お題

#ほろ酔い文学

お酒をテーマにした小説やマンガなどの、創作作品を投稿してください!

急上昇の記事一覧

121回目のYouTube配信は『Autumn Time』という詩歌をゆる〜り朗読いたしました🍁 https://youtube.com/shorts/GsQ-mbzg54k?si=G4daf-TKqCX-9Lgq

黄昏 (詩)

カフェのテーブルで頬杖つく私 空のコーヒーカップを前に お替りするかどうか、一時悩む 彼との約束の時間はだいぶ過ぎて でも今にも彼が現れそうで 席を立つ決心がつかない 窓の外はいつの間にか もう黄昏 行き交うカップルが幸せそうに見えた 何度電話しても梨のつぶて やがて溜め息をつき、席を立つ もう、限界… 彼とは終わりにしよう 黄昏時の街へ出る 涙と共に 未練も流れてしまえばいい ( Xの、深夜の二時間作詩に投稿しました )

120回目のYouTube配信は『金色(こんじき)の雲』という短歌を朗読いたしました😊 https://youtube.com/shorts/VKA86ZmYjb4?si=wge4xiZIwE8bW08D

【ミステリー小説】腐心(8)

▶第1話は、こちらから。 ▶前話は、こちらから。  被害者の失踪日時について夫婦で供述が異なるというのか。  樋口からの報告に香山は文字どおり耳を疑う。 「おい樋口、そっちは聴取が終わったんだな」  ――はい。 「そのメール画面を送信日時のわかる状態で写メしろ。木本和也は帰していい。おまえも、こっちに来い。二号室だ」  ――了解です。  香山は廊下の壁に凭れて二本目のハイライトに火を点け、二号室と表示されている取調室の扉を睨みつける。  単純に考えると29日に失踪したという

キミがいない (詩)

キミがいない現世に 生きる意味を探したって 結局いつまで経っても見つけられない 最早、意味などどうでもよくなる 虚ろな目をして キミの面影ばかり追いかけてる もう、夢にさえ現われてくれない キミがいないのに 私だけが生きてること自体 意味がない 不条理がまとわりつく 私を支えるものは何もない

紙の手帳を卒業しました

 私は、ほぼ日手帳のweeks4月始まりを使って7年目でした。  weeksは、閉じた状態でスマホよりひと回り大きいくらいです。見開き2ページで、縦に1週間。月曜始まりです。左ページに仕事の予定、右ページにプライベートの予定を書きます。月間カレンダーは最初に1年分まとめてあるので、週間カレンダーの途中に月間カレンダーが入ってくるということはありません。  最初、これらの仕様が気に入って購入したのですが、6回もリピートした理由は「紙」でした。1度使うと、他の紙に書いたりめく

致死量の愛と悲しみを捧ぐ

「僕は君を救えない、救う気もない」 秋の風が吹き始めた夜、恋人に告げられた台詞は、ほんとうの愛だった。 * つい先日、両親が離婚することを決めた。長らく争い合ってきた、崩壊しきった我が家。終焉を迎えるには十分すぎるほどの理由が積み重なっている。両親は家庭内別居を始め、わたしは日々伝書鳩。憎しみと疲労が滲み出る二人を見ながら、ただ悲しみにわたしも疲弊する。 「この子がこうなったのはお前のせいだ」と罵り合う二人を見てから、わたしの心は壊れてしまった気がする。精神疾患を患い

宴じゃー! #day084 #aeuな日々

毎年ボジョレーの解禁予告が出るたびに、 わあぁ飲みたいなああぁと心から思うのだけど、 11月半ば頃には毎回例に漏れず忘れていて 飲まずに終わるのよね。 ソムリエの資格取得講座を途中で辞退したことが 今のところの人生で最大の後悔、aeuです。 そんな我が家の本日のディナーはこちら! 宴じゃああああぁ🍺🍷🥃😆❤️ え? 今日は何の日って? 何の日でもありません🤣🤣🤣 強いて言うなら、旦那シェフが飲みたくなった日?🤣 と言っていたら、 強いて言うなら、誕生日をお祝いし

119回目のYouTube配信は『9月の雲』という短歌を朗読いたしました〜😊   https://youtube.com/shorts/0yAqedz-WOo?si=nYgxliMfXpnbJqzh

見上げると 虹色輪っか 中秋の月

昨日は久しぶりの飲み会でした 帰り道に何か道が明るいな… と感じて見上げてみると 明るいお月様が 雲が周りを覆っているせいか、 月周りのその輝きが まあるい虹色に染まっていました 昨日は中秋の名月 社食にもそういえばお団子がついていたなと思い出しました 飲み会といえば、4年前にコロナ禍でほぼなくなりました そこから規制は解除にはなったものの 会社の人と「飲みに行く」 という回数がめっきり減りました 逆にコロナ禍で覚えた早い時間の「一人飲み」 (結局飲むのか笑) しかし

