返しという構造から、失敗作・駄作と評されることも多かった。小太鼓の囁くようなリズムで始まり(そして最後まで小太鼓は同じリズムを刻む)、次にフルートが同じリズムを繰り返す。それが木管楽器から金管楽器まで広がり、やがて弦楽器や打楽器を含む全オーケストラの演奏になって、そのリズムがまるで壮大なドラマのように響

          <ラグビー>2024年シーズン(11月第三週)

          <書評>『我と汝・対話』

          『我と汝・対話 Ich und Du /Zwiesprache』マルティン・ブーバー Martin Buber著 植田重雄訳 岩波文庫 1979年 原著は『我と汝』が1923年、『対話』が1932年  マルティン・ブーバーは、十九世紀末にウィーンで生まれ、祖父はユダヤ教学者、父はユダヤ教啓蒙運動の指導者であった。自身は、フランクフルト大学でユダヤ教宗教哲学と宗教史を講じた後、1938年にナチスドイツの迫害を逃れて、エルサレムのヘブル大学教授に転任した。シオニズムの運動家であ

          <書評>『我と汝・対話』

          <閑話休題>道交法を守る?テロリスト

           先日「100分で名著」を見ていたが、あるTV番組でテロリストを主人公にしたドラマを放映したところ、主人公が車を運転しているときに「シートベルトをしていないのは違反だから、必ずシートベルトをさせろ!」というクレームが来たという。  このクレーマーの論理を拡張すれば、テロリストという既に重罪を犯している人間が、シートベルトをして、赤信号を守り、車間距離を守り、制限速度を守って、道路を走行したら、赤信号を無視し、車間距離を詰め、制限速度を大幅に超過している警察車両にあっさりと捕

          <閑話休題>道交法を守る?テロリスト

          <映画評>『アラビアの女王』

          『アラビアの女王 愛と宿命の日々 The Queen of the Desert(砂漠の女王)』 2015年 アメリカ・モロッコ合作 ヴェルナー・ヘルツォーク監督  映画のモデルとなった「アラビアの女王」あるいは「砂漠の女王」ガートルード(発音に忠実なら、ガースルードと聞こえる)・マーガレット・ロージアン・ベルについては、ウィキペディアでは、以下のように解説されている。なお、CBEは「大英帝国勲章司令官」と訳されているもので、上から三つ目のランクになる。  また、イラクの

          <映画評>『アラビアの女王』

          <ラグビー>2024年シーズン(11月第二週)

          (どうでもよい「話の枕」です。関心ない方は飛ばしてお読みください。) 〇 古代ローマ遺跡としてのローマ劇場というのが世界各地に残されているが、これはギリシア劇場を模倣・踏襲したものなので、そのままギリシア劇場と称しても間違いではない。そして、現代の劇場建築と最も異なるところは、一番奥にある舞台の手前に半円形の大きな窪地があることだ。ギリシア悲劇の構造を知らないと、なぜこんなに大きな窪地があるのかと思うだろうが、これは、ギリシア悲劇の中心要素にして原典でもあるコロス(コーラス

          <ラグビー>2024年シーズン(11月第二週)

          <書評>『深層文化論序説』

           『深層文化論序説』 上山春平著 講談社学術文庫 1976年。三つの論文から構成されており、「深層文化論序説」は、1977年の『日本の社会文化史全7巻 第1巻井上光貞編「原始・古代社会」』 講談社1973年、「人間学の位置(原名「学問の地図と人間学」)」は、山田慶見編『人間学への試み』筑摩書房1973年、「縄文の石垣」は、京都大学人類学研究会編『季刊人類学』第6巻第3号 講談社1975年に、それぞれ掲載されたもの。  裏表紙の紹介には、「著者は、フロイトの『深層心理』に対し

