- 運営しているクリエイター
#本
『D2C 「世界観」と「テクノロジー」で勝つブランド戦略』(佐々木康裕・著)のレビュー
コロナウイルスが世界中で猛威を奮っている影響で外出する人が減り、経済が停滞している昨今ですが、尋常ではない影響を受けているのはリテール(小売)です。
もちろん、悪影響は時間差でほかの業種にも及ぶことが予想されますが、いかんせん、小売というのは店舗にお客さんがたくさん来てくれないと成り立たないメカニズムですから、仕方がない側面もあります。
そして、このコロナの一件は「リテール・アポカリプス(小売
『「舞姫」の主人公をバンカラとアフリカ人がボコボコにする最高の小説の世界が明治に存在したので20万字くらいかけて紹介する本』(山下泰平・著)のレビュー
最近はブログから書籍化するケースが増えてきましたね。
ブログの記事が元になった書籍をまたブログで紹介するというのは、ちょっと変な感じがします。
だったら元ブログを紹介したほうが話が早いんじゃないかな、とか。
今回紹介する本も、元はと言えばバズったブログ記事が発端となったものです。
元記事はこちらです。
cocolog-nifty.hatenablog.com
本書で紹介されているのは、
薄暗くて物悲しくてモヤモヤする10の物語 ~『10の奇妙な話』のレビュー
仕事が忙しすぎてぜんぜんブログを書く余裕(メンタル的にもフィジカル的にも)がなかったけど、私は元気です。
文芸書の装丁デザインは実用書よりかなり重要さて言わずもがなだが、本の装丁はめちゃくちゃ大事だ。
基本的に、まず本を手にとってもらうためには装丁で目を引かないと話にならない。
ビジネス実用書の場合、その意味では、少し楽な部分もあるかもしれない。
というのも、タイトルで思いっきり「読者のメリッ
平安時代のDQNはタチが悪い~『殴り合う貴族たち』のレビュー~
平安貴族……というと、『源氏物語』や百人一首など、色恋沙汰にうつつをぬかしながらのほほんと和歌でも詠んでいた人たちというイメージが強いと思うが、当然ながら彼等だって人間なので、怒りに身を任せて罵詈雑言を吐いたり暴力をふるったり殺人を犯したりする。
『源氏物語』という幻想
そもそもの話だが、『源氏物語』は紫式部の描いたフィクションであり、つまり、この作品は紫式部の「こんな世界だったら素敵よね」
大きいオッパイはいつから「巨乳」と呼ばれるようになったのか? ~『巨乳の誕生』のレビュー~
テレビのニュースを見ていたら「年明けうどん」というものが紹介されていた。簡単に言えば、「年越しそば」と対になる言葉で、さぬきうどん振興協議会がうどんを買わせるために新たに根付かせようとしている行事である。
※今回のエントリーは一部、卑猥な画像が挿入されているので、いろいろ気をつけてください
これを見て思ったのは、新しい言葉が生まれるとき、そのルートは大きく3つに分けられるのではないか、というこ
「やりたいことが特にない」っていうスゴい才能について
自己啓発書でよくあるメッセージは
「自分が心のそこからやりたいと思うことを見つけて、それに全力を注げば成功できる」
というものだ。このことはきっと正しいと思うし、私もそれにしたがって生きている側面が大きい。そして、今回紹介するこの本でも、「自分が好きなことを見つけてそれに注力する」ことの重要性は説かれていた。
「好き」と「得意(評価)」は、密接にかかわっていると思っています。
「下手の横好き
企画には「そうきたか!」が必要
私は書籍の編集者なので、原稿に「赤入れ」をする。
「赤入れ」というのは、文章の間違いやよくない表現などを修正するために、赤ペンで書き込むことだ。いまはすべてパソコンのデータで作業しているので、最終的には、それをスキャンしてDTPデザイナーに送信し、無効のパソコンで修正してもらう。
で、最近、「赤入れってどうやって書けばいいんですか?」と尋ねられて、ふと思ったことがある。
校正記号はなん
年末年始はコレを読んどけアワード2017 ~小説・人文・ビジネス実用~
今年もいろいろ読んで、2017年の読書冊数は215冊(12月21日時点)。
私が今年読んだ本のからとくに良かった本を10冊に絞り込んでおススメする。ジャンルは文芸・ビジネス・人文などいろいろ。ひとつくらい、気になるものが見つかるとうれしい。
1.『猿の部長』
マーケティングが学べる小説なのだが、意外にもしっかりしたSF仕様で、巷にあふれている「とりあえずストーリーつけました的なビジネス書」と
袋とじは読者の驕慢を叩き潰す ~『生者と死者』のレビュー~
私たちは、本が普通に読めることに慣れすぎてしまったのではないか。
夜中に腹が減ればいつでもコンビニで食べ物が買えるのと同様に、金を出して本を手に入れれば、なんの苦労もなく次のページをめくれることを、さも読者として当然の権利と考え、驕りたかぶっているのではないだろうか。
そのような驕慢な読者の鼻先に突きつけられるのは、「袋とじ」という怪物である。
これは、本来製本の段階でノド(背表紙のほう)に