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メンタルヘルス全般

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対人関係、毒親問題、フェミニズム、共依存、箱庭療法、食い尽くし系、その他諸々について書いています。
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現代に生きる私たちは視覚情報にさらされ過ぎている

現代に生きる私たちは視覚情報にさらされ過ぎている

身近なものが引き起こす「錯視」

突然ですが、下図↓の模様、
どこかで見覚えがありませんでしょうか?

ピンと来た方も多いかとおもいますが、天井の模様です。

オフィスやスーパー、ありとあらゆる所で見かけますよね。トラバーチン模様と呼ばれているらしく、石灰石を基に作られているそうです。

表面が凸凹しているため吸音性にも優れ、耐熱性もあり、かつ安価だそうです。

病院でも広く使われており、

私が

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相手を不快にさせないアサーティブな回答法

相手を不快にさせないアサーティブな回答法

不安対象を避け続けるのは望ましくない

皆さまはプレゼン、会議など不特定多数の人前で話すことは得意でしょうか?

おそらく日本人で得意という方は少ないかと思います。

私も大の苦手です。

ただ苦手だからと言って避けてばかりなのは望ましくありません。

不安症やパニック症もそうですが、不安対象を避け続けるのは良くないとされています。

積極的に、とは言いませんが、無理なくスモールステップで、できそ

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職場でのマスク解禁に思うこと

職場でのマスク解禁に思うこと

ご訪問ありがとうございます。

今回は、私の職場でマスクが解禁になった際に感じた違和感について書いてみたいと思います。

「マスク任意」に対する職場の反応

ある朝病院に出勤した際、「マスクは任意」と突然発表されました。

「医療関係者はマスクを一生外せない」と言う人もいましたから、マスク解禁は寝耳に水で、聞いた当初は解放感よりも戸惑いの方が大きかったのが正直なところでした。

病院でのマスク着脱

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テレビ局の炎上動画を見て思ったこと

テレビ局の炎上動画を見て思ったこと

ご訪問ありがとうございます。

今回は、最近炎上したフジテレビアナウンサー陣の動画を見て感じたことを書いてみたいと思います。

動画の内容と感想

ご覧になった方も多いかと思いますが、内容的には新人アナウンサーの容姿を先輩アナウンサーたちがイジるというもの。

公式Youtubeの制作側としては、和気あいあいとした雰囲気をアップしたつもりが、それを見た視聴者からは「イジメではないか」と大炎上してい

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今の自分を大切にするマインドセット

今の自分を大切にするマインドセット

ご訪問ありがとうございます。

今回は、今の自分を大切にするマインドセット、と題して書いてみたいと思います。

iphoneのメモリー機能

iphoneのメモリー機能をご存知でしょうか?
「~なひととき」「~への旅行」といったテーマごとに、過去の写真を自動で選別して、動画で連続再生してくれる機能です。

私もたまに見るのですが、なんだか懐かしく、旅行写真などは非現実感も相まって一層楽しそうに見え

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スキャンダル報道が及ぼした思わぬ影響

スキャンダル報道が及ぼした思わぬ影響

ご訪問ありがとうございます。

先日大きな波紋を呼んだ、国民民主党の玉木雄一郎代表のスキャンダル。

私自身あまり関心はなかったのですが、連日の報道でどうしても目に留まってしまいます。また私の周囲でも少し興味深い波及効果(?)があったので、今回はそれについてお話しようと思います。

※最近時事ネタが多いではありますが、それだけ社会とメンタルヘルスは切り離せないものなのだと考えています。

高齢者の

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大谷選手に学ぶセルフ精神療法

大谷選手に学ぶセルフ精神療法

先日、ご結婚を発表された大谷翔平選手。

自分自身のことをよく把握されていて、物事を達観されていて、それでいて周囲への優しさや気配りも欠かさない、まさに非の打ち所がないような方に思えます。

今回は僭越ながら、そんな大谷選手の特に気になった発言を2つ取り上げさせてもらい、個人的な感想を述べさせて頂きたいと思います。

「心が平穏なのが何よりも良いことかなと思うので、私生活はそうありたいなと思います

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「食い尽くし系」は無意識のマウント!?

