- 運営しているクリエイター
#マンガ
すばる7月号を学校の図書室に置こう
すばる7月号を読んだ。
李琴峰さんのアイオワ滞在記が良すぎて共有したいので、ここだけでもカッターで切り取って小冊子にして全国の高校の図書館に吊るそう。
アイオワ大学で、反LGBTQの活動家が講演をすることに、大学生たちが一斉に抗議する。
コールで、アートで。それぞれのスタイルで反差別を態度で示し、近所の車はクラクションを鳴らし、武装警察まで巻き込む騒ぎ。
その一部始終をその場にいるような迫力で記
クリスマスに一番不向きなプレゼント、福本伸行の「二階堂地獄ゴルフ」単行本
クリスマスに一番適したプレゼントはケーキ。
一番適してないのは二階堂地獄ゴルフの単行本だ。
「カイジ」よりもさらに前の、売れるとは思われてなかったころの福本伸行の作風。
題材はゴルフ。
ぎりぎりでプロテストを落ち続けて35歳になった男の悲哀、だんだん周囲からめんどくさい人と思われていてもプライドを捨てきれない意地、そういうことを描いている。
ゴルフでなくても「漫画」や「お笑い」に置き換えて読め
永田カビさんを「わかる」人が沿道で旗を振り、ゴールテープを切る姿を見届けるけど、誰も代わってあげられない【マンガ感想】
永田カビの新作「膵臓がこわれたら少し生きやすくなりました。」を読みました。
ずっと人間の業のようなものに責められている人が、自分を絞り切って絞り切って吐き出した火の玉のようなゲロのようなコミックエッセイの終わりを見届けました。
冒頭は病院脱出シーンで始まる。
海外ドラマかゲームの導入のよう。
点滴をトイレに隠して、ナースセンターを通り抜け、逃げてしまう。
過去作でも心身ともに痛めて入院してい
【宇宙人狼】久しぶりに買った漫画【海外マンガ】
宇宙人狼やん!!
昔からのファンの方には「宇宙人狼やん!!」と言われても舌打ちされるかもしれないけど、萩尾望都「11人いる!」の導入には、流行が二回りぐらいして最新の流行と重なったことに興奮した。
10人の初対面の候補生たちに課せられた最終テスト。一定期間、宇宙船の中で問題なくすごすだけでいいのだが、いざ来てみると一人多い。何者か。どこまでテストでどこからアクシデントなのか。
候補生たちが二
がん闘病マンガ「断腸亭にちじょう」の巻数表示がつらい
がんの家系で、40を越えたら気をつけようと思っていた漫画家が、39で大腸がん宣告をされてからの日々。
「たら、とか、れば、とか いくらでも浮かんでくる」
エゴサして褒められても皮肉をつぶやくような「ひねくれ漫画家」である作者が、がん宣告をされる。それも、症状はわりと進行しているようだ。
父親が死んだ病気と同じものが、予想より30年ほどはやく来た。
告知されたときも現実じゃないみたいにぼーっとして
【海外マンガ】病の前に芸術は無力だと思ったけど。「テイキング・ターンズ」が届いた
「テイキング・ターンズ」は、書店に並べる場合、どのコーナーに置くべきかわからない本です。
エイズが死に至る病だったころの医師やナース、そして患者の言葉が、イラスト入りで描かれている。アメリカのマンガなのでいちおうアメコミだけど、ぼくの知っているアメコミではない。
正体不明の死の病だったころのエイズ病棟では、人生の最後にも「同性愛者だから」「エイズが怖いから」と、家族すら来てくれない患者がいる。
【漫画レビュー】表紙だけで人生!フレデリック・ペーターズ「青い薬」
バンドデシネ(フランス語圏のマンガ)初体験でこの本を選んだのは、あまりにも濃いオレンジの表紙が、ぱっ!と目に飛び込んできたから。
日本の浮世絵はフランスで人気があったときくが、そのときにフランス人が驚いた紺色のようなオレンジだ。荒れる海にソファーが浮かんでいる。その上でほほ笑むふたり。
この表紙だけでほぼ人生。この本の語っているすべてがこの表紙にある。人生はたいへんだけど、目の前の幸福をみていき