あの日の夢

薄紅を 纏ひ たなびく 夕暮れは あの日の夢の いのちのやうに photo & words by なおみ

独り (詩)

キミといても 誰といても 結局はひとりぼっち キミと同じ時間を過ごしても 声が聴けても 独りの部屋に帰ると 孤独がそっと忍び寄り 私の背中を叩く 思わず溜め息を漏らす 孤独と友達にはなりたくないわ

わたしが、わたしを忘れないための備忘録

「誰だったっけ。あれ。」 最近、この言葉をよく口にするようになってしまった。 なんだっけ、誰だっけ、そんなこと言ったっけ。 っけっけっけ、けっけ、 憎いことに、全てを忘れたわけではなくって ぼんやりと片隅に見えていて、記憶がそこにあって、だけど、手が届かない。 前に一緒に働いていた人、同級生の下の名前、学生時代の先生の名前、必死で見ていたはずの、オーディション番組に参加していた人。 訓練校で勉強した、試験も合格したはずのパソコンの使い方、漢字の書き方、九九の覚え方、一昨日の

本当の酔っ払いが、脳から出た言葉を打つ【創作大賞が気になる皆さんと喋りたい】

 気持ちよく酔っ払った夜ですので、閲覧数もスキの数も気にせず自由に書いてみることとしましょう。  1人2人しか読んでくださらなくてもよいのです。  今、ちょうど気持ちよく酔いましたので、そんな人間が無計画に書く文章を気持ちよく残しておけたら、もしかしますと面白い可能性もなきにしもあらずと思ったのでございます。  素敵にご馳走していただきましたもので眠くて仕方がありません。  近頃、このまま進み続けますと一つ前の記事で得たような承認欲求を追い求めてしまうような気が致しま

短文自由詩集(1)/sekiryou

偽りの食卓に真実のスパイスを 愛のキャパシティ 粘着質のもの アナログ志望 ありきたり 流星 勇敢であれ 数学(1→0) 素敵な勘違い 詩集の罠

【風呂酒日和145-2】 山正(やましょう)

文化浴泉から出てふむ、と考える。入る前までは、魚の気分で行く店も目星をつけていたのが、なんかサウナから上がったら焼き鳥をつまんでサク飲み的な気分になった。 パワーは欲しいけど水分は足りてるという感じだろうか。たくさんお水飲んだしロビールかましたしな。 駅の方に歩きながら「焼き鳥」検索。 大きな通りを渡った真正面にそれっぽいお店が見えた。 ん?ここ…か?入ってみると「いらっしゃいませ」と店員さんが声をかけてくれ、テラス席か2階席、どちらか好きな方をどうぞとのこと。 今日の気

煮え切らない。

①ごめんなさい。 すんごく酔ってました…。 ちょっと、コントロール出来なくて…。 ごめんなさい…。 無かったことにしてください…。 ②ダメだとは分かりつつ、 そんな権利ないと思いつつ。 好きは、好きで。 そこに嘘はないんですけど、 やっぱり、ダメってのは分かってて。 ③僕たち、都合のいい関係、 それがちょうどいいと思ってます。 あなたも僕に本気じゃないのが分かります。 僕だって傷付きたくない。 お互いにとって、それがいいですね。 ④好きだから、 もっとそっちから来てほし

【ミステリー小説】腐心(7)

▶第1話は、こちらから。 ▶前話は、こちらから。 「警察が……嫌がる?」  香山は佳代子の言葉をなぞる。  行方不明者届を出すまでに二日近くかかっていることを指摘すると、佳代子はそう言い放って冷ややかな目を向けた。取調室の空気が硬くなる。  無機質な壁の時計は、午後二時になろうとしていた。夏の陽射しが窓辺で踊っている。死体を検分した日は食欲がなくなるが、今日のホトケは傷一つなく腐敗もしていなかったからか、腹が空いてきやがった。まあ、でもメシは抜きだな。まだ聞きたいことの半分

耽美主義文学の入口「ナイチンゲールとばら」~オスカー・ワイルド(改訂、ネタバレ有)

オスカー・ワイルドは、「耽美派」の筆頭として挙げられる作家です。 耽美(唯美)主義とは、19世紀後半に西洋で発達した芸術思潮の一つで、その時代の主流であった写実主義に反して「美しさ」に最高の価値を置くものです。 それは「美に耽(ふけ)る」の文字通り、常識にとらわれず美しさをとことん追求する姿勢ですので、一線を超えて非道徳的になったり残酷になることが多く、そこが魅力でもあります。 その特徴が顕著な「サロメ」などで知られるワイルドですが、「幸福な王子」(1888)をはじ

