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*Amazon在庫ラスト9冊* 書籍『鬼がこの世にただひとり、生きた証を刻みつける花』
ご無沙汰しております。少し間が空いてしまいましたが、2025年も明けて1ヶ月が過ぎました。本当に早いですね。
昨年(2024年)10月25日に発売開始した書籍『鬼がこの世にただひとり、生きた証を刻みつける花』、おかげ様で多くの方に手に取っていただきました。改めて感謝申し上げます。
本日2月2日現在、Amazonの在庫がラスト9冊となりました。ご興味を持ってくださりながらも、まだという方は、この
10/25頃発売|書籍『鬼がこの世にただひとり、生きた証を刻みつける花』
2020年7月から2022年10月まで、約2年半にわたりご愛読いただきました「物語の“花”を生ける」シリーズが、書籍として出版されることになりました。
上記で公開した16本のうち、12本に加筆・編集を行い、1本を新たに書き下ろし、計13本をまとめました。
タイトルは、コンテンツの中の1本を表題作として選びました。
長い間、皆さまにご愛読いただき、SNSを通じて「本シリーズは紙の本で読みたい」
マツリゴトを負う女たちの覚悟の花
連載シリーズ 物語の“花”を生ける 【プロローグ】はこちらから
第16回 『彼岸花が咲く島』(李 琴峰)ある年の9月、連休に両親がふたりだけで格安のバスツアーに出かけた。例年、8月のハイシーズンを避けて9月に夏休みをとって、両親と私の3人でちょっとした旅行に出かけるのだけれど、その年は仕事の都合で私の休みがとれず、両親だけで行くことになった。
父も母も高級な旅館やホテルに泊まりたいとかいいもの
少女と女王をつなぐ花
連載シリーズ 物語の“花”を生ける 【プロローグ】はこちらから
第13回 『森は生きている』(サムイル・マルシャーク)BOØWYやプリンセスプリンセスなどのロックバンドが流行した高校時代、文化祭はコピーバンドの演奏で幕を開けた。
文化祭では、音楽や演劇などの舞台系の出し物と、模擬店やレクリエーションなどの展示系の出し物があり、舞台系は近隣の大きな公会堂を貸し切って、展示系は校舎の教室を使って、
カメリア、それはシャネルの戦友
連載シリーズ 物語の“花”を生ける 【プロローグ】はこちらから
第12回 シャネルのカメリア卒論を提出した大学4年の冬、同級生たちとヨーロッパへ卒業旅行に出かけた。今の大学生たちに卒業旅行なるものがあるのかどうかはわからないが、社会人になると長い休みはとれなくなるという理由から、学生最後の休みを利用して、アメリカやヨーロッパを2週間ほど旅行する学生が多かった。
私たちもロンドン、ローマ、パリを
女の生き難さを物語る花
連載シリーズ 物語の“花”を生ける 【プロローグ】はこちらから
第11回 『源氏物語』 朝顔の巻
駅の改札で待ち合わせをしていると、女子高生がふたり、向こう側から歩いてきた。
眩いばかりのエネルギー、この瞬間にしかない生命のきらめき。
その年齢にあるときは気がつかなかったけれど、私の人生にも、きっとそんな一瞬があったのだろう・・・。
そんな気持ちで近づいてくるふたりを眺めていると、そのうち
それでも太陽をみつめつづけた花
連載シリーズ 物語の“花”を生ける 【プロローグ】はこちらから
第10回 映画 『ひまわり』(監督:ヴィットリオ・デ・シーカ 主演:ソフィア・ローレン、マルチェロ・マストロヤンニ)
トリエステのロンキ・デイ・レジョナーリ空港(通称 フリウリ=ヴェネツィア・ジュリア空港)に到着したのは、空にまだ、オレンジ色のグラデーションが残る時間だった。
薄暗いターンテーブルところで荷物が出てくるのを待ちなが
過去も未来も超える花
連載シリーズ 物語の“花”を生ける 【プロローグ】はこちらから
第9回 『時をかける少女』(筒井康隆)
数年前に花生けをはじめるまで、花が好きだとか、植物に興味があるだとか思ったことがあまりなかった。
小学生のとき、夏休みに朝顔やひまわり、糸瓜(へちま)を育てて観察日記をつけるという課題があった。なぜか毎年、芽すら出たことがなく、観察日記がつけられなくて、田舎で植物を育てていた祖父に泣きついた
小町の復讐をかたどる花
連載シリーズ 物語の“花”を生ける 【プロローグ】はこちらから
第8回 『小町の芍薬』(岡本かの子)2020年。私たち人間だけでなく、花や植物たちにとっても厳しい年だった。
日本では3月に自粛生活がはじまり、4月に緊急事態宣言が出て、一年のうちでもっとも花を必要とするイベントがすべて中止になった。花や植物の需要が激減し、それを生業とする人すべてが苦しんだ。生産者は丹精込めて育てた花や植物たちを