シェア
ち あ き
2024年10月10日 06:23
今、テーブルの花瓶には、式の帰りにいただいた花束が飾ってあります。ガーベラとかすみ草と薔薇の花。あの日、会場を彩っていたお花のたちです。秋風の心地よい土曜日、友人は、純白の花嫁になりました。恥ずかしげに染まった頬ときらきらと輝く黒い瞳。私は美しい花嫁の姿を思い出しながら手紙を書きました。--------------------先日は、素敵な結婚式に招待してくれて
2024年4月7日 17:42
小説って、編み物みたいと思います。かぎ針を毛糸の、ちいさな輪っかへ通しひとつひとつ手を動かして糸を列へ、列を面へと仕立てていくように選りすぐった言葉を、重ねて結んで一行ずつ丁寧に文章を紡ぎ、物語へと仕立ててゆく。どちらも本当に時間のかかる作業です。でもそうやって、手間を惜しまず細やかに編み込まれた細工がひとの心を魅了し、そのやわらかい布地が肌をあたたかく包み込
2023年9月10日 21:14
書店で偶然手にした本を何の気なしにぱらぱらとめくり、ふと目を落としたその先にそんなことが、書かれていました。色鉛筆で描かれたさらりとシンプルな装丁。目を引く黄色い帯には『求めるのは「しあわせ」よりも「安心」』と書かれています。それは、松浦弥太郎さん著書『松浦弥太郎の「いつも」安心をつくる55の習慣』という本でした。書かれている言葉を目で追うごとに、なにか、腑に落ち
2023年6月30日 21:49
第一子の出産を、8月に控え里帰りをした友人へ郵便を出しました。同封した“おすすめ図書のしおり”にはこんな本を載せました。*------------------*○ 愛のエネルギー家事心を健やかに整える「きっかけの言葉」に出会えますように。この本には、やさしい暮らしを送るためのヒントがいっぱい。本田亮さんが描かれている挿絵は、見ているだけでほっこりしてきます。心がすこし疲れた
2023年3月14日 07:27
ひとつの本を好きになる理由はストーリー展開の面白さやそこから伝わるメッセージ、表現の美しさなど様々だと思いますがなかには主人公のキャラクターに惹かれてお気に入りになる、ということもあると思います。自分と似ていて共感ができ、懸命に生きる姿に勇気をもらえたり、反対に自分にないものを持っていて憧れを抱いたり。というわけで今日は、私の大好きな主人公さんたちの話をさせて
2022年12月23日 09:20
こちらは、白くて大粒の雪が降っています。そちらはどうですか。私はこのところ、気にかかることが重なってなんとなく心が落ち着きません。どうしようと思いつつ家を出て自然と足が向くのは、書店や図書館。本がある場所です。静かな空間に行儀よく並べられた本の中から気になったものを手に取っているうちに少し心が回復する。あなたにも、そんな経験はありますか。今日は私のとってお
2022年8月7日 06:38
ページをめくれば胸が「 ♡! 」とときめくようなテーマもブックデザインも最高に素敵な本。本屋さんで一目惚れして、家の本棚に並んでいる姿を眺めるのもちょっと嬉しくて、もう何度も読んだのに不意にまた読みたくなるときがあって、読めばいつのまにか心が弾んでいる。あなたにもそんな一冊があるでしょうか。小説やエッセイもいいけれど今日はちょっと違うジャンルを読みたいな、という
2022年6月15日 16:01
澄んだ水みたいに、何の違和感もなく心にスッと沁みてきていつの間にか、心地よい潤いを与えてくれて気づけば心の中を爽やかに洗ってしまうような、そんなことばと出会うことができる(ヒミツにしておきたいくらい)とっておきの本の紹介です。*ひらがな暦好日絵巻美しいものを
2021年3月29日 19:01
休日の本屋さん。私がある本棚の前で立ち止まっていた時だった。隣に、親子がやってきた。小学生の男の子はお母さんに「この本が気になる。」と言って本を指さしている。が、なぜか手には取らずに躊躇していた。遠慮したくなる理由があったのかな?と私がぼんやり思っているとお母さんが「本は読みたい時に読まないとー!ほら、買ってきなさい。」と男の子の背中を押していた。な、なんて
2021年2月14日 19:31
本はたくさん読むけれどめったに買わない。大抵は図書館で借りる。そしてほとんどの本は一度読んで満足してしまう。もっと色んな本と出会いたいと思っている。そんな私が何度も読みたくなってしまう本がある。・ライオンのおやつ・ツバキ文具店・キラキラ共和国・喋々喃々(どれも、小川糸さんの作品😊)何気ない毎日のささやかな幸せを描いているところ。登場する人たちがみんなそれぞれ
2021年5月5日 21:30
私はこの連休、おいしい文学をたっぷりと読んだ。おいしい文学とは物語の中に食べ物が中心に据えられて描かれている小説のこと(私の中ではそういう意味)で私はそういった小説が、こよなく好きだ。文章で表現されると、その食べ物をより深くゆっくり味わっているようなそんな感覚になるからかもしれない。ここのところ私が出逢った作品がとても素敵なものばかりで、いろんな人にぜひ読んでいただ
2021年7月18日 21:18
それはもう、絶対これで決まりなのである。私の中で今のところ、圧倒的トップに立っているのである。「声に出して読みたい」と書いたけれど、実際のところは「声に出して読んでます」が正しいのである。その作品は、なんと言っても、食べ物を表現する書きぶりが最高だ。言葉のチョイスが痛快なのだ。描かれている内容もさることながら、日本語の表現の豊かさとおもしろさを感じることができるの
2021年9月15日 13:57
夜ごはんを食べ終わったあとの心地よい満腹感。「ふぁ〜っ、今日も食べた食べた。」ふわふわと満たされたお腹を抱えつつがさごそと、「ティータイムセット」なる箱の中からその日の気分のお茶を選ぶ。紅茶のティーパックや緑茶、ほうじ茶の茶葉。カフェラテ、ココア、コーヒーに抹茶ミルクの粉末も揃っている。今日はオシャンに紅茶でいこう。最近は職場の人から頂いたアールグレイがお気に入り。カップに多
2022年4月15日 04:58
「 逃げ出してしまいたい 」*今、そんな想いを抱いている人がいたらぜひ手に取ってみて欲しい本がある。どこか懐かしく、少し切なく、とびきり温かい、「もうひとつの居場所」を描いた物語。*雲を紡ぐ特に、単行本120頁から122頁のおじいちゃんの言葉、とても好き。岩手の瑞々しく美しい自然と糸を紡ぐ職人たちの芯通った心、親子、夫婦の関係の再構築。読み進めるにつれて心が