「食い尽くし系」は無意識のマウント!?

こんにちは、精神科医のはぐりんです。
※3分で読めます。

先月、講談社さまから「食い尽くし系」について書いてほしいとご依頼をいただき「現代ビジネス」に執筆させていただきました。

「食い尽くし系」とは、家族などとの会食の場で、他人の分まで無遠慮にたくさん食べてしまう人たちのことを指します。

私の過去記事(食い尽くし系が気になりすぎて〜精神科医が考察してみた)や現代ビジネスに、詳しく書かせていた

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相手の言動を被害的に捉えてしまう〜認知のゆがみとその改善策

相手の言動を被害的に捉えてしまう〜認知のゆがみとその改善策

こんにちは、精神科医のはぐりんです。
※4分で読めます。

今回は主に対人場面において、相手の言動を被害的に捉えてしまう方の認知の特徴とその改善策をお伝えしていきたいと思います。

相手の言動を被害的に捉えてしまう方は、表情や身振り、言葉などを通して得た情報をゆがめて捉えてしまう、いわゆる「認知のゆがみ」が原因と考えられています(社会的認知障害とも言います)。

認知のゆがみに関して、具体的には結

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つらい過去を乗り越える〜自分自身を認めてあげるということ

つらい過去を乗り越える〜自分自身を認めてあげるということ

※この記事は3分で読めます。最後までお読みいただけたら嬉しいです。
※ご自身のつらい体験を想起してしまう可能性のある表現を含みます。今現在治療中の方、症状がすぐれない方は読むのをお控えください。

「自分に自信が持てない」

先日とある20代の男性患者さん(Aさん)がそう言って来院されました。

聞けば、幼少期より父親から繰り返し暴言・暴力を受け続け、10歳頃に兄妹含め、みな保護のため別々の家に預

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毒親からは離れるしかない

毒親からは離れるしかない

最初に前回記事の補足です(フォロワー様からご指摘いただきました)。

前回は毒親に関して価値観の違い、主に世代間ギャップによる観点から「毒親は変わらない」という話をさせていただきました。

加えて毒親の問題には神経発達症(ASD,ADHD)の問題が絡んでいる場合が少なくありません。それも親子双方に発達の問題が絡んでいるケースです。

そうなると親による価値観の押し付けに、より拍車がかかり(ASDの

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毒親は変わらない

毒親は変わらない

今回は毒親について書いていこうと思います。

「毒親」という言葉は、1999年に刊行されたスーザン・フォワード著の「毒になる親」という本から生まれました。その後2012年頃からテレビなどで一気に広まりました。

響きが強い分この言葉を使うこと自体に賛否両論はあるかと思います。親を非難したところで憎しみを表現するだけで事態は変わらない、といった専門家の意見もよく聞かれますが、

個人的には「毒親」と

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対人関係のパターンは変えられる〜なぜDV夫を選んでしまうのか

対人関係のパターンは変えられる〜なぜDV夫を選んでしまうのか

こんにちは、精神科医のはぐりんです。
※じっくり読むと4分ほどかかります。お時間ない方は要点だけでもお読みいただけたら嬉しいです。

今回はなぜDV夫を選んでしまうのか、というテーマで実際のケースも交えながらお伝えしていこうと思います(個人の特定に繋がらないよう、詳細は伏せてお伝えしていきます)。

とある通院中のAさん。旦那さんのDVが原因で離婚し、その後別の相手と再婚したものの、その再婚相手も

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8050問題〜発達障害や毒親も背景に!?

8050問題〜発達障害や毒親も背景に!?

こんにちは、精神科医のはぐりんです。
※3.4分で読めます。ざっと要点だけでもお読みいただけたら嬉しいです。

8050(はちまるごーまる)問題、ご存知の方も多いかと思います。80代の高齢の親が、長年引きこもる50代の子供を経済的にも精神的にも支えて生活している、という社会問題です。

調べてみると2015年頃から提唱された問題で、親は年齢的に団塊の世代、子供は団塊ジュニア~就職氷河期世代に該当し

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