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弱おじの本棚

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読んだ本の記録です。
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#考え方

複数の世界を持ち、半身で気楽に楽しむという人生のコツ。〜「なぜ働いていると本が読めなくなるのか」を読んで〜

複数の世界を持ち、半身で気楽に楽しむという人生のコツ。〜「なぜ働いていると本が読めなくなるのか」を読んで〜

三宅香帆さんの「なぜ働いていると本が読めなくなるのか」を読んだ。

まず、本当に読んでよかったと感じている。
面白かったし、人生について考える良い機会を与えてくれた。

タイトルを見て、敬遠していた。
単なる読書術の本だろうと。

全く見当違いだった。
この本は読書だけじゃなく、「生きる」ということの本質であったり楽しみ方を提示してくれる素晴らしい本だ。

詳しくは読んでほしいので、自身に響いた部

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「成瀬は信じた道をいく」を読んで、「やりたいこと、やろう」と思った話。

「成瀬は信じた道をいく」を読んで、「やりたいこと、やろう」と思った話。

宮島未来さんの「成瀬は信じた道をいく」を読んだ。

前作に続いて、登場人物たちの爽やかな姿に心を動かされ、生きる元気をもらえた。
今回の作品は主人公の周囲の人たちにスポットライトが当たる機会が多く、それもまた良いなと感じた。人と人とのつながりが美しい。

信じた道をいく。
改めて、やりたいことをやらなきゃなと、感じさせてくれた。
やりたいことをやらず、何が人生だ。

信じる対象は、自分の心の声だ。

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人間だから、弱いし、揺らぐ。〜「ともぐい」を読んで感じたこと〜

人間だから、弱いし、揺らぐ。〜「ともぐい」を読んで感じたこと〜

直木賞受賞作、河﨑秋子さんの「ともぐい」を読んだ。

「熊文学」とも評される作品で、熊とそれを狩って生きる孤独な人間の姿が、とてもリアルな描写で表現されている。

読後に感じたのは、「人間って、やっぱ弱いよな」ってこと。
そして、「弱くても別にいいんだよな。人間だし。」という、なんだか自分を肯定してあげる気持ちも芽生えた。

主人公の男性は一人、熊を狩りながら生きていくが、その日々に疑問を感じ、揺

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「考える教室」を読んで「考える悦び」を学んだ話。

「考える教室」を読んで「考える悦び」を学んだ話。

若松英輔さんの「考える教室〜大人のための哲学入門」を読んだ。

まさに入門にぴったりの本で、数名の哲学者の紹介、そしてその考えをどう読み、どう思考を深めていけば良いのか道筋を照らしてくれている。

本を読むことは最高のエンタメだ。
だが、もっと楽しいことがある。
それは、本を読み、思考を深めるということ。

ゆっくりと一人で本を読み、著者との会話を通して、己の人生について深く思いを巡らす。
こんな

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「仕事の辞め方」を読んで、「結局はご縁だよな」と思った話。

「仕事の辞め方」を読んで、「結局はご縁だよな」と思った話。

鈴木おさむさんの「仕事の辞め方」を読んだ。

私自身、今すぐに仕事を辞めたいと思っているわけではない。
だけど、将来に漠然とした不安や不満があるのは事実だ。
本当にこのまま生きていていいの?
この仕事を続けていって、本当に後悔しないの?

日々の忙しさをいいことに、私たちは自分の感情から目を逸らす。
やりたいことをやるなんて、若者の特権。
おじさんは我慢して、淡々と死ぬまで生きるだけ。
そんな人生

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意味のないこの人生で、いかに意味を感じて幸せに生きるか。 〜「どう生きるかつらかったときの話をしよう」を読んで〜

意味のないこの人生で、いかに意味を感じて幸せに生きるか。 〜「どう生きるかつらかったときの話をしよう」を読んで〜

野口聡一さんの「どう生きるかつらかったときの話をしよう」を読んだ。

めちゃくちゃくらった。
そして人生について深く考える素晴らしい機会を与えてもらった。

この本を手にしたってことは、私はどう生きるかわからず辛かったのだろう。
本書を読み終えた今だって、悩みは尽きない。
だけど、目の前に少しだけ、光が差している。
こうすれば今より幸せに生きられるんじゃない?みたいな手応えが、今微かに掴めそうな気

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言葉を読んで言葉について感じたことを言葉にしてみる 〜「東京都同情塔」を読んで〜

言葉を読んで言葉について感じたことを言葉にしてみる 〜「東京都同情塔」を読んで〜

九段理江さんの「東京都同情塔」を読んだ。

私たちの身近にある「言葉」というものについて、改めて深く考えさせられた。

本作は生成AIを利用しながら書かれたとのこと。
人が紡ぐ言葉とAIが生み出す言葉。
その差異を、一目で見分けられる人はいるのだろうか?
そして、それぞれの言葉には何か違いがあるのだろうか?