118回目のYouTube配信は『dancing in the autumn wind』という詩歌を朗読いたしました〜😊 https://youtube.com/shorts/rb1cG45R1cc?si=gkxKtsinBktqiDA6

117回目のYouTube配信は『カンパリ•オレンジ』という詩歌をゆるりと朗読いたしました〜🍊 https://youtube.com/shorts/JvlBZxQHfDo?si=P4OgHJ281uN8Isce

   風 (詩)

風になって自由自在に あなたの元へと飛んで行きたい どんなに曲がりくねった場所や 障害物があっても関係ない いとも簡単にすり抜けて あなたに会いに行くわ どれだけ遠く離れていたって大丈夫 もう、何の障害もないわ さあ、今すぐ 風になって……

久しぶりに満月を見た。 夏の終わり雲のない空に貼り付いている白色の球体。 その裏を見たことがない私はまるで月が全てあの色だというような顔をして「綺麗だ〜」と呟いた。 スマホを起動して写真を撮ったけどあの完全に見える球体はそのままの形では写らなかった。 満月の良さは今限定ってことでしょうか 近くにあるように感じるものが実ははるか遠くにあるというのはよくある話なのかもしれない。 どんなにそばにあって分かっているような気がしていてもそこに手を加えられるような気がしていても、触れ

投資(FX)を学ぶ💵 ✅金融政策:物価や通貨の安定のために中央銀行(日本で言えば日本銀行)が行う金融面での経済政策のこと🌟 →経済情勢から「金融緩和」を行うか「金融引締」を行うかの判断を行い金融政策を実施 金融政策で決定される「政策金利」の変更によって為替レートが動くことが多い📊

noteというのは会議室じゃない現場なんだ

https://www.youtube.com/watch?v=ANileSI9_yQ 室井さん、どうして現場で地が流れるんだ? 今、私の耳の奥で踊る大捜査線のテーマが流れてる。 あの情熱的なことの琴の音。アンバランスさ満点の出だし。 最近noteがたのすくて仕方がない。 なぜって現場だから。 会議室じゃないんだ。もちろん会議室でありたいという人がいてもいい。 会議だって素敵なことなのだよ。必要なことなのだよ。 ただ少しだけ響きが虚しいけれどね。 それに比べて

分かり合う (詩)

やっと、やっと会えたその時 数年分の空白が 瞬時に吹き飛んだ 目の前にいるあなたが眩しくて 胸が高鳴る 2人を引き裂くものは もう、何もない 今までの空白も距離さえも関係ない 何から話せばいいのか 言いたいことはたくさんあるけど 抱き合えばあの頃に戻れる 心は、ずっと繋がっていた やっと分かり合える 【 Xの、深夜の二時間作詩に投稿しました 】

飲み会の隅で度数の低い恋

「かんぱーい!」  スポーツサークル "スポーツ" の飲み会が始まった。  サークルの名前にまんま、"スポーツ"を付けてしまういい加減なサークルだが、普段の活動はいたって真面目だ。週に一回、集まって運動するサークルで飲み会は新歓と忘年会と今回の夏休み前の飲み会だけという真面目っぷり。私はもう少し飲み会があってもいいのにと思うのだけれど。 「かんぱーい、涼子ちゃん。サラダ分けてもらったんだけど食べるー?」 「かんぱい、はな。サラダはいらない。あんたが苦手なだけでしょ」  はな

生きるために (詩)

今日1日を生きるために あなたに会いに行くわ 生きるために 水と空気が必要なように あなたが必要なの 土砂降りの雨でも会いに行くわ あなたに見つめられるだけで 心は潤いを取り戻し  会いに行って良かったって しみじみ思う 今日を生きるために 今、会いに行くわ……

115回目のYouTube配信は『晩夏の夕』という俳句を朗読いたしました😊 https://youtube.com/shorts/l4hccsFGtd4?si=2fJ-DgNCO4NE7Y7b

いけない人 (詩)

その気にさせて離れていくなんて 酷い人ね 離れていくなら近づかないで これ以上傷つきたくない だから私も後ろ髪を引かれる思いで 離れるわ だけど離れようとすると また近づいてくるのね 絶妙なタイミングで 偶然を装い待ち伏せして キミが声をかけてくる 私の気持ち、お見通し? そうやって またキミから離れられなくなる 罪な人ね

