連続呟きミニ物語 「意志の羅針盤」1 秋の陽が校庭を斜めに照らす放課後、目の前には、生徒の母親が不安げな表情で息を呑んでいました。 「先生、うちの子、高校生になってから、将来がわからないと言うんです」。 その言葉に、私は深く頷きました。
連続呟きミニ物語 「意志の羅針盤」14 「お子さんがこうした学ぶ力を得れば、将来どうしたらいいか、という問いに答えを見つけることができます。そこで、親御さんも働く意味を問うことに挑戦してはいかがでしょうか。学び続ける親の姿は、きっとお子さんの将来への自信につながることでしょう」
連続呟きミニ物語 意志の羅針盤」16 「お子さんの将来が分からないという言葉には、もしかすると描く未来がたくさんあり、選ぶことが難しいことの現れかもしれませんね。対話によって、お子さんが自分なりの世界観を選択し、親御さんも、お子さんの悩みを一緒に理解できるようになりますよ」
連続呟きミニ物語 「意志の羅針盤」2 母親の瞳には子を思う切実な光が揺れていました。 私は、キャリア形成という視点から、高校生が進むべき道を一緒に考えていこうと提案しました。 「お母さん、まずは組織内キャリア形成の基本からお話ししますね」
連続呟きミニ物語 「意志の羅針盤」17(了) 「まずは対話を大切にすること、ですね」 「ええ。そして、これをしたいと意志のある子どもは必ず自分の道を切り拓き、社会に貢献する存在となりますよ」 私は微笑みながら、そう答えた。 夕暮れが校舎を染める。面談を終えて、母親は家路についた。
連続呟きミニ物語 「意志の羅針盤」15 「働く意味を問い直すことで、親御さんも自分を客観的に捉えることができます。もちろん、お子さんの状態も一歩離れた場所から見ることができるようになります。こうして親御さんの子どもへの理解が進むことで、親子で深い対話が生まれるのです」
連続呟きミニ物語 「意志の羅針盤」10 「心の中には『現状維持バイアス』が潜んでます。親の世代も昔のイメージで子どもに将来のことを話すのではなく、子どもの意志を確認することが大切です。このことが、お子さんの成長を支える要となりますよ」 そうなんですね、と母親は大きく頷きました。
連続呟きミニ物語 「意志の羅針盤」12 「親子で共に成長できる空気が生まれると、子どもは萎縮せず自分の可能性を育てることができます。ご家庭においても、やってみようという意志を尊重することは、子どもの未来を支える大きな力となるのですよ」 私の話を、母親は大きく頷きながら聞いていた。