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rupikorupiko
わたし的「声に出して読みたい」文学
それはもう、絶対これで
決まりなのである。
私の中で今のところ、
圧倒的トップに立っているのである。
「声に出して読みたい」
と書いたけれど、
実際のところは
「声に出して読んでます」が
正しいのである。
その作品は、なんと言っても、
食べ物を表現する書きぶりが最高だ。
言葉のチョイスが痛快なのだ。
描かれている内容もさることながら、
日本語の表現の豊かさとおもしろさを感じることができるのが魅力だ。
だから惹き付けられて読み飽きない。
そして私はつい、声に出したくなってしまう。
* * *
この作品は
オノマトペの使い方に富んでいる。
ぜひぜひ注目して読んでほしい。
情景にハキハキとした動きが出ている。
「卵をカカカカカッ!と混ぜる」
「中華鍋でニラともやしをジャーッ!と炒める」
「(栗が)金時芋のようにぽくぽくとし」
自由なオノマトペだが、
的確な表現で、実にしっくりくる。
その他、食べ物とともに描かれるシチュエーションが、いい。とっても、いい。
映画の後に寄る甘味処のクリーム白玉あんみつ。
真夜中のどん兵衛。
子供のころにお手伝いしたポテトサラダ作り。
熱が出た時のお粥。
電車で食べるシウマイ弁当。
「その時に食べるそれ、最高!」と言いたくなる。
* * *
著者は森下典子さん。
本の名は
「いとしいたべもの」
「こいしいたべもの」
おいしい文学好きにはたまらない
極上の二冊。
(こいしいたべものは、いとしいたべものの続編)
食べ物の思い出を
丁寧に綴ってあって、
味わい深い。
それでいて短編集なので、
重くならず、
気軽にサクッと楽しめる。
私がこの本を声にして読むのは、単に
鮮やかに歯切れの良い言葉で紡がれている物語を
音にしたいというだけでなく、
自分の中に豊かな感性や表現が
芽生えることを期待しているのだと思う。
言葉が好きという人、
おいしい文学が好きという人、
日常を楽しみたいという人に
ぜひ読んでほしい!!です。
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