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土木(工業)教育

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「土木」や「工業」の魅力、その教育に関することについて書いています。 日常生活を支えている「土木」について理解を深めていただけると幸いです。 よろしければシェアをお願いいたします。
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記事一覧

災害時における地元建設業のありがたさ

災害時における地元建設業のありがたさ

 先ずもって、2024年1月1日の能登半島地震で被災された方々に心からお見舞い申し上げます。
 一刻も早い復旧、復興をお祈りします。

 さて、地震などの災害は予告なく突然起こり、インフラを容赦なく破壊し、私達の生活を一変させるどころか、生命までも奪っていきます。

 その被害からの復旧を早急に行うためには「地元建設業」が最も頼りになる存在です。
 具体的に述べていきます。

1 寸断された道路の

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インフラドック(定期健康診断)

インフラドック(定期健康診断)

 令和5年11月6日(月)、生徒6名とともに橋梁点検に行ってきました。
 これは、将来インフラメンテナンスなどを担う土木技術者の担い手の確保・育成を推進することを目的として、「岩手県県土整備部道路環境課」「株式会社昭和土木設計」「高校生」が協働により行うもので毎年開催されています。

 点検したのは、広表橋(一般県道夏油温泉江釣子線、北上市下江釣子地内) と、下十文字1号橋(一般県道前沢北上線、奥

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地元建設業界による模擬面接指導(岩手県建設業協会北上支部青年部会による)

地元建設業界による模擬面接指導(岩手県建設業協会北上支部青年部会による)

 勤務校土木科では、3年生就職希望者を対象に「地元建設業界による模擬面接指導」を平成23年から毎年開催しており、今回で12回目になります(令和3年度はコロナ禍のため中止)。
 本校の土木教育において極めて意義と魅力ある行事として長く定着しています。

1 目的 地元建設業幹部との模擬面接を通して、会社が求める人物像を明確に理解するとともに、就職試験に向け進路達成意識の高揚を図る。

2 内容①就職

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職業の選択について

職業の選択について


1 出来るだけ早期に専門性を高めることが有効。

 「若いうちに専門性を高めることが自身にも社会にも有用です。」
 これについては過去の記事で詳しく述べていますので参照して下さい。

2 専門の中でもどんな仕事をしているかで決定する。

 例えば「土木」を専門として工業高校や大学の工学部で学び、その分野を職業として目指すとします。
 専門の分野は「土木」だとしても、職業となるとたくさんの種類があ

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教え子とのお別れ

教え子とのお別れ

 私が教員になって初めて担任をした教え子が、去る4月27日、42歳の若さで旅立ちました。
 昨年9月に、癌と戦っていることを告げられていました。
 残念極まりありません。

 平成8年3月に行われた高校入試が彼との出会いです。
 私が個人面接の控え室監督をしていたとき、志望理由や高校生活で頑張りたいことなどについて、何度も何度も大きな声で練習していたことが今でも鮮明に蘇ります。
 高校生活ではいつ

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人財の大切さを知りなさい。

人財の大切さを知りなさい。

 「嫌なら辞めてもらって構わない。」
 そんなことを本気で言えますか?
 なら最初からその共同体に迎え入れないで下さい。

 「代わりはいくらでもいる。」
 本当にそうですか?
 家族でも?

