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毒親からは離れるしかない
最初に前回記事の補足です(フォロワー様からご指摘いただきました)。
前回は毒親に関して価値観の違い、主に世代間ギャップによる観点から「毒親は変わらない」という話をさせていただきました。
加えて毒親の問題には神経発達症(ASD,ADHD)の問題が絡んでいる場合が少なくありません。それも親子双方に発達の問題が絡んでいるケースです。
そうなると親による価値観の押し付けに、より拍車がかかり(ASDのこだわりや柔軟性の乏しさ)、
さらには受け手側の子の方にもASDの特性があるとなると衝突は避けられません。
前回も触れましたが、神経発達症という概念自体の理解も世代によって認識に差があり、自身の神経発達症に関して全く意に介さない毒親も少なくないのです(そもそも神経発達症なんて概念自体存在しない)。
「毒親はかわらない」、ではどうすればいいのか?
相手が変わらないのであれば自分が変わるしかありません。親への理解や共感を深め、付き合い方を変え、少しずつでも歩み寄ればうまくいくのでしょうか?毒親問題はそんな生半可なことでは解決はしません。
「毒親からは離れるしかない」、それも物理的に離れる選択をとるしかないと思っています。
毒親は子供への配慮や尊重といったものが一切ありません。距離感がなく土足で心身に踏み込み、自分の子供なんだから何をやっても許されると思い、親と子といえども「他人である」という認識などほぼありません。
「毒親は変わらない」「毒親と離れる」、精神科医の私がこう言ってしまうと身も蓋もありませんが、毒親に関しては私自身の経験則でもあり、加えて普段毒親に苦しんでいる患者さんたちを見ている中で感じていることをお伝えしました。
「毒親」と一口に言っても抱えている問題や程度も様々でしょうし、毒親と離れたくても色々な理由で離れられない方もいるかと思います。
そういった方でも1人で抱えこまず、病院やカウンセラーに相談したり、行き過ぎた干渉や暴力がある際には警察に相談するのもよく聞く対処法です。毒親の問題は端から見ても理解されづらい点も本人を苦しめる大きな要因の一つです。
親と言えども他人です。一人でも多くの方々が毒親から解放され自分らしく生きられれば、と願っています。