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日本史に関する本のレビュー集

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日本史や日本文化に関する本のレビューを集めてあります。日本文化というと、およそ何でも入ってしまいますが、分類しにくいもので、日本文化に関わるものを入れています。
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2023年9月の記事一覧

琉球怪談―現代実話集 闇と癒しの百物語

琉球怪談―現代実話集 闇と癒しの百物語

琉球怪談―現代実話集 闇と癒しの百物語

 沖縄県の怪談実話集です。全部で、百一話が集められています。
 どの話も、けっこう怖いです。「怖い話が読みたい」時に、役立つ本です。
 本書には、それ以上に、興味深い部分もあります(^^)

 話の舞台は、ほとんどが沖縄県です。
 一部、舞台が違うものもありますが、そういう話でも、沖縄県出身者が体験した話であったりして、必ず、「沖縄」がからんでいま

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Q&A 野菜の全疑問―八百屋さんも知らないその正体 (ブルーバックス)

Q&A 野菜の全疑問―八百屋さんも知らないその正体 (ブルーバックス)

Q&A 野菜の全疑問―八百屋さんも知らないその正体 (ブルーバックス)

 野菜の解説書です。
 解説書といっても、難しくはありません。全編、平易な文章です。

 題名のとおり、Q&A形式で書かれています。ごく基本的な疑問が、多く出されています。基本的でも、答えは、けっこう深いです(^^)

 本書を読むと、「普段、食べている野菜のことを、ほとんど何も知らないな」と、気づかされます。目を開か

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ニッポンの河童の正体 (新人物ブックス)

ニッポンの河童の正体 (新人物ブックス)

ニッポンの河童の正体 (新人物ブックス)

 河童について知りたければ、まず、本書を読むといいです(^^)
 日本の河童のイメージの変遷や、その研究史について、手際よくまとめられています。

 そんなに厚い本ではありません。文章も、読みやすいです。さらさらと読み進めていくうちに、河童の知識が頭に入ってきます(^^)

 河童は、日本で最も有名で、最も人気がある妖怪の一種でしょう。それだけに、

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アジア遊学 (No.59) 鬼とデーモン

アジア遊学 (No.59) 鬼とデーモン

アジア遊学 (No.59) 鬼とデーモン

 勉誠【べんせい】出版から出ているムック『アジア遊学』シリーズの59号です。
 「鬼とデーモン」の特集号です。

 日本には、古来、鬼【おに】と呼ばれる霊的存在がいますね。日本人なら、誰でも知っているでしょう。
 ところが、いざ、鬼について説明しようとすると、誰もが、はたと困るのではないでしょうか。

 日本のたくさんの民話や伝説に、鬼が登場しま

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あなたの隣の「怖い噂」―都市伝説にはワケがある

あなたの隣の「怖い噂」―都市伝説にはワケがある

 いろいろな都市伝説を、紹介した本です。
 日本の都市伝説が基本ですが、米国の都市伝説も、たくさん紹介されています。

 著者の宇佐和通【うさ わつう】さんは、英語に堪能で、米国の事情に詳しい方です。このため、多くの日本の都市伝説の元に、米国の都市伝説があることを、見事に喝破【かっぱ】しています。

 日本オリジナルの都市伝説も、もちろん、存

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ごはんとパンの考古学

ごはんとパンの考古学

ごはんとパンの考古学

 私たちが、普段食べている、「ごはん」と、パンとについて、それぞれの起源を探った本です。

 「ごはん」とは、イネの果実を脱穀した「お米」を、水で炊いたものですね。
 いっぽう、パンとは、オオムギやコムギなどの麦類の果実を、脱穀して、粉にひいて、塊にして、焼いたものですね。

 「ごはん」は、東アジアや東南アジアなどで、主食とされています。
 パンは、西アジアやヨー

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日本の美術 no.330 飛天と神仙

日本の美術 no.330 飛天と神仙

日本の美術 no.330 飛天と神仙

 飛天【ひてん】と呼ばれる超常的存在と、神仙と呼ばれる超常的存在とを、解説した本です。
 類書は、ほとんどありません。飛天を扱ったものとして、わずかに、小学館の『飛天の道』があるくらいです。

 飛天も、神仙も、日本をはじめ、アジアの美術に、よく現われるものです。一見しただけでは、飛天なのか、神仙なのか、わからないものも、少なくありません。
 ごく簡単

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女の風土記 (講談社学術文庫 (709))

女の風土記 (講談社学術文庫 (709))

女の風土記 (講談社学術文庫 (709))

 日本の女性史を取り上げた本です。分野としては、民俗学や、歴史学(日本史)の本ということになるでしょう。

 女性史といっても、日常の、普通に生きている女性の歴史ではありません。
 かといって、例えば推古女帝のように、華々しい活躍をした女性の歴史ばかりでもありません。

 日常から、ほんの少し、ずれた女性たちの歴史です。普通の女性の延長線上にいる

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