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仕事と人生と幸せと。 〜「未明の砦」を読んで〜

太田愛さんの「未明の砦」を読んだ。

工場の派遣労働者たちのリアル、そしてクソみたいな現状を変えようとする若者たちの姿に、色々と感じるものがあった。

♦︎しんどい人見ると、自分の人生がマシに思えて少し心が軽くなる。

クソみたいな感想ですみません。
でも、実際に抱いてしまった感情なのです。

工事労働者のしんどい実態がリアルに描かれていて、すごく大変だなと思いました。

そして、今の自分は割と恵まれた環境にいるのだなと感じさせてくれました。

もちろん、仕事にストレスはあります。
理不尽なこともあれば、やりきれないことも多々あります。

けど、本書に出てくる人たちよりは、マシだなと思えるのです。

これは心が汚れている人間だからかもしれません。
でも確かにそう思えてしまっているし、これも一つの読書の効能だと信じて、ここに記したいと思います。


♦︎「抵抗」してみることの大切さ

理不尽に対して、抵抗であり行動を起こすって大切だなと感じました。

確かに、抵抗したところで現状が好転することなんて滅多にありません。
ただ、舐めてるとこっちだってやるよ?というファイテングポーズをとっておくことは、働く上で大切だと思うのです。

パワハラとかも同じです。
ストレスの捌け口にして大丈夫な奴だと思われるから、標的にされる。
一度でもブチ切れたり椅子を凝り飛ばしたりしてみて、抵抗できる人間だと思い込ませれば、狙われることはなくなります。

抵抗は自分を守るための行動です。
抵抗をやめて心を殺して生きていては、いつか感情を失ってしまいます。そして人生から色がなくなり、気づけば自宅で療養中なんてことになりかねません。

本書の登場人物たちは勇気を出して行動していました。
ぜひ見習って、理不尽には声を上げられる人間でありたいものです。


♦︎幸せとは自分を肯定できるように生きること

仕事とは何か。人生とは何か。
決して切り離せない仕事とどう向き合えば幸せに生きられるのか、とても考えさせられました。

極論、自分を肯定できなければ、幸せにはなれないのではないでしょうか。
いくら大きな金を得ていても、その仕事に意義を感じられなければ、多分長くは続かないと思います。

そして自分を肯定するためには、誰かを幸せにすることが大切になってきます。
自分の能力を活かして、その人の人生に良い影響を与えてあげる。そして感謝される。
これ以上の喜びはきっとありません。

もちろん、仕事の種類によっては他人からの感謝を感じられないことも多々あるでしょう。
だからこそ、自分を肯定できているかという点に、指標を置くのです。

昨日よりうまく作業ができた。
一生懸命働いた金で子供におもちゃを買ってあげた。
働く。生きる。幸せを感じる。

仕事とは苦行じゃなく、人生を楽しむためのエンタメであり遊び。そうやって前向きに捉えていけたらいいなと思います。きっと難しいけれど。


♦︎仕事をして人生を楽しめたらいい


仕事なんてなければいい。
常々感じることでしょう。

だけど、きっと仕事がなければ人生はとても退屈で、その退屈さがまた苦痛になってしまう。
人生とは難しいものですね。

仕事というテーマに、人間は苦しめられています。
その意味では、みんな仲間なのです。

社会は辛い場所です。悲しい場所です。
みんな自分のことを第一に考えて、他人の足を引っ張り、ミスを押し付け合い、罵り合い、心を病んでしまう人もたくさんいる。

同時に、社会でしか感じられない充実感もあります。
誰かに感謝されたり、誰かと大きな仕事を成し遂げた後にビールで喉を潤したり。

仕事。人生。
忘れてはいけないのは、シンプルに、全ては楽しむためにあるってこと。

もちろん、楽しめるような状況じゃない人もいる。
そんな時は、飯が食えてる。100点。そうやって生きていてもいい。

働くことと切り離すことのできない人生。
腹を括って、考え抜いてやろう。悩み抜いてやろう。

幸せを感じてやるんだ。
仕事への挑戦。人生への挑戦。
面白い。みんなでぶつかっていこう。僕たちは共に働く、共に苦しむ仲間なのだから。

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