改めて、言葉とは不思議なものだ。
「あ」は「あ」だけど、そこに「い」が加わればそこに「あ

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そっか。人生ってゲームやん。〜「ロングゲーム」を読んで感じた3つのこと〜

そっか。人生ってゲームやん。〜「ロングゲーム」を読んで感じた3つのこと〜

ドリー・クラークさんの「ロングゲーム」を読んだ。メンタリストDAIGOが推薦していて知った本。

結論。読んでよかった。
人生について深く考えるきっかけをくれたし、今自分が満ち足りないのはなぜかを少し理解できた気がする。これから人生という長い長いゲームをプレイしていくのが、楽しみになった。

①人生とはゲームだ。楽しむためにある。

正直、この本の大サビはタイトルに既に書かれている。

人生とはゲ

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仕事と人生と幸せと。 〜「未明の砦」を読んで〜

仕事と人生と幸せと。 〜「未明の砦」を読んで〜

太田愛さんの「未明の砦」を読んだ。

工場の派遣労働者たちのリアル、そしてクソみたいな現状を変えようとする若者たちの姿に、色々と感じるものがあった。

♦︎しんどい人見ると、自分の人生がマシに思えて少し心が軽くなる。

クソみたいな感想ですみません。
でも、実際に抱いてしまった感情なのです。

工事労働者のしんどい実態がリアルに描かれていて、すごく大変だなと思いました。

そして、今の自分は割と恵

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面白きこともなき世をオモロく。〜「ユーモアは最強の武器である」を読みました〜

面白きこともなき世をオモロく。〜「ユーモアは最強の武器である」を読みました〜

「ユーモアは最強の武器である」を読んだ。

笑いって大切だよなと、改めて感じた。

会社にユーモアを持ち込むのって、なかなかしんどい人もいると思う。
冗談なんて通じない、殺伐とした環境の中で仕事をしている人もいるだろう。

できる部分から、少しずつ。
ユーモアの輪を広げていけたらいい。
嫌な仕事を振られた時に、軽い皮肉を交えながら笑いを生み出せたらいい。
気まずいお願い事をする時、ユーモアのオブラ

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虚構だらけの世界を想像力とともに歩みたい。〜「鈍色幻視行」を読みました〜

虚構だらけの世界を想像力とともに歩みたい。〜「鈍色幻視行」を読みました〜

恩田陸さんの「鈍色幻視行」を読んだ。

とある小説を巡って関係者たちが謎を解き明かそうとするミステリー要素溢れる物語。
本作に登場する小説が実際の世界で書籍化されているのもすごく面白い。(未読なので絶対に読みます。)

本書が扱う大きなテーマは「虚構」、つまりはフィクションだ。
作られた一つの物語をきっかけに、大きくの人の人生が動かされ、交わっていく。

虚構に触れることで、多くの人生に触れること

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人事を尽くして天命を待てと、サトミツさんが教えてくれた。〜「スターにはなれませんでしたが」を読みました〜

人事を尽くして天命を待てと、サトミツさんが教えてくれた。〜「スターにはなれませんでしたが」を読みました〜

作家 佐藤満春さんの「スターにはなれませんでしたが」を読んだ。

僭越ながら感覚が似ていて、読んでいてとても心地が良かった。
人生へのスタンスもとても参考になった。

サトミツさんは運と縁が大切だと本書で言っている。
この本から学んだことを端的に表現するなら、「人事を尽くして天命を待つ」という言葉を用いたい。

やれることをやる。ただし、精一杯に。
自分の熱が感じられるところを、ひたすらに掘り下げ

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生きたいように生きたい。 〜「星を編む」を読みました〜

生きたいように生きたい。 〜「星を編む」を読みました〜

凪良ゆうさんの「星を編む」を読んだ。

人生について考えさせられ、また隣で共に生きてくれる人がいる奇跡に改めて感謝を感じさせてくれる物語だった。

きっと、人生の選択に正解などない。
どの道を選んだとしても、あの時ああしておけばという感情は拭い取れないかもしれない。

だからこそ、好きに生きていい。
好きに生きるしかない。
自分が信じた道を、これだと思う道を、信じた人とわかり合おうとする努力と共に

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自分の性質を愛して生きられそうな気がする。 〜「スピリチュアルズ」を読みました〜

自分の性質を愛して生きられそうな気がする。 〜「スピリチュアルズ」を読みました〜

橘玲さんの「スピリチュアルズ わたしの謎」を読んだ。
自分という人間について理解を深めるとても良い機会になった。

本書では人間は大きく8つの分野に分けて自分を定義することができ、その特性を活かして人生を楽しむことが大切だと書かれている。

自身の場合を考える。
私の核をなす部分は、きっと「内向性」にある。
その事実をもっと早く知っていれば、若い頃の苦しみは軽減されたのかもなと思ったりする。

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