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短文自由詩集(1)/sekiryou

偽りの食卓に真実のスパイスを

かぼちゃのわたをくりぬく
狂気的な妻の目がうつくしい台所

寂寥の雨

愛のキャパシティ

郵便受けに入るサイズの愛しかうけとれません
宅配ボックスは用意してないの

寂寥の雨

粘着質のもの

貼られたレッテルなんて
養生テープを剥ぐみたいに
かんたんに剥いでやる

寂寥の雨

アナログ志望

デジタル化の片隅で 書類の山に埋もれたかった若者もいる

寂寥の雨

ありきたり

金木犀の香りで切なくなる私は一般人ですが 一般人のなにがいけませんか
ありきたりな感性の なにが罪ですか

寂寥の雨

流星

私が見損ねた流れ星を どこかで眺めた人がいる 流れ星は人を選ばない

寂寥の雨

勇敢であれ

よごれものをうつくしく
うつくしいものをよごれものにする勇気

寂寥の雨

数学(1→0)

0という存在を編み出した人は
0から1を生み出したんじゃなくて
1という存在から0を思い浮かんだんだね

寂寥の雨

素敵な勘違い

髪を切っただけで別人になった気になるなよ自分

寂寥の雨

詩集の罠

文字の少なさでたやすく人を惹きつけておいて
内容で離れられなくするのが詩の策略なんだ

寂寥の雨

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寂寥の雨
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