レモンから #シロクマ文芸部

レモンから受けた刺激が呼び覚ます初めて飲んだあの日のサワー レモンから 受けた刺激が 呼び覚ます 初めて飲んだ あの日のサワー こんにちは。 これはレモンサワーを飲みながら書いた方がいいと思い立ち、途中までノンカフェインのお茶を飲んでいたのですが、冷蔵庫にレモンサワーを取りに行った羽根宮です。 レモンサワーはないかなと思いましたが1缶だけありました。 小牧幸助さんのシロクマ文芸部に参加しました。 お題は「レモンから」から始まる小説・詩歌・エッセイです。 今回はサクッと

114回目のYouTube配信は『September rain』という英語詩を朗読いたしました💙 https://youtube.com/shorts/B_OnUUSThUs?si=aDngPeeKqQNBmB6M

【復習リスト No.6🍨】型をしっかり覚えた後に、型破りになれる✨:乙種第4類危険物取扱者試験対策 No.86

前回の復習はこちらから👍 2024年7月10日、乙種第4類の試験に 無事合格することができました。 これから危険物乙種第4類を受験されようと する方へ有意義な投稿になれば幸いです💛 第4類危険物の区分🌟第4類危険物の概要は、以下の通りです。 これは、最優先で暗記すべき事項です。 なお、以下にまとめる表において 上にある油類のほうが危険性が高い (下にある油類のほうが危険性が低い) という認識でお読みいただけると幸いです! ※危険等級と指定数量もセットで覚えましょう!

116回目のYouTube配信は『秋の足音』という短歌を朗読いたしました〜🌃 https://youtube.com/shorts/f8_-Bdu3kXo?si=NJ1V0YSmosNXZuE4

悲しいことを乗り越えるには、その濃度を薄めるしかない。そのこと自体を無くすことはできない。

一途

 私は空から街を見下ろすのが好きだ。廃れかけた田舎であっても、際限なく繁栄す都会であっても、どの街の景色も良い。いつもより濃いめに作ったハイボールを片手に、ビルの屋上から眺める景色は最高で、このまま全て終わらせたかった。全身を打つ風に包まれて、私は儚くも永い夢を見始めた。  私は昔から賢いと言われて育った。本当は賢くはない、仲間内で抜きん出ていただけであったのにもかかわらず、キャラクタの無い私はお調子者のフリをして、高みに追いやられることになった。いつも楽な方へ楽な方へと行

恋 (詩)

上手くいかないのが恋 頑張ったって上手くいかない 何を、どう頑張ればいいのかも分からない いつの間にか、あなたを狙う女性が現われたり… 負けたくない、って思っても 選ぶのは、あなた うだうだしている間に あなたが見えなくなる 駆け引きなんて苦手だわ そんなことしなくたって 同じ熱量で求め合い 大切に想いあえたらいいのに

MUKATSUKU

高校時代、俺は飲食店でバイトをしていた。 ピークを過ぎてようやく一息つけると思った土曜日の15時に、大して強くもないのに校名が大きく書かれたジャージを着た集団が、親からもらった小遣いで派手な財布をパンパンにして、ゾロゾロと店に入ってくるのを、正直言って不快に感じていた。 コンビニで買った1000mlのぶどう水で空腹を凌ぎ、家で食べた方が安いのにと思いながらオーダーされた料理を黙々と作っていた俺は、 その注文量の多さに、自分がいかに経済的なゆとりがないかを一層痛感させられたし

summer dream

羽 やすめ 遠くに  星の 群れ あると 憧れてみる 夏の日の夕 photo & words by なおみ

【おはなし】 紙皿と割り箸

「おにく焼けたよー」 友達と日帰りキャンプに出かけた週末の午後。 わたしの彼氏はみんなにいいところを見せようと、ここぞとばかりに張り切っている。むかしの大工さんみたいにおでこにねじり鉢巻をつくり、汗が垂れてくるのを防ぎながら食材を焼いてくれている。 そんな彼氏をサポートするのが今回のわたしの役目だから、紙皿と割り箸をみんなに配りながら「調味料は塩と焼き肉のタレを用意してます」とできる夫人を演じている。 「トウモロコシは、もう少し待ってー」 誰にも聞かれていないのに、

【短編小説】ヒステリー

 癇癪を起こしているヒステリックな奴に突然絡まれる程うんざりすることはない。あの土曜日の午後もそんなことが起こった日だった。  その日は仕事を早く切り上げ、一直線に街の中心部にある酒場へと向かった。その酒場へ行くのは初めてだった。そこは同僚たちの間で沢山の種類のバーボンを取り揃えていることで有名な場所だった。故に、いつか機会があればその酒場で様々なウイスキーをたらふく呑んでみたいと思っていたのだ。  まだ日も明るいうちに来たので、店はがらんとしていた。初老のバーテンダーだ

