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8050問題〜発達障害や毒親も背景に!?

こんにちは、精神科医のはぐりんです。
※3.4分で読めます。ざっと要点だけでもお読みいただけたら嬉しいです。

8050(はちまるごーまる)問題、ご存知の方も多いかと思います。80代の高齢の親が、長年引きこもる50代の子供を経済的にも精神的にも支えて生活している、という社会問題です。

調べてみると2015年頃から提唱された問題で、親は年齢的に団塊の世代子供は団塊ジュニア~就職氷河期世代に該当します。親が第一次ベビーブーム、子供が第二次ベビーブーム期、におおよそ該当します。

第二次ベビーブーム期の方々は人数も多いですから、幼少期からし烈な競争環境にあって、さらには大人になったころにはバブルが崩壊し、就職氷河期時代に突入してしまったんですね。

さらに精神科的な視点で言うと、今の3.40代の方々が幼少期の頃はまだ発達障害の概念が乏しく、自身の発達障害の特性を見過ごされたまま、生きづらさを抱えつつもなんとなく過ごし、大人になってから職場や社会で不適応を起こした方も少なくありません。

私が担当している患者さんの中にも、8050問題に該当する方が、パッと思い浮かぶだけで3人ほどいます。

一人は40代の方、母親との関係性が悪く、幼少期の愛着形成の問題もあるような方。対人関係がうまく築けず、リストカットを年に数回したり、それでも頑張ってパート職につきますが長続きしません。

この年代の母親(団塊世代)は、もろに家父長制(男優先)の社会で育っていますから、自分が我慢し許されなかったこと(進学や就職)を子供に託すんですね(子供からすれば押し付け)。毒親になる背景には、こういった母親が育ってきた時代背景も原因にありそうです。

もう一人は50前後の知的障害の方。歩行がゆっくりで耳も遠く、見るからにご高齢の父の運転で来院されます。体重が計測不能なほど太っていて糖尿病も抱えています。

3人目は50代中盤のASDの方。親が亡くなった直後から、瞬く間に家はごみ屋敷となり、電気代を払う方法も分からないような方。両親の財産も他人から搾取され、ついには自己破産して生活保護を申請するようになりました。自分では生活できないため今は入院していますが、ゆくゆくは施設に入所する予定でいます(本人は拒否していますが、)。

最後にご紹介した方を見ても分かるように、8050問題の行く末は目に見えています。やがて9060問題と言われる段階に突入しようとしていますが、未だに具体的な解決策は見えてこないし、実際に関わっている中で社会の受け皿が広がっている実感もありません。

私も具体的な解決策を今すぐには挙げられませんが、今回は精神科医療の現場で感じている8050問題の現状をお伝えさせていただきました。

最後までお読みいただきありがとうございました。













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