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たまには、自己中心的に生きてみる
高校生の時、初めて『お付き合い』というものをしました。私は女子バレーボール部に所属していて、彼は男子バレーボール部で、隣のコートで毎日顔を合わせていました。
はじめは男子バレー部の他の同級生が格好いいなあと思っていたのですが、彼が私に好意があるという噂を耳にして、分かりやすく意識し始めたのを覚えています。
バレーボールをしているくらいですから、彼は背が高くシュッとしていて、誰もが羨むモデ
夏休みの課題とシンデレラ
夏の暑さに溶ける。熱されたアスファルトに垂れて地面に染みて、地下水源まで下っていったなら少しはましかもしれない。
折角の長期休みだというのに、暑さは日増しで襲ってくる。
ニキビを隠すファンデーションもお手上げ状態。日焼け止めを忘れたなら次の日悲惨だし、汗の染みが目立つ服は一日中憂鬱。
気合を入れて駅前に集合しても、結局空調の効いた部屋で籠もることになる。一日中涼んで暑さを忘れる。それ
君と夏が鉄塔の上―読書感想文
今年も蝉の声と共に暑さがやってきた中学最後の夏。
長期休み真っ只中、ぐうたら過ごしていた伊達成実が、久しぶりの登校日に帆月蒼唯に話し掛けられ物語は始まる。
教室の隅で波風たてずにひっそりと生きてきた伊達は、クラスの中心からはほど遠い位置で周りの動向を気にしつつも、その輪の中に入ることなかった。机に顔をうつぶせ聞こえた事は、画面越しに眺める遠い国の話に等しく、少しの好奇心を抱くことがあっても