【ミステリー小説】腐心(5)

▶第1話は、こちらから。 ▶前話は、こちらから。 【東野警察署2階・相談室】  香山のスマホが鳴った。  画面を確かめる。鑑識の浅田からだ。スマホを耳にあてながら、すいませんねえ、と断りを入れて廊下に出る。 「検視の結果か?」  ――お待たせしました。遺体が腐敗しておらず、解剖もしていないので死亡日時については不確かですが、おそらく死後四日ないし五日。逆算すると7月29日か30日でしょう。直接の死因は吐瀉物による窒息死。熱射病で意識障害を起こし、仰臥したまま胃の内容物を吐

夏の終わり (詩)

日差しが痛いくらいの熱を帯び ジリジリと肌を焦がす頃 始まったばかりの恋に胸を焦がす 2人の未来を信じてたのに 一緒に花火を見る約束 破った意味は……? 理由も聞けないままキミは何処へ 時折、涼しさを含んだ風が通り抜け 夜毎に秋の虫の鳴き声 日毎に秋の気配が濃くなる 中途半端で終わった恋 キミの面影追いかけ 傷心に浸る (Xの、深夜の二時間作詩に投稿しました。 少し加筆しました)

Gottes Licht

長い、一本道。 車窓から、横目に覗く。 つい先日の豪雨により薙ぎ倒された、穂の太った稲達が、蒼白い月夜の涙に濡れていた。 老いた線路の、静かな悲鳴を聞く。 生気を無くした車掌の声が、停車場の名を告げた。 私と、斜め向かいに座っていた彼女の二人だけが、鈴虫の音色が響き渡るこのホームに降りた。 一両編成のチンケな車両は、山並みの藍に消え征く。 蛍光灯に群がる蛾。懸命に旗めかす翅が、軈て光の熱に焦がされ、その身は地に還る。 私には、帰る場所など無くなってしまったから、駅のホ

雲のヴェール

我が心 薄きヴェールに 透かし見ゆ 深く儚き 夏果てるまで photo & words by なおみ

盂蘭盆万灯会(うらぼんまんどうえ)

#夏の1コマ 近所にある青龍寺で、毎年8月13日から16日まで 法要が行われています。 お経を聞きながら、亡き両親に祈りを捧げているうちに、目の奥が熱くなる。 そして次第に心穏やかになり、感謝の念が湧いてきます。 心の中で、たくさんの愛をありがとうと呟いた。 何度呟いても、足りないくらいです。 本当は、生前に伝えたかった……。

ドライヤーマイク。

シャワーヘッドとドライヤーに録音機能が搭載されていたとすれば、アカペラで歌っていた時間はカラオケで歌っている時間を遥かに越えるに違いない。幼い頃から私の歌声を知っている家族よりも、長い付き合いの友人よりも、鏡の横に置いてる歯ブラシと浴室内のシャンプーの方が、私の歌声の魅力を一番知っているのではないかしら。 すれ違う他人の生活を覗き見ることは叶わないので、一人で過ごす姿のだらしなさを想像することは容易ではないけれど、きっとあの素敵なスカートをお召しになっているご婦人も、常に色

clouds in a puddle

8月の 雨上がりたる 早朝に 幼心を 想ゆる水面 photo & words by なおみ

ウヰスキー探訪#3〜ボウモア12年〜

ずっとちびちびと大事に飲んでいた宮城峡をついに飲み干してしまったので、だいぶ前に買っていたボウモア12年をついに開けました! このウヰスキーですが、村上春樹さんの著書、「もし僕らのことばがウィスキーであったなら」に出てきたのを読み、憧れて購入しました。 私の心に刺さったのは以下です。 ・スコッチウイスキー(スコットランドのウイスキー)の祖であるアイラ島(スコットランドの小島).で製造されているということ ・シングルモルト(大麦若葉のみを使用した)ウイスキーであるということ

金曜日の小夜曲

駅前から住宅地へと抜ける商店街 角のゲームセンターが 大きな音を響かせてシャッターを閉めた 昼間は人でごった返しているこの場所も さすがに夜遅くともなると人はまばらで 少し別世界にでも来たようなこの空間が好きだ まだお酒が軽く残っていて視界は霞み シャッターの前に一人座り込むと 鞄から出したペットボトルの水を飲んだ たまにその前を通り過ぎて行くのは バイト帰りの学生や、千鳥足のサラリーマン コンビニ帰りのラフな服装の人に 散歩するおじさんなどなど 遠くから轟いて来る