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#思考
深層意味論的夢分析のケース・スタディ:ユングによるパウリの「マンダラ夢」分析をたどる(パウリのマンダラ夢1〜16)
C.G.ユングは『心理学と錬金術1』の147ページにおいて、「夢に現れるマンダラ」として次の例を挙げている。
ぐるりと円を描く蛇。
青い花。
手のひらの上の金貨。
サーカス小屋?
赤い球。
球体。
「蛇」、「花」、「金貨」。ずいぶんと具体的なもののイメージが並んでいる。
具体物の向こうに述語的様相の脈動としてのマンダラを幻視するこういう具体的なものには注意が必要である、というのはレヴィ=スト
ユング、マンダラ、共時性:ユングの論文「共時性:非因果的連関の原理」を読むーーユングとパウリの共著 『自然現象と心の構造』より
深層心理学で知られるカール・グスタフ・ユングと、「パウリの排他律」で知られる物理学者ヴォルフガング・パウリとの共著『自然現象と心の構造』を読む。
パウリの手による論文「元型的観念がケプラーの科学理論に与えた影響」については下記の記事で論じたので、今回はユングの手による「共時性:非因果的連関の原理」を読んでみよう。
「偶然」の世界・・偶然?必然?「共時性:非因果的連関の原理」の冒頭、ユングは次の
心の深層に浮かび上がる”四”について、ユングの夢、空海の曼荼羅、レヴィ=ストロースの神話論理から考える
かのC.G.ユングがノーベル賞物理学者であるヴォルフガング・パウリの「夢」を分析したセミナーの記録である『C・G・ユングのセミナー パウリの夢』を読む。
パウリの夢の分析はユングの著書『心理学と錬金術』でも整理されているが、この『パウリの夢』をつうじて、ユング自身が『心理学と錬金術』の内容をレクチャーしてくれているかのようなライブ感を楽しむことができる。
全編を通じておもしろいのであるが、特に
W・パウリ「元型的観念がケプラーの科学理論に与えた影響」における四数性と、思考の根源を思考すること ーーユングとパウリの共著 『自然現象と心の構造』より
深層心理学で知られるカール・グスタフ・ユングと、「パウリの排他律」で知られる物理学者ヴォルフガング・パウリとの共著『自然現象と心の構造』という本がある。
この本の終盤、「付録III」、236ページに次のような図が掲載されている(図3 スコトゥス・エリウゲナの『自然の分類について』において考えられた四元性)。
ここでは、
1: 造る(能動)/造られる(受動)
2: する/しない
この二つの二
法界と共鳴しつつ生きていることを知る -中沢新一著『精神の考古学』をじっくり読む(9)
中沢新一氏の『精神の考古学』を読む。
+ +
私たちの「心」は、普段、あれこれの物事を、
好き/嫌い
損/得
うまい/まずい
良い/悪い
ある/ない
うち/そと
容器/中身
などと分けては、
「あちらではなく、こちらを、絶対に選ばなければならない」
という具合に働いている。
「好きなものだけを選びたい、嫌いなものは選びたくない」、「安くてもまずいものは食べたくないが、高くて美味いものも食べ
潜在眼で心の深層を「見る」/卵の殻としての言語 -中沢新一著『精神の考古学』をじっくり読む(5)
中沢新一氏の『精神の考古学』を引き続き読む。
精神の考古学。
私たちの「心」は、いったいどうしてこのようであるのか。
私たちが日常的に経験している「心」は、よい/わるい、好き/嫌い、ある/ない、真/偽、結合している/分離している、同じ/異なる、自/他、といった二項対立を分別するようにうごいている。通常「心」というと、こういう識別、判別、判断を行うことが、その役割であるかように思われている。
鶴の恩返し?!「神話」から神話の外へ -レヴィ=ストロースの『神話論理』を深層意味論で読む(62_『神話論理3 食卓作法の起源』-13)
クロード・レヴィ=ストロース氏の『神話論理』を”創造的”に濫読する試みの第62回目です。これまでの記事はこちら↓でまとめて読むことができます。
これまでの記事を読まなくても、今回だけでもお楽しみ(?)いただけます。
鶴の恩返しの八項関係一年生になったばかりの下の子が、学校で「鶴の恩返し」のお話しを聞いてきたという。
そして次のように尋ねてきた。
ん? わたしに聞くと、ちょっと、話、長くなる
人類の”心”のアルゴリズムを解き明す神話論理×十住心論 -レヴィ=ストロースの『神話論理』を深層意味論で読む(44_『神話論理2 蜜から灰へ』-18)
クロード・レヴィ=ストロース氏の『神話論理』を”創造的”に濫読する試みの第44回目です。
これまでの記事はこちら↓でまとめて読むことができます。
これまでの記事を読まなくても、今回だけでもお楽しみ(?)いただけます。
この一連の記事では、レヴィ=ストロース氏の神話論理を”創造的に誤読”しながら次のようなことを考えている。
則ち、神話的思考(野生の思考)とは、Δ1とΔ2の対立と、Δ3とΔ4の
野生の思考の核心にふれる/螺旋状に踏破する「心」 -β樹木のβ樹皮を纏ったβ老人がβジャガーに変身し… -レヴィ=ストロースの『神話論理』を深層意味論で読む(43_『神話論理2 蜜から灰へ』-17)
クロード・レヴィ=ストロース氏の『神話論理』を”創造的”に濫読する試みの第43回目です。今回はとてもおもしろいので(もちろん毎回おもしろいと思って書いていますが特に今回は特別に)どうぞお楽しみください。
これまでの記事はこちら↓でまとめて読むことができます。
これまでの記事を読まなくても、今回だけでもお楽しみ(?)いただけます。
はじめに、下の図をご覧ください。
神話的思考(野生の思考)とは
象徴”以前”の三元論-中沢新一・河合俊雄著『ジオサイコロジー 聖地の層構造とこころの古層』を読む
中沢新一氏と河合俊雄氏による『ジオサイコロジー 聖地の層構造とこころの古層』を読む。特に「こころ(心)の古層」について考えてみたい。
これがこの本の冒頭に掲げられた問いである。
「こころ」のはじまるところ中沢氏は「こころ」(心)ということを”全体が均質に働くひとつのもの”とは考えない。「こころ」(心)には、いくつかの異なった働き方があり、それらがつながりあい、もつれあい、重なり合っている。
生命体としてのシンボル分節システム ー感覚、イメージ、シンボル、ことば
国立民族学博物館で開催された公開講演「イメージの脈動にふれる」をyoutubeで視聴しました(現在は非公開)。
基調講演は中沢新一氏の「眼とイマージュ」である。
中沢氏といえば、私もこのところ『アースダイバー神社編』を読み込んでいたところである。「イメージの脈動にふれる」も繰り返し再生して拝見しました。
講演の中で中沢氏は、人間の身体の内部から発生する”脈動”するイメージについて論じる。
『ホモ・デウス』×『レンマ学』を読む−「知能」と「意識」と「知性」。進化するシンボル体系=意味発生装置の場所
(このnoteは有料に設定していますが、最後まで無料でご覧いただけます)
『サピエンス全史』の著者ユヴァル・ノア・ハラリ氏は、この本を通じて一貫して、人類の歴史における「虚構」の力に注目をしている。サピエンスの歴史は、虚構の使い方の歴史と言い換えてもよいくらいである。
虚構の力というのは、私たちが、目の前に存在しないもののことを想像・創造し、それについて言葉でしゃべったり、イメージを描いたり=