          <書評>『深層文化論序説』

          <書評>澁澤龍彦『サド侯爵の生涯』、『エロティシズム』

          『サド侯爵の生涯』澁澤龍彦著 中公文庫 1983年 初版は1964年桃源社 『エロティシズム』澁澤龍彦著 中公文庫 1984年 初版は1967年桃源社  澁澤龍彦(本名は龍雄で、渋沢栄一の遠縁にあたる)と言えば、東大仏文科を卒業した立派なフランス文学者であり翻訳家・小説家だが、マルキ・ド・サドの『悪徳の栄え』を1959年に翻訳・出版したところ、わいせつ罪により被告となった。世に有名な「サド裁判」である。この裁判は「芸術か、わいせつか」というキャッチフレーズでマスコミが注目す

          <書評>澁澤龍彦『サド侯爵の生涯』、『エロティシズム』

          <閑話休題>人類の進化(変化)の行方

           最近の日本の大学では、女性学という専攻があって、「これまで女性が如何に不当な差別を受けて来たか、また女性本来の権利を如何に取り戻すかを、先鋭的に研究する学問」というように私は理解している。その学術的先達として、フランスのエリザベート・バダンデールという女性がいる。  彼女が1980年に発表した『プラスの愛――十七――二十世紀の母性愛の歴史』という著作があって、女性が生まれつき持っているとされる、母性愛・母乳・出産・育児・教育・家庭生活などというものは、ルッソーの『エミール

          <閑話休題>人類の進化(変化)の行方

          <短編小説>スコールの後で

           熱帯地方の雨は温かい。そして、スコールになると熱い空気が冷えて時が止まる。街の汚れをシャワーで洗い流した後に、何も残らないことで時が止まるのだ。次に気づいたときには、もうスコールは止んでいる。そして、天然のサウナだ。地面の雨水が、高温により一気に蒸発して、身体を取り巻く空気が猛烈な蒸し風呂に変わる。空気が冷えた喜びの次には、強烈な蒸し風呂のお返しが待っていた。自然は、やっぱり優しくはない。  それでも、スコールは人に恩恵をもたらす。一気に天から落ちる水の塊は、雨樋を伝って

          <短編小説>スコールの後で

          <書評>『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』

          『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神 Die Protestantische Ethik und der Geist des Kapitalismus』マックス・ウェーバー Max Webber著 梶山力・大塚久雄訳 岩波文庫 1955年 原著は1920年(論文は1904-05年)  マックス・ウェーバーの、『古代ユダヤ教』と並ぶ著名かつ歴史的な著書である。その内容は、近代資本主義の発展には、プロテスタンティズムの考え方が大きく寄与していたと述べている。ところで、二

          <書評>『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』

          <ラグビー>2024年シーズン(11月第一週)

          (どうでもよい「話の枕」です。関心ない方は飛ばしてお読みください。) ○ 映画『ある愛の詩 Love Story』は、家柄の違う男女が恋愛し、女が病死するというストーリーで、その後日本のTVドラマやアニメなどに同様の物語が次々と作られ、またこの邦題もいろいろなものに利用されている。    ところで、すぐにわかるものだが、『ウェストサイドストーリー』同様、この作品はシェイクスピアの『ロメオとジュリエット』の焼き直しである。また、主人公は「家柄の違う二人」と一般に理解されている

          <ラグビー>2024年シーズン(11月第一週)

          <書評>『アラブ的思考様式』、『アラビア遊牧民』

          『アラブ的思考様式』 牧野信也著 講談社学術文庫 1979年 『アラビア遊牧民』 本田勝一著 講談社文庫 1972年 初出は1965年の朝日新聞  『アラブ的思考様式』は、『アラビア遊牧民』と同じ講談社文庫でも「学術」と称している専門的なものであり、本田勝一のようなルポルタージュではないが、東京外語大教授の著者が実際にアラブで経験したこと及びアラビア語に関する研究成果をまとめたものである。従って、そこには本田勝一が得意とする政治的なメッセージは皆無であり、またルポルタージュ

          <書評>『アラブ的思考様式』、『アラビア遊牧民』