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本気で恋に落ちたら3億円もらえた甘い思い出

こんにちは、たけしです。


ある人のことを、「これはまさに恋だ!」と思うほど考えてみると道は開けます。


ロシアに駐在していたある時、ちょっと珍しい商品の販売、特に新規のお客さま開拓を命じられたことがありました。


業界も商品もほとんど知らない私は、まずは現地のビジネスパートナーの元へ通い、市場や客層、競合などの重要情報を教えてもらいました。そして彼らとの作戦会議をかさね、業界でトップ5に入る、ある企業へのアプローチを決めたのです。


この際、商品説明や取引の条件などは頼れるパートナーにすべて一任。外国人の私に出来る事は限られていたので、


「ナントカっていう日本の会社のタケシというやつが、本気でうちと取引したがっている」


このことをお客様によくよくわかってもらうことが私の最大の使命だと考えました。


それからというもの、私はスタッフにもお願いし、その会社の経営レポートやら記事/動画やらをかたっぱしから集めました。


特に、メインでアタックしたイワノフ調達本部長(=商品購入を決められる人)については、あらゆる情報をあつめ、経歴や業界メディアでの発言などを頭にたたき込んでいったのです。


寝ても覚めても彼のことを考える日々。これはまさに恋です(笑)


そして、最低月イチで面談を申し込み、場所を選ばずとにかく直接会って話をするようにしました。


初回の面談では「おたくもこの商品を売ってたの?A社とB社だけじゃなかったんだね」なんて塩対応され、残念ながらその年の調達は終わっていたのもわかりました。


我々はそれでもかまわず会社と商品を紹介し「また、たびたび会いにきますね」と、日本の高級ウイスキーを2本おいて帰ってきました。


次の面談からは、調べた情報について、とにかくあれこれ聞きまくるようにしました。


業界の発展をどう見ているか、〇〇州のプロジェクトはいつ始まるか、いまの地位に登用された理由はどう考えるか、等々・・・


極端に言うと話題は何でもよかったのですが、「何も知らなかった日本人ですが、あなたについてこんなにも興味を持ってますよ」というシグナルを様々な形でねばり強く送り続けたのです。


こんなことを繰り返すうちに、明らかにあちらの態度が変わってきました。


こちらの話もそれなりに聞いてくれて、先方の技術者とも交流し商品と評判をアピールしながら商売を進めていきました。


最初の面会からもうすぐ1年という頃、珍しくイワノフ氏から呼び出され、「来月、来年向けの入札があるが、今のままではあなた方の商品を買うよう現場を説得できない。いい案を出してほしい」と相談を受けました。


帰り道にパートナーのドミトリーさんに「さっきの話、逆に言えば、もうひと声でイケるってことだと思うけどどう思う?」と聞いたら、「オレもそう思ったよ」と。


オフィスに着くと、ロシア人上司も一緒に社長に報告。1年にわたる取り組みの成果を出すべく、お客様の条件は全部飲んで入札にのぞみたいと訴えました。


結局のところ、「これならイケる」という条件より少し良い内容でオファーしました。競合も黙ってはいないだろうと、必勝のために社長も腹をくくってくれたのです。


入札の結果はなかなか通知されませんでしたが、その時は急にやってきました。ある日の夕方、見慣れないメアドだな、と思ったら、お客さまの入札委員会からの結果通知書付のメールだったのです。


全神経を右手の人さし指に集中してPDFを開いてみると、


「下記の貴社商品が 〇〇州 調達審議の結果、購買対象に選定されたことを通知する」

と書かれており、レターの最下部にイワノフ氏の署名があったのです。


シンプルですがようやく相手からのお返事がラブレターで返ってきた気がして、嬉しいとともになんだかホッとしてしまいました。


私はそのままノートPCを持って社長室に駆け込みました。そして、同じくメールを読んでいたパートナーにも連絡し、当時の為替で約3億円ぐらいの受注に対する祝勝会に関係者でくり出しました。


その後まもなく駐在の任期が切れてしまったため、商品納入まで見届けられなかったのは残念でした。


それでも、結果通知を開いた時の興奮と、祝勝会での幸福感、そしてあの恐ろしい二日酔いの苦しみは今でも決して忘れることはありません。


仕事でも私生活でも、キーとなる相手が1人の場合、事態打開のためにその人にとことん恋をしてみてください。


学歴、経歴、趣味、好物、家族構成、好きな人のことはなんでも知りたいというつもりで情報を集めて、コミュニケーションをとる時にねばり強く色々とおり混ぜてみてください。


やがてあなたの熱意に相手も応えてくれて、きっと事態が好転してうまく行くはずですよ。


あなたの取引先の人や他の誰かが、私がロシアでやったような行動をあなたに対してしたらどう思いますか?


もちろん悪い気はしないでしょう。ですが、毎回こんな具合だったらかなわんな、そのうち契約書とか出されたらヤバイな、サインしちゃうかもな、なんて思いませんか?


ぜひあなたもこれをやってみてくださいね。


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たけし | ロシア/海外メンタルヘルス・心理学/仕事術研究
4兆円企業で管理職をやっているアラフォー社員のたけしと申します。頂いたサポートは私と同じようにメンタル不調やパワハラを受けた経験のあるサラリーマンを助けるためのメンタルケアや思考法の勉強に充てさせて頂きます!