 家族、企業、学校・・・・
 すべては複数の人で構成されています。
 その個人個人は、顔も体も考えも目標も何もかも違います。

 共同体が、学びや社会貢献などを行っていく際に、価値観や目標の違いなどによるす

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成長・進化していくこと

成長・進化していくこと

 昨日、勤務校においては入学式がありました。
 土木科には17名の新入生が元気に入学してくれました。

 先ずは心より「入学おめでとう」と同時に「入学ありがとう」という気持ちです。

 「インフラ整備の舞台で輝く人」「地域を支え、守り、感謝される人財」「未来の土木技術者」「新しい工法の研究者」・・・・

 土木科の学びの中には「夢」がたくさんあります。

 どうか、3年間の学びの中で自己を「成長」

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インフラ整備こそ国力を高める礎です。

インフラ整備こそ国力を高める礎です。

 今回は、『インフラ整備こそ国力を高める礎です。』このことについて深掘りしたいと思います。

 ここで指す「国力」とは、「軍事力」などではなく、国民の「安全」「安心」「快適」「豊かさ」などを指します。

 国民が上述の事を感じている国は、総じてインフラが整っています。
 または多くの国が、インフラ整備を充実させることで国力向上を目指しています。

 具体的に言うと、
「道路網を整備し、人流や物流を

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しっかり育てる建設会社 その2

しっかり育てる建設会社 その2

 昨日、東京に本社を置く道路建設会社の方が、卒業生の近況報告と新年度の求人説明のために来校されました。
 前日からの雪嵐で足下の悪い中お越しくださり、それだけでも感謝です。

 さて、お話の中でとても素晴らしいと感じたことがありましたのでご紹介します。

 『入社後3年間は月に1回の個人面談を行っています。』

 この面談を開始して以来ほとんど離職がなくなったとのことです。

 文章や言葉で表現す

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盛岡の魅力(インフラ面)

盛岡の魅力(インフラ面)

 先日のNYタイムズの「今年行くべき世界の旅行先」によると、盛岡市がロンドンに次いで世界第2位とのことでした。
 とてもビックリしましたが、20年以上暮らしてみてとても素晴らしい街だと思います。

 「自然」「水辺」「四季」「景観」「食」「人」「生活」・・・・
 どのワードからアプローチしても魅力あふれる盛岡です。

 さて、盛岡城跡公園(岩手公園)、岩手銀行赤レンガ館や、三大麺(冷麺・じゃじゃ麺

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勉強不足は恥

勉強不足は恥

 少し刺激の強いタイトルにしてしまいました。

 誤解のないよう最初に述べておきますが、「勉強時間が足りないことが恥ずかしい。」と言うことではありません。
 「勉強をしていないのにそれを知っているかのように振る舞うことや、勉強をしていないのに評論することこそ恥ずかしい。」と言いたいのです。

 例えば「地球平面説」ですが、古代では殆どの人が信じて疑わないことでした。ところが真実は「回転楕円体(土木

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結果と過程どちらが重要?

結果と過程どちらが重要?

 「優勝は出来なかったけどよく頑張った。結果よりもその過程を大事にして欲しい。」
 「結果が全てではありません。そこに向かって努力したことこそ重要です。」 
 よく耳にする言葉ではないでしょうか?
 これに対してこう思ったことはないですか?
 「結果が出なければ意味がない。結果を手に入れたくて努力してきたのだから。」

 結論から申し上げます。「結果(result)」と「過程(process)」は

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インフラの維持(メンテナンス)について

インフラの維持(メンテナンス)について

 土木の仕事では、橋やダム、道路などを建設していくことにスポットが当たりがちですが、維持管理(メンテナンス)も同じぐらい重要な仕事です。

 人間の体は、定期的な健康診断や人間ドックを行うからこそ、病気の早期発見に繋がります。何も行わないでいると、病気に気づかないばかりではなく、手遅れなほど進行してしまい、最悪は死に至ります。
 土木構造物も同じです。建設したまま放置していることは、健康診断や人間

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教え子の出前授業

教え子の出前授業

 11月1日(火)に、教え子W君の勤務する会社から出前授業をしていただきました。

 きっかけは、会社説明のために6月29日(水)に彼が来校したことにさかのぼります。今まで学卒しか採用してこなかったが、今後は高卒採用もしていきたいとのことでした。

 建設コンサルタント業や航空測量などを中心に手がけている会社です。
 具体的には、UAV(ドローン)や地上レーザ計測、GNSS(GPS)による測量など

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