マガジンのカバー画像

#エッセイ集

49
趣味や興味のあることと、自分との間に発生する大切なもの。それを言葉にしたエッセイ集。
運営しているクリエイター

#子供

「ここ」にあるよ

「ここ」にあるよ

「それ、ここにあるよ」って、足元のカタツムリが教えてくれた。

緑、茶色、黒、橙、茶色、朱色、黄色、黄緑といった豊かなグラデーションに彩られた一枚の落ち葉にカタツムリがぴたりと寄り添う。それは、まるで「ここ」にある足元の多様性と美しさのありかをぼくに指し示すように。

今朝、小学生の娘と2人で家の近所を自転車で「散歩」した。娘とのルールはただ一つ、「今まで通ったことのない、知らない道だけを走ること

もっとみる
信頼という愛情表現。親が子供に残せるもの。

信頼という愛情表現。親が子供に残せるもの。

親が子供に残せるもの。それは、将来子供が自分の子供時代を振り返った時に「自分はしっかりと親から愛された」という記憶ではないかと思う。

親からしっかり愛されたという記憶が子供の自信を育む。

その自信というのは、過去の成功体験といった実績に裏打ちされたものではなく、結果を残せるか分からない新たな世界に飛び込む際のベースになる「根拠のない自信」。

最近、そんなことをふと考えるようになった。

歳を

もっとみる
今を生きる、子供は完璧だと思う。

今を生きる、子供は完璧だと思う。

瞑想とかマインドフルネスとか色々とあって、呼吸を整えたり、過去でも未来でもなく「今」に意識を集中する、ってありますよね。

雑念を追い払って、あるいは上手くコントロールして、「今この瞬間」に意識を集中する。ぼくも、かなり前に座禅用の丸くて分厚い座布団を用意して、呼吸を整える!とかやってました。

それはそれで集中できる感覚があったし、集中することによるリラックス感もありました。

ただ、特にそうい

もっとみる
自然の中で過ごした感覚が今の自分を支えている。

自然の中で過ごした感覚が今の自分を支えている。

関西のど田舎で生まれ育ち、その自然の原風景こそぼくが日本酒を愛する理由の一つだ、と最近記事に書きました。

歳を重ねる度に感じることがあります。

それは、自然というものが、どれほど深く自分の中に埋め込まれているかということ。

そして、

自然に囲まれて生まれ育ち、自然の中でめいっぱい遊んだという経験と記憶が、今のぼくをどれほど肯定してくれているかということ、です。

◇◇◇

・物事が

もっとみる
子供は、親の背中の「大好き」で育つ。

子供は、親の背中の「大好き」で育つ。

お子さんをお持ちの方なら経験あると思んですが、子供って、どうしてそんなにきっちり観察してるの?ってくらい親のことを見てますよね。

そしてその言動を見事に真似してくる。言葉遣いや、ため息のつき方、笑い方、他人との接し方。。

まるで、ぼくという人間を丸ごと試されてるみたい。やばいぞ、これ。って、そんな経験あるかなーって思うんです。

*******

日本語に、「背中を見て育つ」という表現がありま

もっとみる
幸せとは子供のようになること。

幸せとは子供のようになること。

幸せとは何か。なんて、答えのよく分からないこと、つい考えてしまいますよね。今ではそんなこと考える機会はあまりないんですが、10代、20代の頃はよく考えてました。

「生きる意味」と並んで、知性という厄介モノを背負いこんでしまった人間特有のテーマなんですよね、こういうの。

ピカピカのキレイな答えなんて多分どこにもないのに、少しでもスッとしたい。腑に落ちる言葉が欲しい!ってそんなこと思ってま

もっとみる
子供の喜ぶ姿が全てだと思ってます。

子供の喜ぶ姿が全てだと思ってます。

まだ世界がこんな事態になる前、普通に学校があった時期、仕事を休ませてもらって娘の小学校の授業参観に行った時の話です。

保育園時代のお迎えの際にも何度か体験したのですが、多数の子供を前にすると時々不思議なことが起こります。

授業が終わって休み時間に入った時、顔も名前も知らない初対面の子供たちが、ぼくに駆け寄ってきて猛烈な勢いで話しかけてくる。

近所に住む親戚を含めた自分の家族構成を一生懸命説明

もっとみる
それは喪失ではなく永遠なんだと思います。

それは喪失ではなく永遠なんだと思います。

ぼくが子供時代を過ごした関西の田舎。最近、日本酒を口にして「自然」を感じるとき、頭に浮かぶのはほぼ毎回その田舎の風景。

ぼくが家族で住んでいた家は今は無く、そこには別の人が別の家を建てて住んでいます。周りの家や住んでる人はぼくの子供時代のまま。風景も同じ。田んぼと畑が広がって、雄大な山々に囲まれて。

大学に入るまでそこに住んでました。

ぼくが社会人になった頃、両親はもう少し便利な場所へという

もっとみる
子供は親の言うことなんて聞かないくらいで丁度いい。

子供は親の言うことなんて聞かないくらいで丁度いい。

うちには小学校低学年の娘がいます。

子供ってひたすらに「今、目の前」の感覚に集中して生きていて、ヤなことはヤだし、やりたいことは今すぐやりたいし、自分を見て欲しい時は今すぐ見て欲しい!!

って、寝る以外のほぼ全ての時間をそうやってパワー全開に生きてるように思える。

そんな姿がほんと微笑ましいと思います。

楽しいことに没頭する姿を見ていて、子供は「生き方のお手本」だなーっていつも思う。

もっとみる
大切なのは子供に戻ること。感性に生きること。

大切なのは子供に戻ること。感性に生きること。

ぼくには小学生の娘がいます。

子供って「今」「目の前」を一生懸命生きていて、それをほんとに分かりやすい形で表現してくれるんですね。

その純粋な姿に教えられることが、ほんとに多くて。

子供は生きるお手本自分の興味のむくこと、目の前で自分の感じていることが全て。

あれがしたい、これがしたい。ヤなことは絶対にしない。今すぐアイスが食べたい、今日は寝る前に絶対テレビが見たい、片付けなんてしない、謝

もっとみる
純粋さは、経験という名の試練に耐えられるか。

純粋さは、経験という名の試練に耐えられるか。

前回記事で親は子供の純粋さに育てられるということを書いた。大人になる過程で失うものの多さを子供は教えてくれる、大切なことはいつも子供が教えてくれる。

大人になる過程で失うもの。

今回はもう少しその点を考えてみた。

=======

歳を重ね、経験を重ねていくと視野の広がりを感じる。

色んな人に出会って物事の解釈の多様性を学ぶ。世界の色んな人に出会って価値観の違いの大きさに愕然とする

もっとみる