職場でのマスク解禁に思うこと
ご訪問ありがとうございます。
今回は、私の職場でマスクが解禁になった際に感じた違和感について書いてみたいと思います。
「マスク任意」に対する職場の反応
ある朝病院に出勤した際、「マスクは任意」と突然発表されました。
「医療関係者はマスクを一生外せない」と言う人もいましたから、マスク解禁は寝耳に水で、聞いた当初は解放感よりも戸惑いの方が大きかったのが正直なところでした。
病院でのマスク着脱には賛否あるかと思います。
総合病院など不特定多数の人の往来が激しく、年がら年中何らかの感染症が流行っている所では、本当に金輪際マスクは外せないかもしれません。
私個人的にはマスクには反対派。ここ5年くらいは患者さんの診察をする際もマスクで顔を覆ったまま、お互いに表情を見ることなく話していました。
話す際に相手の表情を伺い知ることもできないし、表情を介したreactionやcommunicationも制限されてしまいました。
できればface to faceでの会話が望ましいよね、という精神科ならではのポリシーもあり「マスクは任意」となったとは思うのですが、そのことでむしろ別の違和感を覚えることとなりました。
というのも「マスクは任意」と言われても、付けたままの職員が大多数なのです。外しているのは(発令した側の)管理職と一部の医者のみ、数えるほどしかいません。
マスクを「外せない」と「外さない」
そこにはマスクを「外せない」心理と「外さない」心理が働いているように思います。
「外せない」心理とは、私たちはもうすでにマスクを付けたままのコミュニケーションに慣れきってしまっていて、マスクを外すことに抵抗を感じてしまっているというもの。
その最たる例を挙げると、社交不安障害(対人恐怖症)の方や思春期をコロナ禍で過ごした子たち。対人恐怖症はASD(特に受動型ASD)の二次障害としてもよく知られています。
マスクを外せない方は、まずは自身のそういった状態を認識する事、その上で意識的に段階的にマスクを外す時間を長くしていくこと。漫然とマスクを付けていたら、いつまで経っても「外せない」ままです。
一方で「外さない」心理、それはマスク任意と言われて、とりあえず「様子見」というもの。
周りが外さないから自分も外さないというだけで、全員が感染予防の観点から自分で判断してマスクを付けているとは到底思えません。
もはや解禁当初の戸惑いの時期も過ぎ、そこには「マスクを外さない職員が大多数なのだから、外すほうが普通じゃない」という雰囲気すら漂い始めました。
いやいや、ちょっと待てよと、有史以来ここまで長期間マスクを付けたまま話していた期間があったかと。少し考えれば、マスクを付けて過ごしている方が異常でしょうと。
え?私?とりあえず診察の時以外は周りに合わせてマスクを付けています(笑)
おわりに~染みついた行動習性から抜け出そう~
とりあえず多数派に乗ってマスクを外さないでおこうという職場の風潮は、何か日本社会の縮図を見ているようにも思います。
思考停止していないか、主体的に考えて行動できているか、自分自身を振り返る必要があると思います。
マスクを外せない、外さないを通して、数年間で染みついた人の行動習性を変えることは本当に難しいことなのだなと感じています。
マスク解禁に際して思ったよしなしごとでした。
最後までお読みいただきありがとうございました。